江蘇の竜巻災害 被災地の航空写真
23日午後2時頃、江蘇省塩城市の阜寧県と射陽県の一部地域で突発的な竜巻や雹などが発生し、深刻な被害が出ている。写真は被害を受けた電力設備を空から撮影したもの。新華網が伝えた。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年6月26日
23日午後2時頃、江蘇省塩城市の阜寧県と射陽県の一部地域で突発的な竜巻や雹などが発生し、深刻な被害が出ている。写真は被害を受けた電力設備を空から撮影したもの。新華網が伝えた。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年6月26日
5月31日、四川省成都市の機投中学では中学3年生の生徒たちが教室で「英語麻雀」をして遊んでいた。この「英語麻雀」は26のアルファベットから成り、 アルファベット毎の麻雀牌の数が異なる。校長先生の田精耘さんは英単語におけるアルファベットの使用率を統計し、各アルファベットの枚数を算出した。例え ば「i」の麻雀牌は8枚あるが、「b」は2枚しかない。学生たちはツモった麻雀牌で英単語を作り、その英単語が多ければ多いほど得点が高くなり、勝ったプ レーヤーは和了牌(アガり牌)を使ってセンテンスやストーリーを作って、ようやく1局が終わる。このような「麻雀」ゲームは学生たちが単語を覚える手助け となるだけでなく、語幹から連想する記憶力を訓練するのにも役に立つ。華西都市報が伝えた。(編集TG)
「人民網日本語版」2016年6月3日
浙江省湖州市妙西鎮の「貝盛太陽光発電プロジェクト」は今年、妙西鎮の廃採石場および周辺地域の700ムーの土地を借りた。同プロジェクトは、太陽光発電 と中国薬材の栽培、現代農業を一体化させ、湖州市の毎年の標準石炭使用量を6600トン削減し、CO2の排出量を1730トン削減する。人民日報が伝え た。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年3月31日
第12期全国人民代表大会(全人代)第4回会議は15日、北京のメディアセンター(梅地亜中心)に設置されたプレスセンターで記者会見を行い、住宅・都市 農村建設部(住宅・都市農村建設省)の陳政高部長、陸克華副部長、倪虹副部長が「バラック密集地の改良と不動産事業」に関わる問題について記者からの質問 に答えた。陳部長は、「中国の不動産市場がかつての日本のように崩壊することはないのか」との質問に対し、「両者は別々のもので並び論じることはできな い」とこたえた。中国網が伝えた。
陳部長は、「最近、ネットに一連の文章が発表され、社会でも一連の議論が行われている。この問題をめぐり、私は専門家達に教えを請うた。言いたいことは、 まず、時代が違うということだ。日本で起きた出来事は20年前、30年前のことであり、背景も政治的環境も経済的環境も今とはかなり違うし、まったく異なるともいえる。次に、国情が違うだ。中国と日本で都市化のレベルが異なり、経済の発展段階も異なり、マクロ調整措置も異なる。よって、両者は別々のもので 並び論じることはできないと言わねばならない」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年3月16日
今年は申年。十二支の中でも猿は最も人間に近く、中国で大人気の動物だ。敦煌研究院は5日、敦煌石窟内に猿をイメージして描かれた壁画と彫刻が多く出土し たと発表した。このうち、最も古いものは1400年前のものがあり、呉承恩の著作『西遊記』よりも200年早い「唐僧取経」の壁画も発見された。中国新聞 網が伝えた。
敦煌研究院によると、敦煌石窟の歴史は古く、幅広い題材を有し、猿のイメージも壁画や文献、彫刻などに度々用いられる。最も古い猿のイメージとしては西魏時代(西暦535年~556年)のものがあり、今日から1400年以上前になる。
発表前日、同研究院は敦煌の壁画の中でも代表的な猿のイメージを選んで「敦煌壁画猿年カレンダー」を作成している。(写真は敦煌研究院提供)(編集IM)
「人民網日本語版」2016年2月6日
平成27年10月15日
中国がブラジルのリオ五輪に供給する最後の新型電車(EMU)が19日、中国中車長春軌道客車株式有限公司でラインオフした。同社はこれによって、リオデ ジャネイロに100編成(400両)のEMUを供給した。EMUはリオデジャネイロの5本の都市鉄道の「大動脈」で運行し、市街地と郊外を結び、2016 年リオ五輪の開会式が開かれるマラカナン競技場を経由する。中国の軌道交通設備が海外に輸出され、五輪に貢献するのはこれが初めてだ。人民日報が伝えた。
リオデジャネイロは大西洋に面し、一年を通じて気温が高い。EMUは防錆性を持つ大出力のエアコンを搭載し、屋外の気温が摂氏56度に達したとしても、車内を20−23度の涼しい気温に保つことができ、乗客の「避暑地」となる。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年8月20日
中国外交部(外務省)の洪磊報道官は、12日に行われた定例記者会見に出席し、記者からの質問に答えた。新華社が伝えた。
——日本は近頃、様々な場面で南中国海問題について大々的に報道し、南中国海の情勢を誇張している。暗に中国を非難し、中国の南中国海における島・礁建設について客観性に欠ける指摘を行っている。これについて中国側のコメントは?
中国は、日本の消極的な行動に対し、重大な懸念と憤慨を表明する。すでに、日本側に厳正な申し入れを何度も行っている。
日本は南中国海問題の当事国ではなく、近頃の振る舞いは正常ではない。日本は南中国海問題に故意に介入し、地域国家間の対立をあおり、悪意を持って南中国 海の情勢を緊張化させている。日本の行動は、南中国海の係争解決には役立たず、南中国海の平和と安定にとって不利であると同時に、中日の政治・安全の相互 信頼関係を著しく損なうものであり、中日関係改善の流れに逆行するものだ。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年6月14日
中国空軍の大型輸送機「Il-76」の第1機が27日、ネパール・カトマンズの空港に到着した。成都軍区総病院の医療スタッフ37人が乗り、医療設備と救援物資20トンを積んでいる。
今回の国際救援飛行任務の隊長を務める尚国彬・空軍航空兵某師団副師団長は「本日空軍は中央軍事委員会の命令を受けて、大型輸送機『Il-76』4機を 緊急派遣した。4機は中原の某軍用空港から緊急離陸し、成都、昆明、南京などで救援物資を積み、救援要員を乗せた後、成都双流国際空港に集結した。状況を 見てネパールの首都カトマンズの空港へ順次飛ぶ」と説明した。
本日の初飛行任務を担った邱徳甫機長は国際救援飛行任務をすでに30回以上遂行したベテラン機長で、乗組員も救援任務を複数回遂行した進んだチームであり、豊富な国際・国内救援飛行経験を持つ。
第1機はカトマンズの空港で物資と人員を降ろした後、すぐに中国の成都双流国際空港に引き返し、後続の救援飛行任務の準備をするという。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年4月29日
2015年04月17日/中央日報日本語版
中国の李克強首相 |
日本の安倍晋三首相は12日、通常国会で施政方針演説を行った。日本メディアによると安倍氏は集団的自衛権の行使容認、憲法改正といった重大な議論を呼 ぶ問題を避けるか、曖昧にし、「あらゆる事態に切れ目のない対応を可能にする安保法制の整備を進めていく」とのみ表明した。(文:華益声・国際問題専門 家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
口先ではいくらか避けたものの、実際の行動では安倍氏はすでに手ぐすねを引いており、今期国会中に集団的自衛権の行使容認に関係する安全保障法案の審議を進めるつもりだ。これは安倍氏にとって日本の国家安全保障政策を変えるさらなるステップとなる。
安倍氏は早くも第1次政権時に、いわゆる「安全保障強化」の試みを行った。「国家安全保障に関する官邸機能強化会議」を設け、国家安保政策に対する首相 官邸の「指揮」を強化したほか、「国家安全保障会議」の設置を計画したことなどだ。同政権は「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇 談)も設置して、平和憲法の下で行使できない集団的自衛権を研究する。
病気で辞任したため、安倍氏の多くのもくろみは第1次政権時には実行できなかった。だが首相に返り咲くと直ちに勢いを盛り返し、「安保法制懇」の再始 動、「国家安全保障会議」の設置、「武器輸出三原則」の見直し、閣議決定による集団的自衛権の行使容認を行った。安倍氏はまた、慣例を破って防衛計画の大 綱と中期防衛力整備計画を前倒しで改定したうえ、日本初の国家安全保障戦略を定めた。
こうした行動はいずれも、「積極的平和主義」を名目とした。現政権のロジックによると、第2次大戦後の日本に対する非軍事化改造は「消極的平和主義」で あり、日本の軍備抑制はアジアの緊張緩和の助けにならなかったということになる。このため安倍氏は「積極的平和主義」の推進に転じて、「世界平和に一層の 貢献をする」必要があると表向き称している。
日本は東南アジア諸国に対する戦後の政府開発援助(ODA)および日本の参加した国連平和維持活動(PKO)を繰り返し強調することで、平和的イメージを確立することを望んでいる。だが、日本の主張する平和を目標とする安全保障は検証に耐えられない。
「安保法制懇」は集団的自衛権の研究時に、国連平和維持活動において他国の部隊を救援、支援できるか否か以外に、日本近海で攻撃を受けた米国艦船を共同 防衛できるか否かなども取り上げた。日本の安全保障の重要な目標の1つが同盟国との協力強化であることは明らかだ。安倍政権は国内で安保関連法の改正を推 し進めると同時に、米国と共に「日米防衛協力指針」の改定を行った。米側の支持の下、集団的自衛権の行使容認も指針に盛り込まれた。指針改定では自衛隊の 活動範囲と任務も大幅に拡大した。事実上、自衛隊の機能はすでに重大な転換を迎えている。日本は「専守防衛」から米軍と共同の対外干渉へと転換する。そし てその全てが本当に平和のためなのか否かは、線引きが難しい。
平和の口実の下に覆い隠されているものには、「普通の国」化という安倍氏の企てもある。安倍氏は施政方針演説で言葉を曖昧にし、「憲法改正に向けた国民 的議論を深める」と述べた。だが安倍氏はすでに国民投票の選択肢を示し、来年の参院選後に実施するとのタイムテーブルまで定めている。様々な兆しが示すよ うに、安倍氏は戦後平和体制からの脱却という意図を日増しに明確にしている。
また、日本が歴史修正主義を公然と推し進め、中韓など戦争被害国との摩擦をつくることは、なおさらに平和と安定にマイナスだ。もし日本が本当に平和を目 標としているのなら、歴史を反省することと比べて、いわゆる「あらゆる事態に対応」することが決して根本的な平和実現の道ではないことを知っているはず だ。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年2月13日
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルはこのほど、日本政府が昨年12月に在米公館を通じて、教科書の慰安婦関連の記述を改めるよう米出版社に申し入れ ていたことを明らかにした。出版社側はこの要求を拒否したという。(文:華益声・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
このニュースは大きな関心を引き起こした。日本政府が教科書改訂を通じて侵略の歴史を覆い隠そうとするのは初めてではなく、今年初めには、東京の教科書 会社が文部科学省の承認を得て、今年4月に発行される高校教科書から「慰安婦」や「強制連行」の内容を削除することを日本メディアが明らかにしている。だ が、日本政府側が歴史問題について外国の出版社に申し入れを行うのは異例だ。
日本政府は今回の行動について入念に計画を練ったはずだ。日本による侵略戦争発動と慰安婦の強制連行の問題は少なからぬ国々の教科書に記されているの に、なぜ日本は米出版社への申し入れを選択したのか?中韓および東南アジアの近隣国は侵略の被害国で、慰安婦など歴史問題に対して大変敏感であり、この問 題に触れると相手国の強い反発を招くのは必至だが、米国は直接の関係国でないことを安倍政権はよく分っていた。さらに重要なことに、日本は現在の状況下で は米国に影響を与える力があると考えていた。
近年日米同盟が強化され続け、米国は戦略面で対日重視の姿勢を強めている。様々な要因の制約を受けて「唯一の超大国」としての地位が揺らぎ、世界に対す る掌握力が弱まっている米国が世界戦略を推し進めるには、同盟国の責任分担に頼らなければならない。米国にとって日本はアジア太平洋における重要な同盟国 であり、「リバランス」戦略を実施するうえでの支えだ。米側は日本側に相応の返礼をし、多くの重要な問題において支持している。中日間の島嶼紛争におい て、米側は釣魚島(日本名・尖閣諸島)が米日安保条約の適用対象であることを様々な場で、様々な方法で重ねて表明している。歴史問題においても日本の「平和」イメージ作りに助勢し、集団的自衛権の行使容認を歓迎している。
日本外務省は声明で、米国の教科書の記述には「重大な誤りがあり、日本側の立場と食い違う」と堂々と宣言したが、どこが誤りなのかは明示しなかった。日本が有力な証拠を示せず、政府として記述に不満であることを強調し、言うことを聞くよう米出版社に強いることしかできなかったのは明らかだ。
だが米側の反応は日本の予想を超えていた。教科書の慰安婦関連の記述を担当した学者は、日本政府から自身と出版社に接触があったことをメディアに認 めた。米出版社は慰安婦の史実についての学者の研究と説明を支持すると表明し、日本側の不当な要求を厳しい言葉で拒否した。米メディアは教科書の慰安婦関 連の記述を公開すると同時に、教科書改訂という日本側の企てについて分析し、日本の安倍晋三首相およびその保守政権は同国の戦争行為に関するネガティブな 描写を減らすことで海外でのイメージを改善しようとしていると指摘した。
米紙はさらに踏み込んで、日本が戦争の歴史に対する認識を含む世界の対日理解促進のため、今年予算を約500億円増加したことを明らかにした。このうち 43億円は国際世論に対する分析、対応を含む情報発信力の強化に用いられる。また、大学やシンクタンクの日本研究事業の賛助金として77億円を計上し、 「対日友好」学者を育成する。日本の歴史観を他国に受け入れさせるため、日本は頭を働かせるだけでなく、少なからぬ金と力も費やしているようだ。
だが事実が証明したように、日本のあては外れた。たとえ米国のような強国でも、歴史に言いがかりをつけようとはしなかった。米国は戦後日本のいわゆる 「平和のイメージ」や「国際貢献」を喧伝することはできるが、侵略の罪の美化で日本を手助けすることは難しい。歴史は変えることも覆い隠すこともできず、 天に向かって唾を吐けば、その唾は自分の顔に落ちてくるだけだということを、日本は知るべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年1月19日
韓国でこのほど開催された2015年再生可能エネルギー技術国際デザインコンテストにおいて、南昌航空大学の学生が独自に開発した太陽エネルギー無人飛行 機が特等賞を受賞した。この無人機は学生が自ら設計した三角錐カンチレバートラス構造を採用し、超軽量形カーボンファイバー複合材料を使用し、自重が軽 い。日照が十分であれば、太陽エネルギーのみを動力とし間断なく飛行できる。研究開発チームによると、この無人機は小型かつ低コストで、最大の機種であれ ば5キロの設備を搭載できる。地域内の衛星通信中継、山間部の高圧送電線の除氷・点検、広範囲・高精度の天気予報、環境・災害モニタリング、巡視・偵察な どの任務を遂行できる。新華社が伝えた。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年1月15日
2013年度(13年4月~14年3月)に自衛隊と米軍が実施した共同演習(日米が参加した多国間共同演習を含む)が少なくとも74回、のべ 915日間にのぼり、回数・日数ともに過去最多となることが分かりました。防衛省への情報公開請求で入手した資料から本紙が集計しました。のべ日数が過去 最多となるのは12年度に続いて2年連続。
東日本大震災の影響から前年度比で微減となった11年度を除き、過去5年間の演習日数は一貫して増加傾向にあります。(グラフ)
13年度の日米共同演習を象徴するのが、米カリフォルニア州で行われた大規模な強襲上陸訓練「ドーン・ブリッツ(「夜明けの電撃戦」の意味)」 (13年5~6月)です。同訓練はこれまで米軍単独で行われてきたものですが、13年は陸海空の3自衛隊が海外で初めてそろって参加した共同統合訓練とし て実施されました。
陸上自衛隊は2005年以来、米国で海兵隊との共同訓練を重ね、上陸作戦の技術を吸収してきました。しかし、今回の「ドーン・ブリッツ」では、陸自に加えて海上自衛隊のヘリ空母や大型輸送艦も投入して、上陸部隊のための海上拠点の役割を果たしました。
自衛隊の準機関紙「朝雲」は「新たな共同統合運用の幕開け」などと報じ、写真特集を2回にわたり連載しました(13年6月20日、27日付)。海外への侵攻能力を高める「海兵隊化」の動きが、陸海空3自衛隊の統合作戦として遂行する新段階に入ったことを意味します。
統合運用 二つ以上の軍種(例えば空軍と海軍)が単一の指揮下で一体に作戦任務を行うこと。自衛隊が統合運用への移行を進める背景には、部隊の行動を迅速にするとともに、統合軍を基本とする米軍との一体化を促進する狙いがあります。
日米共同演習が年々拡大を続ける背景には、日米2国間演習の日数増とともに、多国間演習へ自衛隊と米軍がそろって参加する機会が増えている実態が あります。日米豪や日米韓など3カ国間の枠組みを近年ますます重視する米国の戦略下で、日米同盟はなし崩しで多角化しつつあります。
2013年度の日米共同演習ののべ日数は、陸上自衛隊を除いて、統合幕僚監部、海上自衛隊、航空自衛隊で軒並みの増(一覧表)。統幕と海自の多国間演習への参加が多く、全体の日数を押し上げる要因にもなっています。
とりわけ際立つのが、日米にオーストラリアを加えた枠組みの訓練。日米豪訓練は2007年から始まり、これまでは海自・空自を中心に共同訓練を重ねてきました。
13年度はこれに加えて、豪海軍主催の多国間共同訓練「トリトン・センテナリー」に海自が参加しました。これまで共同訓練が限られていた陸自も、豪陸軍主催の日米豪射撃訓練「サザン・ジャッカルー」に初参加し、陸海空の3自衛隊全体に広がっています。
日豪間には日米のように安保条約の締結はありません。しかし、日豪は共同訓練の拡大以外にも、物品役務相互提供協定(ACSA)、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を結ぶなど、3カ国の枠組みを足がかりに2国間関係を軍事同盟に近いレベルまで高めています。
また、訓練実績からは、ASEAN(東南アジア諸国連合)との対軍関係の強化を図る姿勢も読み取れます。13年度にはADMMプラス(拡大 ASEAN国防相会議)の枠組みで初の実動演習(人道支援・災害救援など)に加え、インドネシア主催の多国間共同訓練「コモド」にも、日米が参加しまし た。
日本の太平洋周辺諸国との軍事交流拡大の背景には、同盟国・友好国との協力を強めて、軍事費削減による自らの力の低下を補おうとする米国の戦略があります。
米国防総省の戦略文書(QDR2014)は「リバランス(再配置)戦略の取り組みの中心は、豪州、日本、韓国、フィリピン、タイとの同盟関係の強 化」だとして、「海外の多国間訓練施設を最大限利用する」と明記。ラッセル米国務次官補も昨年12月、日米豪や日米韓の3カ国関係を例に、「世界規模のグ ループより迅速に行動できる」と重視する考えを示しています。(ブルッキングス研究所での講演)
こうした方針は、改定作業が進む日米軍事協力の指針(ガイドライン)の中間報告でも、「地域の三カ国間、多国間の安全保障・防衛協力を推進する」と合意されています。
(池田晋)
毎日ニュース2015年01月01日より
米国とロシアがリードした宇宙開発は21世紀に入って大きく様変わりし、急速な経済成長の下でアジア各国の活動が活発化している。昨年9月にはインドがアジアで初めて火星探査機の周回軌道投入に成功し、「宇宙大国」の仲間入りを印象づけた。隣の中国も負けじと独自の宇宙開発技術の確立を急ぐ。東南アジア諸国の参入も盛んで、宇宙開発を「国民生活の向上」に役立てようという機運が高まっている。【ニューデリー金子淳】
2014年9月24日午前8時すぎ。インドの火星探査機・通称「マンガルヤーン」から火星軌道入りを知らせる信号が届いた瞬間、南部ベンガルール (バンガロール)のインド宇宙研究機構(ISRO)管制室が一気に沸いた。米露と欧州に続く快挙に、「ほっとして喜びがあふれ、高揚感に包まれました」。 当時、管制室にいた女性職員、ヤシュードラさんはこう振り返った。
火星の地表や大気などのデータを集め、生命の痕跡を調べる探査計画はシン前政権時代に承認され、わずか1年3カ月後の13年11月5日にロケット の打ち上げに成功。探査機は同12月1日に地球の軌道を離れた。火星の軌道まで航行距離約6億6600万キロ、約300日間の旅だった。
日本は1998年7月、火星探査機「のぞみ」を打ち上げたが、航行中に電源系が故障。2003年12月に周回軌道への投入を断念した。中国も11 年、「蛍火1号」を打ち上げたが失敗。ISROのラダクリシュナン総裁は「アジアの国でも実現可能なことを示せた。失敗例が役立った」と各国に感謝する。
インドが世界を驚かせたのはミッションにかかった費用だ。同時期に火星の周回軌道に到達した米航空宇宙局(NASA)の探査機「メイブン」は総予 算6億7100万ドル(約800億円)だったが、マンガルヤーンはわずか10分の1強の45億ルビー(約90億円)。総裁によると、既存の機材やシステム を組み合わせて最大限活用する「モジュール方式」を採用、コスト削減に成功したという。インドのモディ首相は「(宇宙をテーマにした)ハリウッド映画『ゼ ロ・グラビティ』より低価格だ」と称賛した。
批判も聞かれる。「宇宙開発予算を貧困対策に回すべきだ」というものだ。ぶ厚い貧困層を抱えるインドでは、国民の約半数がトイレのない暮らしを送っているといわれる。宇宙開発に巨額の資金をつぎ込む狙いについて、ラダクリシュナン総裁は「国民の利益のためだ」と言い切る。
ISROは14年10月、巨大サイクロンのインド上陸を前に気象衛星のデータを政府に提供。早期の警報発令につながった。総裁は「多数の命を救う ことに貢献した」と語る。また、衛星を使った遠隔地教育システムを整備し、都市から遠く離れた農村部の開発にも寄与。宇宙産業の広がりは製造業の発展につ ながるとの指摘もある。
宇宙開発を進めるもう一つの理由は、インドが進める衛星打ち上げビジネスだ。文部科学省の国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会委員の角南篤(すなみあつし)・政策研究大学院大教授は「宇宙探査は宇宙大国の証しでもある。今回の火星探査はインドの宇宙開発能力全体のイメージを高めた」と指摘する。
中国は22年に宇宙ステーション完成 アジアの宇宙開発な どは21世紀に入り加速した。中国は13年に無人探査機の月面着陸に成功。22年には宇宙ステーションを完成させる。韓国も20年までの月面探査を目指し ている。東南アジアでは、衛星データを解析して防災や環境保全、交通インフラなどに役立てようとする取り組みが目立つ。宇宙航空研究開発機構(JAXA) 調査国際部の鈴木明子国際課長は「冷戦時代の米ソのように国の威信をかけて宇宙へ飛び出そうというよりも、生活の向上や地球環境問題の解決のために宇宙を 利用しようという国が多くなっている」と話す。
アジアの宇宙開発の世界的レベルや特徴についてJAXA調査国際部の担当者に話を聞いた。
Q インドがアジアで初めて探査機の火星周回軌道入りに成功しましたね。
A アジアで初めて、しかも1回で成功させたのは評価できます。軌道投入の難易度は高く、過去に日本などの先進国も失敗してきました。インドの場合、個々の技術は必ずしも最先端ではありませんが、高い総合力が成功へ導きました。
Q アジアの宇宙開発の現状は。
A ここ10年で飛躍的に伸びました。特に中国やインドが存在感を増しました。マラソンに例えれば、両国は欧米と同じ第1集団にいます。東南アジ ア諸国も外国から衛星を調達したり、自前で地球観測衛星などの開発を進めたりする国が増えました。防災や環境監視、交通インフラなどに利用する国が多いの が特徴ですね。
Q 各国の協力は。
A 1993年に日本の提案で設立された「アジア太平洋地域宇宙機関会議」は、宇宙利用の促進に向けたアジア諸国の協力のあり方を探っています。 成果の一つは、観測衛星などで得たアジア太平洋地域の災害関連情報を共有する事業「センチネル・アジア」です。2007年2月の観測開始から6年間で24 カ国計130件の災害を宇宙から緊急観測し、広域の状況把握や復興対策に貢献しています。【聞き手・小泉大士】