まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

この世の果ての家でコリンを飼う

2006-11-16 | 北米映画 00~07
 不燃物のゴミを出すため、ちょこちょこ部屋を整理整頓。
 ホコリをかぶっているCDなども、捨てよう。どんなの買って聞いてたっけ。
 ♪バックストリートボーイズのベスト盤
 ♪韓ドラ「美しき日々」のサントラ
 ♪時代劇主題歌集「ちょんまげ天国」
 ♪名探偵コナン主題歌集
 あはは。一枚10円でも買い取ってもらえなさそうなCDばっかじゃ。

  「イノセント・ラブ」
 「めぐりあう時間たち」が有名な、ピューリッツア賞受賞作家マイケル・カニンガムが、自作の脚色も担当した作品。
 高校の同級生ジョナサンとボビーは、友情を越えて性的な関係を持ってしまう。数年後、ニューヨークで暮らすジョナサンのもとに、ボビーが転がりこんでくる。クレアという年上の女を加えた、3人の奇妙な共同生活が始まるが...
 原作の「この世の果ての家」は、大好きな小説。
 屈折したゲイのジョナサン、ピュアで不思議な魅力を持つボビー、トンでる女クレア、そしてジョナサンの母。4人の複雑で深い心理・葛藤が、流麗に切なく描かれていて、引き込まれました。その映画化、しかも我が愛するコリン・ファレルがボビー役!ということで、ずっと観たくて仕方なかった。長いお蔵入りの末、やっとDVDリリース!
 2時間弱の映画なので、原作の重みや深みを出すには不十分。それは仕方がない。かなり薄口&軽めになってるけど、暗くて高尚な「めぐりあう時間たち」よりは、わかりやすく楽しい内容になってたので、ヨシとする。
 きゃー!コリンめっちゃ可愛いやんけ~!
 ちょっと浮世離れした性格だけど、優しく純粋無垢で無欲、無償の愛でジョナサンとクレアを包む不思議青年ボビーを、コリンはチャーミングに演じてます。
  
 ボビーのキャラに、コリンのルックスが合ってるのが嬉しい。
 モサい&イモい朴訥な田舎者で、ちょっと頭が悪そうで茫洋としてるけど、小さいことに拘泥しない大らかさや、不器用に見えてナニゲに何でも上手にこなす才能、セクシーな性的魅力で男女ともに魅了するボビー。まさにコリンそのものじゃん!?
 図体はデカくてイカついけど、いつも不安そうで寂しそうな顔をしている、大きな子供みたいなコリンasボビー。そして、愛する人たちには常に受身。不満も疑いも裏切りもない、求めず与えるだけの、まさにイノセント・ラブ。そんな忠犬のようなコリンが、愛しい。ふと見せる、シャイで無邪気な笑顔のキュートさときたらクレアとの間にできた赤ちゃんを、あやしたりオムツを替えたりするシーンのコリン、ほんと可愛いぞ!自分の子供にも、あんな風にしてるのかな?私にもしてくれー!
 もちろん、セクシーな魅力も遺憾なく発揮。相変わらず、いいガタイ!ムキムキじゃない、ムチムチしたマッチョさが素敵です。やたらと脱ぎます。そして、男とも女ともラブシーン。クレアに童貞を奪われて泣くコリン、超可愛い!ボビーが子役からコリンになってからは、ジョナサンとのセックスはないけど、ブチュっと唇にキスしたり、優しくベッドで腕枕したり。女だけでなく、その筋にもコリンがモテモテなのが、よく理解できます。
 始めはヒッピーな長髪、N.Y.に来てからはSWATなクルーカット。コックさん姿や70年代のファッションなど、コリンの見た目も楽しめます。
 ジョナサン役の俳優がなあ。もうちょっとイケメンだったらなあ。原作は、キップ・パルデューをイメージしながら読んでたので...コリンとキップだなんて、YAOIにとってはヨダレものなカップルだよなあ。
 クレア役ロビン・ライト・ペンのブッとんだ髪型や、ジョナサン母役シシー・スペイシクの哀愁ある好演も、印象的です。 若くして死ぬボビーのお兄さんが、J・R・マイアーズ似の美形です。
  ↓ボビーの少年時代を演じる男の子が、コリンに似ていて可愛い!
  
 
 
 
 
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そんなジェヒョンに堕とされて

2006-11-15 | 韓国映画
 深夜にTVをつけると、必ずやってる通信販売の番組。
 楽々お掃除スイブルスイーパーと、美容と健康にゴマの力セサミンに、強く購買欲をかきたてられてる、冬の真夜中です。
 
 お松の独り韓国映画祭⑤
 「悪い男」
 「うつせみ」に続いて、キム・キドク監督の作品を観ました。
 街で一目惚れした女子大生に、いきなりブチュ~!と無理やりキスするヤクザ。当然、女子大生は激怒して彼を面罵する。ヤクザは、卑劣な罠を仕掛けて、女子大生を売春婦に堕とす。そして、彼女が客をとる様子を、マジックミラーで観察...
 ううむ。これも、何とも不可解で不思議な映画だよなあ。
 バカにされた腹いせで、女子大生をメチャクチャにするってのなら、ひどいけど解らないでもない。でも、このヤクザはそんな感じじゃないし。明らかに、女子大生を愛してるみたいなのに、何でこんな歪んだ病的な仕打ちを...こんな愛を理解できるほうが、変だと思うので、さっぱりワケワカメで安心。
 まさに、病んだ狂犬に噛まれてしまったかのような、不運すぎるヒロイン。清楚な女子大生から、悲惨な娼婦へ転落してゆく姿が、哀れ...なんだけど、なぜだろう?あんまり同情できないのは。気が強すぎるからか?ハメられた罠も、かなり自業自得っぽいし。清楚な女子大生は、サイフをネコババなどしません。だんだん娼婦業に慣れて、それに順応していく姿が、たくましいというか...
 説明的な演出や台詞やシーンは排除し、ひたすら不思議なムードやシーン、登場人物のキャラで魅せるキドク監督の作風、好きかも...
 しかし何といっても、主人公のヤクザ役、チョ・ジェヒョンがスゴい!
  
 こーいう役を、怯まず演じきる役者魂が、素晴らしい。他の人気韓流スターは、ユルい仕事してるよなあ、と思えてしまう。
 異常なまでに嗜虐的な男で、ホント悪い男、というより、最悪に許せないキモい男なんだけど、気持ち悪さ、不愉快さより、哀しい魅力を感じてしまう。ヒロインが、最後には本当に彼を愛してしまうのが、解らないでもないような...
 でもそれは、チョ・ジェヒョンだから!客を取らされるのはイヤだけど、ジェヒョンだけに囚われの身になるのなら...私がヒロインなら、初めてブチュ~!された時、びっくり仰天するけど、相手がジェヒョンなら、いつの間にか自分から舌使ってるかも~ヒロインもそうしてたら、あんな悲惨なことにはならなかったかもね...
 ジェヒョン、見るからにヤバそうな、街を歩いてるだけで警戒されそうなヤーさんぶり。「うつせみ」のジェヒ同様、台詞がない!まさに、沈黙の狂犬!でも、言葉以上に、その面構え、その肉体が、饒舌なまでに感情を表現していて、目が離せません。怖いけど、すっごいセクシーな男前だし!野獣の雄フェロモンぷんぷん。フツーのヤーさんなら、さぞやモテモテだろうに。
 ラストは、衝撃というか、やっぱ不思議な結末です。
 ゴキブリのようなジェヒョンの生命力の強さにも、彼と共に旅立つヒロインの生き方にも、唖然となってしまう。まさに、歪んだハッピーエンドです。あんたたち、ホントにそれでいいのか~!?

 独り韓国映画祭は、ひとまず終了。来週からは、独りフランス映画祭開催予定♪
 
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モッポでマッポ☆

2006-11-14 | 韓国映画
 新しいバイトの青年Tくん(19)。ちょっと見た目も人柄も、暗い、じゃない、おとなしいけど、真面目で良い子です。
 そんなTくんと、二人きりになり、世間話。
 いま観てるTVドラマの話題になって...
私『竹野内豊の家族、観てる?』
Tくん『家族ものって、好きじゃないんです。僕が高校生の時、親が離婚して...』
私『え、あ、そうなの。それは...(うわ、どーしよう)大変だったろうね』
Tくん『かーちゃん、何回もリストカットしたり。僕、家に帰りたくなくて、家出もしました...』
 延々と続く、Tくんの不幸な少年時代の物語...助けを求めるがごとく、近くで本を読んでたYくん(藤原タツヤ似の不思議くん)を呼ぶ。
 やってくるYくん、涙を流してるではないか。どーしたの?!
Yくん『この本に感動して...』
私『へ、へえ、どんな本?』
 Yくんが差し出した本は...「赤ちゃんの名づけハッピーガイド」。
私『!?あんた、子供でもできたの?!』
Yくん『できとるわけないじゃろ~もう一年ぐらい、ヤっちょらんけん』
 わ、わけわからん!疲れる...最近の若い男の子って。

 お松の独り韓国映画祭④
 「木浦は港だ」
 こ、これって...めっちゃおもろかった!最近観た映画の中では、いや、今まで観た韓国映画の中では、最高に笑えたコメディかも。近年では、なかなかお目にかかれないほどの、激烈アホバカ映画!
 潜入捜査官として、木浦(モッポ)の暴力団に送り込まれる主人公の刑事。ドタバタおバカなドヂ&騒動の末、若親分の信頼と友情を得て、ゴージャスなヤーさんライフを満喫しつつ、捜査も続けるが...
 ラブコメって宣伝されてたけど、どこが!?正真正銘の、徹頭徹尾のアホバカコメディじゃん!しかも、ただのアホバカじゃなく、ウルトラアホバカ。出てくる連中の異常なまでのアホっぷり、驚愕するほどバカバカしいシーンのつるべ打ちに、観てるこっちの脳みそまでアホバカに麻痺しそうになる。
 こんなアホバカコメディ、もう絶滅したと思ってたので、何だか嬉しい。かつて一世を風靡した、香港のMr.ブーシリーズ以上に、く、くっだらねぇ~(爆笑)!香港のアホバカ映画も、かなりキてるけど、これはさらにイっちゃってる、みたいな。
 主人公の刑事は、口だけ達者なヘボ男。そんな使えない男が、なぜかヤーさんの世界でのし上がっていく展開が、笑えます。
 若い親分も、同僚刑事や女検事も、みんなアホ。極めつけは、下っ端ヤクザのジャージ3人組。何もかもがバカすぎて、ちょっと危険なほど。
 刑事役の、チョ・ジェヒョンが最高!

 TVドラマ「HAPPY TOGETHER」で初めて彼を見て、実は...主役のビョンホンよりイケてるかもと惚れた私。今回も、コワモテのシブくてワイルドな男前なのに、何もそこまで!?なアホバカっぷりに、拍手喝采!堂の入ったアホバカっぷりだけど、すごい男の色気!フェロモンぷんぷん。ヤーさん役、似合いすぎ!ボクシングのシーンも、演技はアホなのに、見た目はセクシー!いいカラダ!「ゴッドファーザー」のアル・パチーノをパロったシーンがあったけど、パチーノよりカッコ良かったぞ!
 若親分役のチャ・インピョも、かなりのアホっぷりでアッパレ。市川お染を男前にしたような風貌?しゃべり方が珍妙で、可笑しい。彼も、スゴい肉体美!ホモ?の叔父貴に、泣く泣く全裸でヘンなポーズさせられる回想シーン、大笑い!女検事に恋して、ルンルンな少年化する姿が、怖笑!
 日本のお笑いタレントに、爪のアカを煎じて飲ませたい、ジェヒョン&インピョのアホバカ演技は、賞賛に値します。でも、ラスト近くの乱闘シーンは、二人とも超カッチョEです。
 強烈なアホバカシーンが、いっぱいありすぎて、当分思い出し笑いに苦しめられそう。
 ジェヒョン、仕置きで“人間鐘つき”にされてボーンボーン。埋められて顔だけ土から出た状態でシクシク泣いたり。金持ちババアにレイプ?されて、メソメソ泣いたり。若親分との兄弟杯の儀式が、なぜか生きタコの丸呑み!で、それを外から監視してる刑事たちには、ジェヒョンが親分にフェ○してるように見えたり。バ、バカバカし!
 さらに上をゆくのが、ジャージ3人組。下痢になってトイレでウンコもらすシーンは、とても正視できぬオゲレツさ。
 そう、この映画の壮絶なところは、類を見ないほどのオゲレツさかもしれません。エロ&ゲロがダメな人は、絶対観ないほうがいい。
 私は、中途半端しない徹底したオゲレツコメディ、大好きです。
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家族カンタービレ③④

2006-11-13 | 日本のドラマ(連続)
 「のだめカンタービレ」「家族」第3&4話を観ました...

 「のだめカンタービレ③④」
☆のだめやキヨラより...
 ブー子ちゃんとか、ヴィオラのメガネちゃんとかのほうが、可愛い。全然ブスに見えないけどなあ。
☆峰くんの演奏中の顔が...
 まるでエッチ中の恍惚顔。瑛太の性生活が想像できて、ドキ
☆のだめ、千秋の部屋にコタツを持ち込む
 不潔なゴミ女にしては、新品同様にキレイなコタツ布団です。
☆もうコタツ?
 にしては、みんな薄着だよなあ。瑛太なんか、いつも半そでだし。
☆プリごろ太
 アニメになってる!可愛いですね。これ、ドラえもんのパロディ?
☆千秋、峰くん、ますみちゃん
 おバカなことばかりやってるけど、みんなイケメン!3人そろうと、かなり壮観。
☆総括
 うう~ん。そろそろキツくなってきたぞ。笑えるんだけど、このドラマを心から楽しめるには、私やっぱ年を取りすぎてるみたいです。毎週毎週、あの懐かしの月曜ドラマランドを観てるようで...

 「家族」③④
☆おんな弁護士キムタエ
 何とか豊&石ゆりを別れさせようと?奔走するキムタエ。ちょっと田島先生なフェミニスト入ってる?見た目が、我が愛しの秋本奈緒美おねえさまっぽくて、いい感じ。豊を尾行?したり、こっそり豊と保母さんの食事する様子を監視するキムタエ、怪しい行動まで2時間ドラマの奈緒美おねえ的。そのうち、絞殺死体で発見されそうです。
☆バザー委員長に就任する豊パパ
 嬉しそうなママ軍団。そりゃそうだろ。私でも、家事育児放棄して、豊委員長に尽くします♪
☆保母さん、可愛いクセ者
 相変わらず必要以上に、豊パパに親身な保母さん。毎日メイクも念入りだし、自分に気がある劇団ひとりは、完全に無視してるし。やっぱ、したたか娘?
☆バザーで餅つき
 こーいうイベントといえば、石原軍団なのに!カメオ出演で、餅をつく徳重くん、カレーを配る神田まさきとか出してほしかったよ渡団長!って、団長もいないし!
☆劇団ひとり
 居酒屋でモノマネなど、ネタ披露。あひゃひゃ!おもろすぎ!
☆リストラおやぢ恐怖の復讐!
 かつて自分がリストラしたオヤヂに、あまりといえばあまりなイヤガラセをされる豊。可哀想、だけど、豊への同情より、これで俺の苦しみがわかっただろう!うひゃひゃひゃひゃあ~!と嬉しそうなオヤヂの、狂気的な演技が怖すぎて...
☆酔っ払う豊
 男はつらいよ。ロレツが回らない喋りと、団長に殴られてションボリ、泣きながら独りで団長の作ってくれたゴハンを食べる姿が、とても可愛い豊です。
☆豊パパ、息子の口についたケチャップを、優しく指で拭ってペロリ
 あ~いいなあ息子!私にもして~!指じゃなく、唇で直に
☆困った時のシンちゃん頼み
 子守、留守番、食事の支度、雑巾縫いetc.今回は、サバのおろしまで。豊、団長に甘えすぎでは...
☆息子と風呂
 って、豊パパじゃなく、お祖父さんの夏八木氏とかよ!最終回までに、果たして豊パパが息子と風呂に入るシーンは、登場するのか!?
☆団長のリュックサック
 何か妙に可愛いの背負ってるなあ。何が入ってんのかしらん。
☆家
 いつも思うけど、都内でスゴい豪邸に住んでるよなあ。離婚だの失業だの家裁だの、問題山積みだし。ローン大丈夫なの!?あんまり、いや、ほとんど切羽詰ったところがない豊が、心配...
☆総括
 渡団長、ほとんど出てこないですね。頑なで強欲な石ゆりが、怖い...
 出張も残業もしません!な豊。そんなんじゃあ、やっぱリーマンは無理だよ。もういっそ、会社勤めに拘らず、そのルックスを活かして、主婦軍団をターゲットにした、こじんまりしたカフェでも開いて、のんびりマスターでもやったほうが、いいのでは?そうすりゃ、息子とも一緒にいられるし。絶対そっちのほうがいいって!そうしなさい!
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雛菊エレジー

2006-11-10 | 韓国映画
 ひ~夜になって、突然の豪雨と雷鳴!怖い...ピカっと閃光が走るたびに、おへそをチェックしてる私です。
 このgooブログ、スムーズに開かないし更新もできないし、イライラ!なぜ、ストレスは増えるばかりで減らないのだろう...
  
 お松の独り韓国映画祭③
 「デイジー」
 「私の頭の中の消しゴム」のチョン・ウソンと、「猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョン。日本で主演作を大ヒットさせてる、韓流人気スター二人の競演作。
 舞台は、オランダ。画家のヒロイン、殺し屋と刑事の、不思議で哀しい三角関係...
 まず、オランダで敢行されたオールロケが、素晴らしい。
 まさに、美しい異郷って感じで、あまり現実味のないラブストーリーには、適しています。街並みも田舎の風景も、素朴で清潔感があって。行ってみたい、いや、ちょっと住んでみたいなあ。
 韓国から遠く離れたおかげか、韓国映画やドラマといえばの貧乏臭さや、悪趣味な成金テイストがない、全体的に優雅な雰囲気だったのも、良い意味で韓国映画らしくない。
 外国でも貧困生活に追われながら、一生懸命頑張ってるってのが、従来の韓国ヒロイン。でも、この映画のチョン・ジヒョンは、そんな辛気臭さ&ガツガツ感ゼロ。素敵なアトリエや、美しい田舎で、悠々と、ちょっとアンニュイに絵を描いている姿は、羨望を覚えるほど。かといって、ブルジョアお嬢様の道楽生活でもない。俗っぽさのなさが、見ていて美しい。
 それは、殺し屋も刑事も同じ。殺し屋は、おしゃれなクルーザーの上で暮らしてるし。刑事も、モダンなマンション。みんな、生活感がなくて垢抜けてます。って、話よりも、3人の素敵な異郷生活に魅了されてしまいました...
 チョン・ジヒョンは、韓国女優の中では唯一、おしゃれだなと思える女優。今回も、ファッションセンスが良かった。
 ジヒョンちゃん、可愛いけど、他の韓国女優ほど、けなげや薄幸で媚てないところが好き。ちょっと情念を感じさせる暗さも良い。相変わらず、きれいな長い髪。チャン・ツイイーより、世界が嫉妬しそうです。手入れが大変だろうなあ。ジヒョンちゃんみたいな東洋の女の子、西洋のどこ行っても、モテモテだろうなあ。
 チョン・ウソンは、なかなか出てこないので、ヤキモキ。
 スゴ腕の殺し屋だけど、シャイでオクテで優しい青年。何でこんな優しい男が、殺し屋なんかになったんだろう。
 ウソンは、ほんと小顔でスラっとスタイルが良く、西洋人に見劣りしない立派な体つき。ワイルドな男前ですが、顔は美男というより、可愛い。
 なかなかジヒョンちゃんに近づけず、遠くから彼女を見守る(ていうか、観察&のぞき?)様子や、こっそり橋を作ったり花を贈ったり。かなりロマンチックなストーカーでもあります。これが臭いネギ、じゃない、草ナギみたいな男だったら、キモい&怖いキャラかも。ルックスで、かなり得してます。なので、こんなにイケてる男に愛されても、なかなか心を開かないジヒョンちゃんに、イライラ!こーいうところは、韓国ヒロインって感じです。
 武士といい消しゴムといい、ウソンは女難つづきです。最近は、女を泣かす色男より、女に泣かされる色男がトレンド?個人的には、前者のほうが好きなんだけどなあ。
 刑事役のイ・ソンジェも、決して悪くはないんだけど、恋敵がウソンだしなあ。ただフツーに見えて可哀想。
 韓国映画らしくなかったのは、やっぱ監督が「インファナル・アフェア」のアンドリュー・ラウだから?時折、香港ちっくな味わいも出てます。
 オランダで、香港の監督が、韓国のスターで映画を撮る。それらが混じって生じた化学変化でしょうか。ちょっと不思議な無国籍ムードを醸しているのは...
 これ、日本でリメイクしたら...理想は、こうだ!
 「デイジー」→「パンジー」
 オランダ→スウェーデン
 ジヒョン→谷亮子
 ウソン→福山雅治
 ソンジェ→筒井道隆
 
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ピッキング天使ジェヒ

2006-11-08 | 韓国映画
 いつも実家のトイレは、甥ダミアンに占拠されてます。
 トイレでいったい、何してんのさ!斉藤くんがハンカチ王子なら、あんたは便所王子ね!と嘲笑する私ですが、ダミアンが便所王子なら、私は哀しみの便秘プリンセス...昨日も今日も、つまったままよ...尾篭な話で、すみません。

 お松の独り韓国映画祭②
 「うつせみ」
 キム・キドク監督作品、初体験。噂通り、一筋縄ではいかない映画でした。
 同じ異才人気監督でも、ウォン・ガーワイ監督みたいな、鼻につくほど才気走ったスタイリッシュ系ではなく、余計なものは一切排除したかのような、シンプルさ静かさ。といっても、しみじみした内容では決してなく、謎めいて残酷で官能的で。ほんと独特で不思議な映画で驚きました。
 留守宅に侵入しては、その家の住人のように過ごす謎の青年。とある豪邸で、夫から暴力を受けているとおぼしき人妻と遭遇して...
 青年も人妻も、台詞がない(人妻が、ラスト近くにチョコっとだけ)!ひとことも言葉を交わすことなく、留守宅侵入放浪生活をする二人。
 この青年は、いったい何者!?とか、何で人妻は彼にくっついていくの!?とか、観ているうちに、そんなツッコミは野暮に思えてきます。ほんと、黙々と淡々と一緒にいるのに、何だか二人がすごく楽しそう&幸せそうで、微笑ましくなります。
 そこはかとなく、コミカルさを感じたのは、私だけでしょうか。
 金持ちの暴力夫は、陰険だけど、妻にエッチさせてもらえず悶々イライラしてて、何か滑稽だし。ゴルフボール&アイアンが、面白い使われ方をしてるし。刑務所の独房で、青年が看守を隠れてからかう繰り返しも、何か変で笑える。不思議ムードの中に、小さくプっと笑えるシーンが多いような?
 謎の不法侵入青年役、ジェヒが素晴らしい!
     
 ミステリアスで優しくて可愛くてセクシーで、ちょっと危険な狂気も感じさせて。台詞なしで、男のいろんな魅力を発揮していて見事です。的場コウジを可愛く、長瀬智也をワイルドにした感じ?入浴シーンなど、脱ぎっぷりが良いのも高得点!すっぽんぽん、なかなか美味です。
 ジェヒは、ほんと何者だったのでしょう。天使?それとも、ヒロインの妄想の産物?何にせよ、私のところにも、ジェヒみたいな男の子が侵入してこないかなあ。掃除も洗濯も料理もしてくれるし、何でも器用に修理したり改造してくれるし、もちろん愛の行為もwelcome to my house!大歓迎です!
 いとも簡単に、他人の家に忍び込むジェヒを見てて、ピッキングの怖さを痛感。ジェヒならいいけど、凶悪空き巣なら、出くわしたりなんかしたら殺されちゃうよなあ。なので、たとえ侵入者がイケメンでも、この映画のヒロインをマネせず、すぐに逃げる&警察に通報しましょう。
 確かに???な作風だけど、その不思議さが、面白い。ワケワカメ!で退屈な難解映画ではなくて、安心。なので、引き続きキドク監督作品に挑戦してみます。
 
 
 
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芸が国を滅ぼす

2006-11-06 | 韓国映画
 大阪に日帰り出張。ちょうど、大阪アジアン映画祭の最終日。クロージング作品の「王の男」が観られる!?ちょっと時間的にキツく、かなり際どかったが、ちゃっちゃと用件を済ませ、何とか滑り込みセーフ!
 会場のリサイタルホールは、韓流ファンといえば!の、元気なマダム軍団の熱気で、ムンムン。そんな中、観賞と相成った話題作は...

 お松の独り韓国映画祭①
 「王の男」
 韓国で大ヒットし、日本の韓流ファンの間でも話題騒然の作品。
 とにかく、とりあえず観なきゃ!な心理は、かの「ダ・ヴィンチ・コード」の時と似た感じ?
 卑しい身分の芸人チャンセンとコンギルが、何の因果か宮廷に召され、王の前で生死を賭けた芸を披露することに...
 驚きました。これって、コメディ?だったんですね!私が今まで映画館で観た映画の中で、これほど場内に笑い声が絶えなかった作品は、初めて。
 耽美な男同士の愛+ドロドロな宮廷陰謀劇という、「王妃マルゴ」みたいな退廃的で絢爛たる歴史絵巻?という先入観と期待は、コミカルなシーンや演技の多い喜劇的要素の高い内容に、軽く裏切られました。
 まず、主人公たち芸人の演目が、卑猥で下品すぎて、かなりオゲレツ系お笑い。あんな下ネタ芸、国王を揶揄する以前に、公共の風紀紊乱で問題になるよ。韓国でなくても、どこの国でも捕まります。
 王の前での芸初披露も、かなり笑えます。
 ぜんぜんウケず、ひえ~どないしよ~!もう、あかんわ~!死ぬ~!と、焦ってますますドツボにはまっていく芸人たちの様子や、ずっと微動だにせず無表情、いつ憤激するのかとハラハラさせていた王さまが、いきなりアヒャヒャヒャヒャ~!と大爆笑するシーン。この時の王さまのバカ顔&声は、主人公たちの芸より笑えます。
 この王さまが、いちばん笑えて、インパクトあるキャラです。暴君、狂王、というより、バカ王って感じで、あまり怖くない。躁鬱が極度で、性格&言動がキモい+ヤバいけど、何か憎めないというか。重臣や寵妾や芸人に踊らされて、ますますヘンになっていく姿が、滑稽だけど悲壮で、哀れを誘います。渡辺いっけい、韓国語が上手だなあ。って、いっけいじゃないんだっちゅーの!
 同性愛色が希薄だったのが、YAOIとしては残念。
 チャンセンとコンギル、そして王の三角関係を、もっと緊密に描けなかったのかなあ。惜しい。チャンセンのコンギルへの愛情は、ほとんど兄弟愛って感じだったし。王さまのコンギルへの寵愛も、子供がえりしちゃった王さまが、幼稚園の保母さんに甘えてるみたいだし(これはこれで、かなり異様&変態的で面白いけど)。セクシュアルなシーンはなくても、嫉妬とか独占欲とか、男3人には切なく激しく愛憎の火花を散らしてほしかったです。
 この映画最大の話題&売りである、コンギル役のイ・ジュンギ。
 うう~ん。私はダメだなあ、こーいう系美男は。そもそも、女よりキレイな美少年ってのが、苦手なので...でもジュンギくんって、美少年なの?及川ミツヒロの顔を、デカくした感じに見えて...
 コンギルのキャラも、存在じたいが周囲を惑わせ、狂わせる魔性の美少年って感じでは、全然なかったし。無意識のうちに、チャンセンをつなぎとめたり、王に媚びるところが、描写不足なのかな。けなげで優しい少年の域を、あまり越えてなかったのが残念。やっぱ「さらば、わが愛 覇王別姫」のレスリー・チャンは、スゴかったよなあ。
 王の寵妾が、スケールの小さい楊貴妃って感じ。姑息なことろに、元芸妓らしい卑しさが出ていて、良かったです。辺見えみり?そんなはずないし、どっかで見たことある顔だなあ、と思ってたら、TVドラマ「HAPPY TOGETHER」でビョンホンの妹役だった女優と後で知り、喉につまった魚の骨が取れた思いに。
 歴史ものにありがちな、暗い荘厳さ重々しさはなく(私は、あるほうが好きなんだけど)、軽妙でスピーディな展開なので、退屈することなく観られます。朝鮮時代劇の衣装って、色彩が明るいパステルカラー調で、可愛いなあ。
 
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秘密⑤~⑧ 子ゆえの闇

2006-11-03 | 韓国のドラマ
 「秘密」第5話から8話まで観ました。

☆まんまとヤンミミの娘に成りすますジウン
 後で戸籍とか細かい手続きで、すぐにバレそうだけどなあ。韓国って、そーいうところも大雑把なのかな。
☆ジウンにペコペコしてる係長
 ひょっとして、バリ出来のチョ・サンベ?
☆ジウン&ヒジョンの親父
 このドラマで最悪なキャラは、ジウンじゃなくて、こいつ。ひどい!形勢が悪くなると、酒飲んで逃げるか卓袱台ひっくり返して怒るか、どっちかだもんなあ。
☆うたた寝してるジュノ
 すね毛がない...
 取り乱して慰め求めて飛び込んでくるジウン。どう考えても、エッチするシチュエーションなのに、やっぱヤらない。韓ドラ男って、インポ?
☆親父が事故で植物人間に!
 何てgood timing!ジウンの強運、まさに神様か悪魔の思し召し!
 ますます姉妹の負担になる親父、どこまで迷惑なオッサンなの。早く死んで!
☆髪型を変えるジウン
 井森ミユキ?かと思った。
☆ヤンミミの豪邸に引き取られるヒジョン
 またジウンと同室。なぜ!?部屋、いっぱいあるだろ!
☆ヒジョンの後輩
 千秋を美人にした感じで可愛い。ヒジョンには甘えん坊なのに、ジウンにはメチャクチャ冷淡なのが笑えます。
☆チョ室長妹の彼氏、足を骨折して入院中
 こんなイケメンなら、喜んで下の世話してあげたい
 イ・ドンウクくん、毎回チョコっとしか出てこない、ぶっちゃけ、いてもいなくてもいい役なのが残念。このドラマの中では、間違いなく一番男前なのになあ。
☆母の真実を知るジウン
 1%のハラボジから、死んだ実母が“道端で引っ掛けてた”ことを知り、大ショックのジウン。何か可哀想...
☆デザイン流出
 あ~あ。ヒジョンって、スキがありすぎ。デザインをジウンに操作されるって、前と同じ手口じゃん!イヤガラセも芸がないけど、足の引っ張られ方も、ワンパターンでトホホ!
 ショックと怒りで、ヒステリックになるヤンミミが、ちょっとだけテ・ミラ化してて、嬉しかったです。
☆総括
 子ゆえの闇:親は子を思う愛情のために理性を失い、思慮分別がつかなくなる
 まさに、このドラマのヤンミミのことを言い表している諺ですね。
 ちっとも幸せに見えず、悪あがきに粉骨砕身なジウンが、ヒジョンより哀れで、負けないで~♪by ZARD と、応援したくなる。天使顔で、何も知らずにジウンの毎日を地獄にしているヒジョンのほうが、何だか怖い。
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ノンフィクション・カタストロフィ

2006-11-02 | 北米映画 00~07
 超久々に、美容院へ行きました。
 今日はどんな風に?そうですね、サザエさんみたいな感じで♪困惑する若い美容師さん。ジョークに決まってんだろ!これだから若い娘って!
 変化が嫌いな私は、いつもの通り整髪程度のカットだけ...の、つもりだったですが、美容師さんの熱心な説得に負けて、秋だし、竹内ゆう子も離婚するし、思い切ってシャ・ララ~♪と変身してみよっかな...と、パーマを当ててしまいました。パーマっつっても、ごく軽めなので、寝癖にしか見えませんが...

 「カポーティ」
 「ティファニーで朝食を」などで知られる作家トルーマン・カポーティ。彼の自伝的ストーリーではなく、実際の事件を題材にしたノンフィクション小説「冷血」を、彼がいかにして書き上げたかを描いた映画。
 カポーティの超独特なキャラ&ルックスは、ほとんど珍獣。生半可な宇宙人やモンスターより、強烈で怖いです。カン高いけどソフトな声音&しなしなした仕草&裏表ある辛らつな人柄は、もうオネエ丸出し。おすぎとピーコも真っ青です。
 ただのブサキモなオカマなら、世間から爪弾きにされるだけだけど、カポーティには幸か不幸か、作家としての燦然とした才能があった。その才能と、創作への壮絶な意欲が、彼をセレブ生活と名声という天国と、精神破綻という地獄へ...
 愛情よりも友情よりも、他人の命よりも、創作が大事!小説を書くためには、悪魔に魂を売ることさえ躊躇しない。作家の業って、凄まじい。
 精力的に、取材に奔走するカポーティ。関係者から話を聞くため、犯人に近づくためには、手段を選ばない。手っ取り早いのが、賄賂。そして得意技は、セレブな匂いを漂わせること。小市民は、これに弱い。すぐにフラフラと幻惑魅惑されて、口が軽くなる。いとも易々と他人に付け入るカポーティの話術が、さすがは作家!と唸らされます。
 取材を通して、一家皆殺しの犯人と親しくなるカポーティ。犯人の、破滅して死を待つだけの運命に魅入られたのか。まるで恋人のように、いそいそと優しく親身に接しながらも、その反面、早く彼が死刑になることを願わずにいられない、何とも複雑で黒い心!そんなカポーティの心情を、犯人が理解できるはずもない。カポーティを一縷の望みに、ひたすら生きたい!と願う犯人が、哀れです。二人の、互いに愛情を抱きながらも、全く相反する思いが、残酷なまでに皮肉です。犯人を絞首台に送ったのは、有罪判決ではなく、カポーティの一念では!?とも思える怖さです。
 この映画は、やはり何といっても、カポーティ役で今年のアカデミー主演男優賞を獲った、フィリップ・シーモア・ホフマンの怪演につきる!観た後は、しばらく彼の姿&声が、目に耳に残って離れなくなります。最恐のオカマ演技です。
 不幸な境遇に育って、しかもブサイクなオカマな自分が生きていくためには、他人を思いやってなんかいられない!作家であることだけが、自分の存在証明!フニャフニャな豆腐の中に秘めた、ガチガチの岩石のような悲愴感。精神世界の、踏み込んではならない領域を侵し、帰って来れなくなってしまった状態。そんな、ホフマンが見せるユニークな悲しさが、痛烈です。
 でもホントに、カポーティって、あんなだったの!?いま生きてたら、キワモノタレントとしても、売れっ子になるだろうなあ。日本でいうと、誰だろう?志茂田景樹?邦画でも「志茂田 SHIMODA」とか、できたりして...
 死刑囚の待遇や、死刑執行の描写も、怖いけど興味深く描かれています。
 映画で知るかぎり、アメリカって日本と比べると、死刑に関してオープンなので驚かされます。死刑囚との意外と簡単にできる面会や、死刑執行にカポーティまで立ち会えたり、完全厳密主義の日本では、考えられませんよね。
 日本で「冷血」的なノンフィクションといえば、佐木隆三の「復讐するは我にあり」。佐木先生は、この他にも何人かの有名な死刑囚と接触して、作品を発表していますが、彼がカポーティのように精神を病んでしまった、という話は全然聞かない。やはり「冷血」は、カポーティが自分の人生を引き換えにした、悪魔との契約から生まれた傑作だったのでしょうか。
 
 
 
コメント (4)
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dehumanization

2006-11-01 | 北米映画 60s~70s
 早いもので、今日で11月。また、あっちゅー間に、年末&お正月だなあ。
 劇場映画鑑賞、下半期になってペースがガタ落ち。年間目標30本(こころざし低っ)には、遠く及ばず...
 今月の自室DVD鑑賞は、テーマを決めて楽しもうかな、と計画してます。
 ①独りフランス映画祭 「マドモアゼル」など予定
 ②独り呉彦祖映画祭 「潜入黒社会」など予定
 ③独りハリウッド名画祭 キャサリン・ヘプバーン作品など予定
 ④独りキム・キドク監督映画祭 「悪い男」など予定
 ぜんぶ独りっちゅーのが、悲しいポイントです...

 「冷血」
 「カポーティ」を観る前に、予習がてらの鑑賞。
 トルーマン・カポーティ渾身のノンフィクションの映画化。実際にアメリカで起きた一家皆殺し事件の経緯と、犯人たちの人物像とは...
 こんなことで無残に命が奪われなければいけないなんて...死んでも死にきれないよなあ。短絡&行き当たりばったり的な動機と、残酷冷酷な殺人のコントラストが、やりきれない思いにさせます。白黒映像が、虚無的で荒涼感があって、寒気がします。
 犯人の若者二人。あまりにも子供っぽすぎる。あれで捕まらないと本気で信じてたなんて、やっぱ頭がおかしいとしか思えない。何か奥深い怨恨でも被害者一家にあるのならいざしらず、ぜんぜん面識もない赤の他人を、あんな風に惨殺できるなんて、異常です。本人たちにも理解できてないような殺人の動機。その不可解さに、戦慄せざるをえません。何が人間性を失わせて、ここまでの凶行に駆り立てたのか。それは誰にも分からないし、それはこうだ!と勝手な憶測で描くべきではない。大した理由もなく、人間でなくなることができる者が、ひょっとしたら周囲にいるかもしれない、いや、もしかしたら自分も...?
 恵まれない不幸な生い立ちのせいで、こうなった!というのは、永山則夫など死刑囚たちの常套句だけど...そんなの、何の罪もない人たちを、虫けらのように惨殺したことの言い訳になるでしょうか。
  現在、全国の拘置所には、100人近い死刑確定囚がいるとか。その何人かが、死刑反対を訴えています。殺しちゃったことは悪いけど、私らまで死んでも何の解決にならない。死にたくない!という生への執着にも、犯した罪同様、彼らの“冷血”を感じてしまいます。
 一家皆殺しの再現や、ラストの死刑執行シーンが、リアルで怖いです。ああ~寝る前には、絶対戸締りを厳重に!
 この事件の犯人&犯行って、上野消火器商一家殺人事件を思い出させます。こっちのほうが、より陰惨地獄絵図って感じですが...
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