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イエジー・スコリモフスキ監督『手を挙げろ!』

2010-10-18 07:39:00 | ノンジャンル
 今日のMLBナリーグ優勝決定戦第2戦は、私の予想通りフィリーズがジャイアンツを圧倒しました。バリーグのクライマックスシリーズ・ファイナルステージ第5戦も私の希望通りの結果となりました。松中と小久保に当たりが戻り、前半は圧倒的にソフトバンクペースだったのですが、1-0のまま推移していたので、完全にロッテ打線を抑えていた大隣が5回でマウンドを降りた時、よしよしと思っていたのですが、やはり出て来るソフトバンクのリリーフをことごとくロッテが打ち崩し、逆王手となりました。こうなるとソフトバンクが今までクライマックスシリーズを一回も勝ち抜けたことがないというジンクスも思い出されてきます。ただ、最終戦は杉内が出て来るので、その点が気掛かりですが、何とかこの勢いで日本シリーズ進出となってほしいと思っています。

 さて、イエジー・スコリモフスキ監督の'67年作品『手を挙げろ!』をシアター・イメージフォーラムで見ました。14年間公開禁止になっていた作品に、'81年になって新たに撮り足したシーンを加えて作られた映画です。
 靄の充満した部屋からバスローブ姿で現れた'81年のスコリモフスキは、部屋に乱入してきた、戦火から逃げる子供達にもみくちゃにされます。部屋は列車と化し、戦争で廃墟と化した風景の中を疾走します。画面は'67年のベイルート。中東戦争で廃墟と化した都市。金のためにドイツ映画にカメラマン役として出演しているスコリモフスキ。やがてスコリモフスキを含む男性4人と女性1人が貨物列車に乗り込み、石灰が敷かれているその貨車の中で女性の夫を残りの者たちが石灰のついた包帯でぐるぐる巻きにして身動きの取れないようにすると、その男性は死んでしまいます。石灰で固まった包帯を引き剥がすと男は生き返り、一人ずつを平手打ちにしていきます。馬鹿騒ぎする彼ら。やがて彼らは貨車から出られなくなっているのに気付き、強制収容所に貨車で送られた人たちのことへ思いをめぐらせます。そしてそもそも彼らがスターリンの大きなポスターに目を4つ描いてしまったことの責任を取らされて貨車に詰め込まれたことを思い出します。最後、一人が床板を引き剥がして脱出に成功すると貨車は止まり、石灰で汚れた身をシャワーで清め、各々の車でその場を去っていくのでした。
 スターリンを美しく描き過ぎたという理由で公開禁止となったとのことですが、それよりも石灰だらけになって悪ふざけする5人の退廃的な雰囲気の方が問題があったのではと思いました。前作『バリエラ』の天真爛漫さとは一転して暗い雰囲気の映画でした。フェリーニの『サテリコン』が好きな方にはオススメかも。