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2010-09-23 | 市民のくらしのなかで

発言手段強制は権利侵害

           中津川代読拒否裁判 市に賠償命令

                                                    岐阜地裁

             判決不十分原告控訴へ


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(写真)判決後、記者団の質問に答える小池さん(中央)。左は安藤友人弁護団長=22日、岐阜地裁前

 発声障害を持つ岐阜県中津川市の日本共産党元市議・小池公夫さん(71)が、代読による発言を認められなかったのは違法だとして同市と議員ら28 人を訴えている裁判の判決が22日、岐阜地裁(内田計一裁判長)であり、原告の訴えを一部認め同市に10万円の賠償金支払いを求めました。被告議員の責任 は問いませんでした。原告は「勝訴だが、非常に不十分」として控訴する方針です。

 判決は、障害者に「表現の自由」や「自己決定権」(障害補助手段を使用する自由や障害補助手段選択の自由)があることを認めました。その上で議会 運営委員会が2004年9月から翌年11月まで、小池さんが求める代読ではなく、音声変換機能付きパソコンを使用しての発言だけを押し付けたことについ て、「障害補助手段の使用を強制することは、議会へ参加する権利を害する」と断じました。

 一方で、判決は、04年9月までは発言手段を議論していたとして違法性を認めず、05年11月以降についてはパソコン入力を事務職員ができるよう になり、原告に負担を強いるものでなかったとして違法性を認めませんでした。これに対し、原告弁護団は「自己決定権の範囲を非常に狭くとらえている」と批 判しています。

 判決を受けて小池さんは「被告は一貫して私の希望を聞くことなく、事実上の発言封じをしてきた」と振り返ります。違法性を認められたのが1年3カ 月間だけだったことに「すっきりしないものがある。今後も、障害者の参政権保障のための世論づくりにとりくんでいく」と代読で表明しました。

 中津川市議だった小池さんは、02年10月にがんで声帯を切除して以来、発声が困難になりました。03年の再選後、議会運営委員会に代読での発言を求めたところ、「議会規則にない」と拒否されました。


 自己決定権 社会生活を営むため自己の障害を補完する補助手段を自ら選択する権利。憲法13条により保障され、障害者基本法3条に より具体的権利として保障されています(以上判決から)。国連の障害者権利条約でも、障害を補完する手段(特に移動手段やコミュニケーション)について は、障害者が自ら選択することを基本にしています。

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