2010米中間選挙 あす投票
景気・雇用 オバマ政権問う
全米の縮図 カリフォルニアは
米中間選挙は2日、投票日を迎えます。連邦下院435の全議席、上院(定数100)のうち37議席の改選、37州の知事選などがいっせいに行われます。オバマ政権2年間の中間総括として、米国民の審判が注目されます。(ロサンゼルス=小林俊哉 写真も) 毎日jpより
最大の焦点は景気・雇用問題です。野党・共和党は高失業率や財政赤字の膨張などをオバマ政権の失政の結果だと批判。与党・民主党は、金持ち減税や規制緩和などブッシュ前政権流の経済運営では、危機打開はできないと訴えています。
最近の世論調査では、経済状況への国民の不満を反映して、共和党が上下両院とも過半数をうかがう勢いです。極端な「小さな政府」を主張する右派運動「茶会(ティーパーティー)」の支持を受けた一部の共和党候補の当落も注目されています。
高失業を攻撃
なかでもカリフォルニア州の連邦上院選は、今回の中間選挙の「縮図」として関心を呼んでいます。
4期目をめざすベテラン現職の民主党バーバラ・ボクサー氏に対し、共和党は米コンピューター大手ヒューレット・パッカード(HP)の元最高経営責任者(CEO)カーリー・フィオリーナ氏を擁立。フィオリーナ氏は「茶会」の支持も受けています。
論戦の中心は、ここでも景気・雇用対策です。共和党陣営は、ボクサー氏の上院議員3期18年の実績は12・4%という同州の高失業率だと攻撃。民主党側は、フィオリーナ氏はHPのCEOとして3万人の労働者を解雇したとして“反労働者”ぶりを批判しています。
最終盤になって、共和党側は300万ドル(2億4200万円)を投入してテレビCM作戦を強化。民主党もオバマ大統領とミシェル夫人が相次いで同州入りし、議席死守の構えです。
ロサンゼルス市内で交通業に携わるハル・アルフォンソさんは「民主党支持者だが、今回は共和党に投票する。オバマ大統領が経済改善の努力をしていることは認めるが、もうベテラン政治家は信頼できない」といいます。
ジレンマ抱え
世論調査では、両氏はほぼ互角のたたかいです。
伝統的に民主党が強いといわれる同州でボクサー氏が苦戦する背景について、同州政治に詳しい南カリフォルニア大のシェリー・ベビッチ・ジェフリー 上級研究員は「全米で最悪の部類に入る高失業率に悩む州民は、もう怒りを通り越している」と述べ、現状打開の思いが「反現職」の心情につながっているとい います。
一方で同氏は、「反オバマ」を掲げるフィオリーナ氏は大企業のCEOだっただけに「ウォール・ストリート(米金融街)などもうけている経済界の象徴として、有権者に受け取られている」として、支持の広がりに限界があるとも指摘します。
ロサンゼルス市内で民主党事務所のボランティアをしているロズ・テラーさんは、選挙戦をふりかえって、「(オバマ氏が当選した)08年の大統領選 で、市民は、ブッシュと共和党の経済政策にノーの結論を下した。その同じ市民がいま、経済状況にあえぎながら、果たして共和党に戻れるのかというジレンマ を抱えている」と感想を語っていました。