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奈良・京都への旅No.1(奈良・興福寺、飛鳥路)

2010-10-26 18:44:00 | ノンジャンル
 父の三回忌の法要のため、京都に母と行くついでに、23日の土曜日、奈良の興福寺と飛鳥路散策に行ってきました。
 興福寺は「奈良の美少年」として有名な阿修羅像があるところで、母が実物を見たいということで行ったのですが、日本の木造建築として2番目に高い五重塔(50.1m)の黒々とした巨大さにまず圧倒され、東金堂では静かな表情の菩薩像と、猛々しく様々な表情と体の動きで楽しませてくれる多くの将軍像にこれまた魅了されるとともに圧倒され、最後には北円堂にある運慶作の無著菩薩像の写実的で何とも言えない静かな佇まいにはたまた魅せられ、その像の多さと質の高さに驚かされました。有名な阿修羅像は確かに素晴らしく、この繊細な像を完璧な姿のまま今まで保存してきた人々の、この像に対する思い入れが伝わってもきたのですが、この像の価値は興福寺全体から見ればほんの一部でしかないということを初めて知りました。近鉄奈良駅から徒歩5分であるにもかかわらず、多くの人が素通りして東大寺や春日大社に流れて行くのは何とももったいない話です。まだ訪れていない方は是非行ってみてください。
 そして午後は近鉄で飛鳥駅まで行って、飛鳥路をひたすら歩きました。(奈良から飛鳥まで近鉄で移動する間に平城京跡のど真ん中を通過するので、これも見物でした。)駅から東へ向かって、なだらかな丘の続く田園風景を歩いて行くと、こんもりと樹の茂った古墳や様々な石の遺物(石柩跡や石像)が点々と散在し、田舎をハイキングをしながら古墳時代の史跡めぐりができるというルートとなっていて、多くの人はレンタサイクルで回っていましたが、のんびりと半日かけて歩くのも心身ともに癒されていいと思いました。飛鳥路の一番奥に位置する人気スポット・石舞台古墳のそのまた奥には、石柩が穴に入った状態で飛鳥の中で唯一見ることができる都塚古墳があるのですが、こちらは誰も訪れる人もなく、巨大な石柩見物を一人で堪能することができました。そこから少し北上したところに岡寺の入り口があり、右折して苦労しながら急な坂道を登ると雰囲気のある岡寺に到着します。崖っぷちに建てられた三重塔のふもとからは眺望が開け、息を荒げて坂道を登ってきた苦労が報われる感じです。岡寺から降りてまた北上すると、次第に人通りも絶え、やがて飛鳥坐神社に到着します。鎮守の森に囲まれた静かな神社ですが、俗に「ちんこ石」「おまんこ石」と呼ばれている「結びの神石」が祭られていて、ひょっとこのお面とおたふくのお面をかぶった二人がセックスの所作をする奇祭でも有名な神社です。おみやげでも名前もずばりそのまんまの「ちんちん棒」や女性器のデザインが底に刻まれた杯が売られていたりして、素朴なセックス信仰が生きている神社でしたが、こちらも飛鳥寺が人でごった返しているのに対して、深閑としていました。そして飛鳥路の北東の果てにある飛鳥資料館に4時に着くと、もう閉館していて入れず、仕方なくそこで待ってもらっていた母と無事再会し、地元の親切な方の車に乗せていただいて、近鉄橿原神宮前駅に帰ってきました。
 天気にも恵まれ、念願の飛鳥路ウォーキングを果たせ、充実した一日を過ごさせてもらいました。興福寺、飛鳥路ともに私は半日ずつの強行軍でしたが、一日ずつかけてゆっくり見る方が楽しめると思います。歴史の興味のない方にもオススメです。

中田秀夫監督『カオス』

2010-10-25 18:31:00 | ノンジャンル
 父の三回忌の法事を済ませて、昨日の夜無事に京都から戻ってきました。土曜日には奈良の興福寺、そして飛鳥路の散策、日曜日には地学会館を訪問した後、父の法事を済ませ、東寺(弘法さん)を見てきました。旅の詳しいご報告は後日させていただこうと思います。
 また、日本シリーズのカードはロッテ対中日、ワールドシリーズのカードはジンジャーズ対ジャイアンツになりましたね。私はロッテとレンジャーズを応援しようと思っています。

 さて、中田秀夫監督の'00年作品『カオス』をDVDで見ました。
 社長の小宮山は妻・佐織理(中谷美紀)とレストランで食事をした後、会社に戻ると、そこへ妻を誘拐したという男からの電話が入ります。小宮山は指示通りに身代金をタクシーで届けますが、犯人は警察に通報したとして、小宮山の姉に連絡を取り、姉から身代金の強奪に成功します。犯人で便利屋を営むエバラ(萩原聖人)は佐織理から狂言誘拐を頼まれ、彼女の知り合いのマンションに彼女を監禁して犯罪に成功し、部屋に戻ってみると彼女は死んでいます。そこへかかってきた見知らぬ男からの電話で、警察に通報すると脅迫された彼は、指示通りに森に死体を埋めます。翌日彼は町で佐織理を見かけ、夜になって死体を掘り起こしに行きますが、死体は腐乱し始めていました。エバラは佐織理を監禁していたマンションの借り主を調べると、そこはモデル事務所が所属モデルの相馬留美を住まわせていたことを知ります。事務所に彼女を訪ねると、エバラはそこでポスターの中に佐織理が津島さとみという名前のモデルとして写っているのを見ます。公開捜査になった佐織理の写真はエバラの知っている佐織理とは別人でした。小宮山とさとみは久々に再会し、狂言誘拐がうまくいったのを祝います。小宮山の浮気を知った佐織理が小宮山を刺そうとした時に、小宮山が逆に彼女を殺してしまい、二人がこの狂言誘拐を発案していたのです。エバラはさとみを捕えて真相を突き付け、さとみはエバラに今度は小宮山をはめることを提案します。小宮山は佐織理の死体が置いてあるマンションにさとみによって誘い出され、警察に逮捕されます。さとみとエバラは逃走に成功し、翌朝抱き合いますが、さとみが小宮山に護身用にと持たされていたナイフにエバラが気付き、近づいて来たパトカーをも見て彼女が裏切ったと思い込みます。逃げるさとみを追うエバラ。追い付いたエバラはもう逃げる必要はないと言いますが、さとみは笑いながら濁流の中に身を踊らせるのでした。
 中谷美紀がこれほど艶っぽいのを初めて見ました。映画自体は平凡で、ミステリー仕立てのストーリーも映画向きとは言いがたいものでしたが、この映画の彼女を見る価値はあると思います。そうした意味ではオススメです。

公務員制度改革への私論

2010-10-22 05:54:00 | ノンジャンル
 昨日のセリーグ・クライマックスシリーズ・ファイナルステージ第2戦、またまた中日の完勝。内海がねばり強いピッチングで中日打線を2点に抑えてくれたにもかかわらず、巨人打線はチャンスは作るのですが、最後の一本が出ずじまいでした。後がなくなった巨人、ここからの4連勝はあるのでしょうか? 打線に火がつき、原監督の継投策がずばり決まれば、まだ可能性はあると思います。巨人、ガンバレ!(ちなみに私はきっすいの阪神ファンです)。一方、MLBの方はアリーグ優勝決定戦第5戦はヤンキースが圧勝しレンジャーズの3勝2敗、ナリーグ優勝決定戦はジャイアンツが脅威の粘りを見せ、逆転勝ちでフィリーズの1勝3敗となりました。私の予想はアリーグはレンジャーズが次戦で勝ち優勝、ナリーグはあまり自信はありませんが、フィリーズがこれから3連勝をして大逆転優勝といった感じです。さて結果は?

 ところで先日「報道ステーション」の中で厚労省前大臣・長妻さんがインタビューを受け、天下り根絶に対する官僚の抵抗と、それに対する現政権のふがいなさを語っていました。そこで、なぜ公務員改革が進まないのか、私なりにちょっと考えてみました。
 現在膨大な赤字をかかえる財政状況を見る限りにおいて、公務員改革による人件費削減は避けて通れない道でしょう。公務員が現在の収入を減らされることに強い抵抗感を持つのは、「自分たちは今まで、そして現在も一所懸命仕事をしているのに、なぜいの一番に自分たちの収入に手が入れられるのか」と考えているからなのではないでしょうか。ということで、現政権に提案したいのは、先ず自らが先陣を切って歳費カットおよび国会議員の定数削減を実行するということです。総理大臣を始めとして議員の歳費は一律3割りカット、、党への国からの助成金も一律3割りカット、国会議員の定数は現在の3分の2まで減らすというのはどうでしょうか。まず、自らが模範を示して、公務員に対して圧力をかけるということです。それができない限り、いくら公務員改革の必要性を訴えても、官僚を始めとする公務員の人たちは聞く耳持たずでしょう。
 現政権が認めてしまっている、独立行政法人や民間団体への官僚の出向は、結局必要のないポストを温存する結果となり、単に一人一人の官僚が生涯にもらえる退職金が一回に減るというだけの効果しか期待できません。したがって仕分け作業であれだけ無駄を洗い出したことが水泡に帰すことになるのは明らかです。繰り返しますが、先ず国会議員が模範を示し、自らの人件費とポストの削減を受け入れ、そのことによって公務員改革への道を開き、最終的に消費税アップによる社会保障費の確保、というのが私たち国民が唯一納得できるプロセスであるように私は思いますが、皆さんはどうお考えになりますか?

P.S 私事で申し訳ありませんが、父の三回忌の法事のため、母と妹と一緒に今日から京都に行ってきます。ということで、日曜日までこちらの更新はお休みさせていただきます。もしこちらを読んでいただいている方がいらっしゃいましたら、なにとぞご了解のほど、よろしくお願いいたします。(後日、京都への旅に関してはこちらで報告させていただきます。)

ヤン・イクチュン監督『息もできない』

2010-10-21 06:16:00 | ノンジャンル
 昨日のセリーグ・クライマックスシリーズ・ファイナルステージ第1戦は中日の完勝でした。しかし安打数は中日12に対し巨人8と拮抗し、初回中日4点の後、巨人がピンチの連続の中で7回に藤井が1点取られるまで0点で抑えていたので、第1ステージ第2戦での神がかり的な巨人の逆転劇を見ていたこともあり、結果5対0とは言え、この点数差で終わったというのは、まだ巨人の巻き返しありと見ました。クルーンが森野を三振に取るなど、1回を完璧に抑えたこと、中日の4番和田にまだヒットが出ていないこともプラス材料です。木村拓哉コーチの弔い合戦となるかどうか、注目です。

 さて、ヤン・イクチュン監督・製作・脚本・共同編集・主演の'08年作品『息もできない』を川崎アートセンターで見ました。
 サンフンは友人を社長にした会社で闇金の取り立てを若者とともにしていますが、その荒い気性からつい部下の若者にも暴力を働いてしまいます。ある日路上で吐いたツバがたまたま通りかかった女子高生のヨニ(キム・コッピ)に当たると、ヨニはサンフンに食ってかかり、サンフンはその場で彼女を拳で殴り失神させます。気がついたヨニが治療代を出せと言うと、彼は彼女にビールを奢り、治療代も払いますが、ヨニはこの額では足りないので後で連絡すると言い、サンフンのポケベルの番号を聞き出します。サンフンは父の母に対する暴力を止めようとした妹を父に刺殺され、その後に病院にかけつけようとした母も交通事故で失い、現在出所している父に対して復讐心から日常的に暴力を働いています。ヨニの母は自分の屋台を壊そうとするヤクザたちに立ち向かい彼らに撲殺され、父はベトナム帰りで働かずに昼間から酒を喰らって、死んだ妻が浮気していると思い込んでヨニに当たり、弟もゲームセンターに入り浸ってヨニに金をせびり暴言を吐きます。そのうち弟はサンフンの下で働くようになり、最初はサンフンの暴力に怖気づきますが、次第に自ら暴力を振るうようになっていきます。サンフンは異母姉の息子をかわいがり、ヨニと3人で外出し、息子を家に送って異母姉とヨニも知り合います。しかしサンフンの父が自殺未遂を起こし、ヨニの父もヨニを刺殺しようとし、二人は涙を流し合います。サンフンは仕事から足を洗う決心をしますが、最後の日、自分と同じ名前を持つ息子のいる男のところへ取り立てに行き、温情で許そうとしますが、それがヨニの弟の怒りを買い、彼に撲殺されてしまいます。その悲しみから立ち直ったかに見えたヨニでしたが、路上で屋台を襲うヤクザたちの中に弟の姿を見つけ、立ち尽くすのでした。
 暴力描写がすさまじく、拳骨で人間を殴る音が印象的でした。ヨニを演じるキム・コッピが素晴らしかったのですが、予告編で感動した以上のものを映画から感じることはありませんでした。北野映画が好きな方にはオススメかも。


北尾トロ『裁判長!死刑に決めてもいいすか』

2010-10-20 06:40:00 | ノンジャンル
 昨日のMLBアリーグ優勝決定戦第3戦はレンジャーズの圧勝だったようですね。ノーラン・ライアンがオーナーとなった今年のレンジャーズ、今までとは本気度が違うように感じられます。もしかしたら、テキサスに帰る前にワースドシリーズ進出が決まるかも。と思っていたら、今日の第4戦は1点差でピンチをしのいでいるうちに、ヤンキースが先発を引っぱり過ぎて予想通りレンジャーズがワールドシリーズ王手となりました。ロッテ対ソフトバンクの第4戦といい、この試合といい、ピッチャーの変え時が時として試合を決定的に左右する場合があるようです。ナリーグ優勝決定戦第3戦はジャイアンツが勝ち2勝1敗としたようで、こっちはどうなるか先が見えなくなってきました。

 さて、北尾トロさんの'10年作品『裁判長!死刑に決めてもいいすか』を読みました。裁判の傍聴記を書いてきた北尾さんが、裁判員制度の本格的な運用を前に、自分が裁判員に選ばれたらどうするか、という疑問を元に書かれた本です。
 先ず、裁判員制度の説明がなされます。すなわち、重大な事件について6人の裁判員が選ばれ、3人の裁判官と一緒に、被告人の有罪・無罪、有罪の場合は量刑までを決めていく制度であること、裁判の当日には裁判所で裁判員の候補者の面接を行い、3人の補欠を含む9人が選ばれ、選ばれなければその場でお役御免となること(そして、その場合、不公平な判決をする可能性のある人、例えば死刑判決もありえる裁判における死刑反対論者などは面接で落とされるということ)、評決は多数決で行うが、有罪にするためには裁判官が最低でも一人は有罪に賛成しなければならないこと、生涯に裁判員を経験する確率は70人に一人であること、などが語られます。
 そして次に死刑判決を行う動機として、「生かしておけばまた人を殺すかも」という恐れや、被害者や被害者の家族・関係者の心情を思っての応報刑(日本の刑罰は基本的に応報刑であり、服役している者を教育し再犯を防止させていこうという考えは日本には希薄)という側面が語られます。3人以上の殺人を行うなど死刑の適用条件を定めた「永山基準」や、犯行に至った被告人の心情を理解しようという風潮が裁判では希薄なのは日本の法律家(裁判官、検事、弁護士ともに)が教育学や心理学、社会学の本格的な勉強を全くしてきていないからであること、殺人事件は実は減ってきているのに、そういう印象を私たちが持たないのは事件をセンセーショナルに報道するメディアのせいであり、地下鉄サリン事件をきっかけに自分はいつでも被害者になりうるという意識が人々の間に強くなってきていて、それが現在の風潮である刑の厳罰化につながっていることなども語られます。
 そして、最後に実際の裁判、すなわち状況証拠しかないにもかかわらず無実を主張する被告を起訴した元韓国エステ嬢殺人事件と、小使い銭ほしさにプータロウに限り無く近い大学生が親子二人を殺してしまった杉並親子強殺事件を著者が傍聴し、裁判員になったつもりで評決を下してみる、という構成になっています。
 死刑に対する洞察や、実際の裁判における検察による「推定有罪」の実態など、「勉強」になるところも多かったのですが、裁判員として評決を下す北尾さんに、被告人に対する「上から目線」がどうしようもなく感じられ、それが私には嫌な印象を抱かせる結果となってしまいました。いずれにしても、被告人を裁くということはどういうことなのかを考えさせてくれる本ではあると思います。裁判員制度に興味のない方にもオススメです。