「なでしこ交番」拡大へ 京都府警、DVなど24時間対応
京都新聞 6月15日(日)20時49分配信
上御霊前交番2階にある女性警察官用の待機室。洗面台も備える(京都市上京区)
京都府警は本年度、女性警察官が24時間対応できる「平安なでしこ交番」の整備を進める。ストーカーやDVなど女性が被害に遭う事件が増えているため夜 でも女性警察官が常時勤務し、相談しやすい環境を整える。京都、福知山、宇治など5市の13交番で女性用待機室を設置。京都市上京区の上御霊前交番など既 に24時間勤務が可能な交番と合わせ、年度末には府内193交番のうち30交番が「なでしこ交番」になる。
府警によると、府内では昨年、ストーカーの相談が前年比6割増の790件、DVの相談は3割増の1101件寄せられた。性犯罪被害の通報は約8割が夜間 にあるという。だが、女性用待機室のない交番では女性警察官が警察署に戻って仮眠するため相談にすぐ応じるのは難しかった。
本年度は四条大宮(中京区)、塩小路(下京区)、上高野(左京区)、東宇治(宇治市)、福知山駅前(福知山市)など13交番に女性用のトイレや待機室を設ける。府の6月補正予算案に関連経費5300万円を計上した。来年度以降も、駅周辺や繁華街の交番を順次改修する。
なでしこ交番では非番などで女性警察官が不在の日がある。府警は今後、女性警察官の配置を拡大して勤務日を増やしていく。
最終更新:6月15日(日)21時59分
混合診療解禁 残業代ゼロ 農協つぶし
規制改革会議が答申
暮らし破壊・5分野で235項目の制度改悪を列挙。
政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)は13日、保険診療と保険外の自由診療を併用する「混合診療」の解禁など国民のたたかいで守ら れてきた医療、雇用、農業の根幹的制度を突き崩す内容を盛り込んだ答申をまとめ、安倍晋三首相に提出しました。政府は実施計画を策定し、27日に閣議決定 する予定です。
答申は、(1)健康・医療(2)雇用(3)創業・IT(4)農業(5)貿易・投資―の5分野で235項目の規制緩和を列挙。
健康・医療分野では、混合診療について「患者申し出療養制度」の創設を主張。原則禁止され、一部の先進医療でしか認められていない混合診療を、対象疾病や治療法に制限なく患者が申請すれば、どこの医療機関でも実施できるようにします。
金のあるものしか新たな医療を受けられなくなり、国民皆保険制度を空洞化させ、国内未承認薬の利用が広がるなど医療の安全性を脅かすものです。
「新しい労働時間制度」と称して、労働時間規制を外す“残業代ゼロ”制度である「ホワイトカラーエグゼンプション」の導入を提起。いつでも解雇で きて低賃金の“名ばかり正社員”である「ジョブ型正社員」の拡大も求めており、長時間労働と不安定雇用をさらに広げる内容です。
農業分野では、全国農業協同組合中央会(JA全中)の廃止は見送ったものの、「中央からの指導に基づくものではなく、地域の農協が独自性を発揮できるよう抜本的に見直す」として権限を縮小し新たな制度へ移行するよう求めました。
農地を所有できる農業生産法人への企業の出資規制の緩和や農業委員の選挙廃止など、環太平洋連携協定(TPP)をにらんで、大規模化・企業化に向けて国内農業の再編を行うよう求めています。