国連総長「WHO絶対に重要」
“資金減らす時ではない”
“資金減らす時ではない”
トランプ米大統領が世界保健機関(WHO)への資金拠出停止を表明したことを受け、国連のグテレス事務総長は14日、「ウイルスとのたたかいにおいて、WHOやいかなる他の人道機関の活動に対する資金も削減する時ではない」と強調しました。
グテレス氏は、WHOはウイルスとのたたかいで最前線に立ち、訓練や設備、救命活動を通じて、加盟国のほか、弱い立場にある人を支援していると指摘。WHOは「COVID―19に打ち勝つ世界的なたたかいのために絶対的に重要だ」と述べ、国際社会の結束を訴えました。
ニュージーランドのアーダーン首相は15日、トランプ氏の主張は有益かと問われ、「そうは思わない」と指摘。WHOは、「今のように情報の共有、信頼できるアドバイスを必要とする時に、それらを提供してきた」と述べ、「われわれはWHOを支持し続け、貢献を続けていく」と表明しました。
米国医師会のハリス会長は14日に声明を出し、トランプ氏の表明は「間違った方向への危険な一歩であり、COVID―19の制圧を難しくするものだ」と述べ、トランプ氏に再考を求めました。
米は「不道徳」と批判
中国専門家チーム
中国専門家チーム
【北京=釘丸晶】中国国家衛生健康委員会高級専門家チームメンバーの曽光氏は15日、トランプ米大統領が発表した世界保健機関(WHO)への資金拠出停止は「不道徳だ」と批判しました。中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報のインタビューで語りました。
曽氏は「全世界が感染とのたたかいに努力している現在、まさにWHOがさらに大きな役割を果たすことが必要な時。米国の資金引き揚げは事実上注意をそらすためだ」と指摘。「自ら感染まん延へ正しく対応せず、WHOに対し事実に反する非難をしている。とても不道徳で自らを世界の中でますます孤立させるだけだ」と批判しました。