大阪に日帰り出張。ちょうど、大阪アジアン映画祭の最終日。クロージング作品の「王の男」が観られる!?ちょっと時間的にキツく、かなり際どかったが、ちゃっちゃと用件を済ませ、何とか滑り込みセーフ!
会場のリサイタルホールは、韓流ファンといえば!の、元気なマダム軍団の熱気で、ムンムン。そんな中、観賞と相成った話題作は...
お松の独り韓国映画祭①
「王の男」
韓国で大ヒットし、日本の韓流ファンの間でも話題騒然の作品。
とにかく、とりあえず観なきゃ!な心理は、かの「ダ・ヴィンチ・コード」の時と似た感じ?
卑しい身分の芸人チャンセンとコンギルが、何の因果か宮廷に召され、王の前で生死を賭けた芸を披露することに...
驚きました。これって、コメディ?だったんですね!私が今まで映画館で観た映画の中で、これほど場内に笑い声が絶えなかった作品は、初めて。
耽美な男同士の愛+ドロドロな宮廷陰謀劇という、「王妃マルゴ」みたいな退廃的で絢爛たる歴史絵巻?という先入観と期待は、コミカルなシーンや演技の多い喜劇的要素の高い内容に、軽く裏切られました。
まず、主人公たち芸人の演目が、卑猥で下品すぎて、かなりオゲレツ系お笑い。あんな下ネタ芸、国王を揶揄する以前に、公共の風紀紊乱で問題になるよ。韓国でなくても、どこの国でも捕まります。
王の前での芸初披露も、かなり笑えます。
ぜんぜんウケず、ひえ~どないしよ~!もう、あかんわ~!死ぬ~!と、焦ってますますドツボにはまっていく芸人たちの様子や、ずっと微動だにせず無表情、いつ憤激するのかとハラハラさせていた王さまが、いきなりアヒャヒャヒャヒャ~!と大爆笑するシーン。この時の王さまのバカ顔&声は、主人公たちの芸より笑えます。
この王さまが、いちばん笑えて、インパクトあるキャラです。暴君、狂王、というより、バカ王って感じで、あまり怖くない。躁鬱が極度で、性格&言動がキモい+ヤバいけど、何か憎めないというか。重臣や寵妾や芸人に踊らされて、ますますヘンになっていく姿が、滑稽だけど悲壮で、哀れを誘います。渡辺いっけい、韓国語が上手だなあ。って、いっけいじゃないんだっちゅーの!
同性愛色が希薄だったのが、YAOIとしては残念。
チャンセンとコンギル、そして王の三角関係を、もっと緊密に描けなかったのかなあ。惜しい。チャンセンのコンギルへの愛情は、ほとんど兄弟愛って感じだったし。王さまのコンギルへの寵愛も、子供がえりしちゃった王さまが、幼稚園の保母さんに甘えてるみたいだし(これはこれで、かなり異様&変態的で面白いけど)。セクシュアルなシーンはなくても、嫉妬とか独占欲とか、男3人には切なく激しく愛憎の火花を散らしてほしかったです。
この映画最大の話題&売りである、コンギル役のイ・ジュンギ。
うう~ん。私はダメだなあ、こーいう系美男は。そもそも、女よりキレイな美少年ってのが、苦手なので...でもジュンギくんって、美少年なの?及川ミツヒロの顔を、デカくした感じに見えて...
コンギルのキャラも、存在じたいが周囲を惑わせ、狂わせる魔性の美少年って感じでは、全然なかったし。無意識のうちに、チャンセンをつなぎとめたり、王に媚びるところが、描写不足なのかな。けなげで優しい少年の域を、あまり越えてなかったのが残念。やっぱ「さらば、わが愛 覇王別姫」のレスリー・チャンは、スゴかったよなあ。
王の寵妾が、スケールの小さい楊貴妃って感じ。姑息なことろに、元芸妓らしい卑しさが出ていて、良かったです。辺見えみり?そんなはずないし、どっかで見たことある顔だなあ、と思ってたら、TVドラマ「HAPPY TOGETHER」でビョンホンの妹役だった女優と後で知り、喉につまった魚の骨が取れた思いに。
歴史ものにありがちな、暗い荘厳さ重々しさはなく(私は、あるほうが好きなんだけど)、軽妙でスピーディな展開なので、退屈することなく観られます。朝鮮時代劇の衣装って、色彩が明るいパステルカラー調で、可愛いなあ。
会場のリサイタルホールは、韓流ファンといえば!の、元気なマダム軍団の熱気で、ムンムン。そんな中、観賞と相成った話題作は...
お松の独り韓国映画祭①
「王の男」
韓国で大ヒットし、日本の韓流ファンの間でも話題騒然の作品。
とにかく、とりあえず観なきゃ!な心理は、かの「ダ・ヴィンチ・コード」の時と似た感じ?
卑しい身分の芸人チャンセンとコンギルが、何の因果か宮廷に召され、王の前で生死を賭けた芸を披露することに...
驚きました。これって、コメディ?だったんですね!私が今まで映画館で観た映画の中で、これほど場内に笑い声が絶えなかった作品は、初めて。
耽美な男同士の愛+ドロドロな宮廷陰謀劇という、「王妃マルゴ」みたいな退廃的で絢爛たる歴史絵巻?という先入観と期待は、コミカルなシーンや演技の多い喜劇的要素の高い内容に、軽く裏切られました。
まず、主人公たち芸人の演目が、卑猥で下品すぎて、かなりオゲレツ系お笑い。あんな下ネタ芸、国王を揶揄する以前に、公共の風紀紊乱で問題になるよ。韓国でなくても、どこの国でも捕まります。
王の前での芸初披露も、かなり笑えます。
ぜんぜんウケず、ひえ~どないしよ~!もう、あかんわ~!死ぬ~!と、焦ってますますドツボにはまっていく芸人たちの様子や、ずっと微動だにせず無表情、いつ憤激するのかとハラハラさせていた王さまが、いきなりアヒャヒャヒャヒャ~!と大爆笑するシーン。この時の王さまのバカ顔&声は、主人公たちの芸より笑えます。
この王さまが、いちばん笑えて、インパクトあるキャラです。暴君、狂王、というより、バカ王って感じで、あまり怖くない。躁鬱が極度で、性格&言動がキモい+ヤバいけど、何か憎めないというか。重臣や寵妾や芸人に踊らされて、ますますヘンになっていく姿が、滑稽だけど悲壮で、哀れを誘います。渡辺いっけい、韓国語が上手だなあ。って、いっけいじゃないんだっちゅーの!
同性愛色が希薄だったのが、YAOIとしては残念。
チャンセンとコンギル、そして王の三角関係を、もっと緊密に描けなかったのかなあ。惜しい。チャンセンのコンギルへの愛情は、ほとんど兄弟愛って感じだったし。王さまのコンギルへの寵愛も、子供がえりしちゃった王さまが、幼稚園の保母さんに甘えてるみたいだし(これはこれで、かなり異様&変態的で面白いけど)。セクシュアルなシーンはなくても、嫉妬とか独占欲とか、男3人には切なく激しく愛憎の火花を散らしてほしかったです。
この映画最大の話題&売りである、コンギル役のイ・ジュンギ。
うう~ん。私はダメだなあ、こーいう系美男は。そもそも、女よりキレイな美少年ってのが、苦手なので...でもジュンギくんって、美少年なの?及川ミツヒロの顔を、デカくした感じに見えて...
コンギルのキャラも、存在じたいが周囲を惑わせ、狂わせる魔性の美少年って感じでは、全然なかったし。無意識のうちに、チャンセンをつなぎとめたり、王に媚びるところが、描写不足なのかな。けなげで優しい少年の域を、あまり越えてなかったのが残念。やっぱ「さらば、わが愛 覇王別姫」のレスリー・チャンは、スゴかったよなあ。
王の寵妾が、スケールの小さい楊貴妃って感じ。姑息なことろに、元芸妓らしい卑しさが出ていて、良かったです。辺見えみり?そんなはずないし、どっかで見たことある顔だなあ、と思ってたら、TVドラマ「HAPPY TOGETHER」でビョンホンの妹役だった女優と後で知り、喉につまった魚の骨が取れた思いに。
歴史ものにありがちな、暗い荘厳さ重々しさはなく(私は、あるほうが好きなんだけど)、軽妙でスピーディな展開なので、退屈することなく観られます。朝鮮時代劇の衣装って、色彩が明るいパステルカラー調で、可愛いなあ。