最近「M7.3」の地震のデータ取れず
福島産水産物から基準値5倍の放射性物質検出
東京電力の職員が今月21日、福島第一原発の原子炉格納容器のそばで放射能濃度を測定している=大熊/AFP・聯合ニュース
東京電力が、大規模な放射性物質漏れ事故を起こした福島第一原発3号機に設置した地震計2台が、昨年から故障していたことを知りながら放置していたことが明らかになった。このため、最近福島沖で発生したマグニチュード7.3の地震が原発3号機にどのような影響を与えたのか、資料を確保することができなかった。
朝日新聞は「22日の原子力規制委員会の検討会で、規制委から聞かれて東電が答えた。昨年には(地震計の)故障に気づいていたが、修理などはせず、放置していた」と23日付で報じた。
委員会は2011年3月の東日本大震災当時、爆発の影響で3号機の原子炉建屋などが劣化した可能性を指摘し、安全性を持続的に確認する必要があると判断して、5・6号機だけに設置されていた地震計の追加設置を勧告した。福島第一原発を管理する東京電力は昨年3月、3号機の1階と5階にそれぞれ地震計を設置した。しかし、1階の地震計は昨年7月、豪雨で浸水して故障し、5階の地震計は昨年10月から測定データにミスが生じる問題が発生した。
東京電力は地震計を半年以上放置しており、前日の原子力規制委員会の質疑でこのことが分かった。東京電力は13日の福島地震後に開かれた記者会見でも、地震計の故障を全く説明しなかった。
日本経済新聞は「今後の地震対策で重要になる3号機の揺れの記録が取れなかった」とし、「会議に出席した有識者からは東電への批判が出た」と報じた。東京電力は地震計の修理が遅れたことについて、「故障原因の究明を進めていた」と説明した。
東京電力は13日の地震で福島第一原発敷地内に保管中の汚染水タンクのうち、所定の位置から外れたタンクがあることを翌日確認したにもかかわらず、地震発生から5日後に公開して批判を受けた。
2011年の東日本大震災で爆発事故が起きた福島原発は稼働停止となり、9年以上廃炉作業が進んでいる。全6機のうち、1~4号機の原子炉が津波の被害を受け、1~3号機でメルトダウンと爆発が起き、建屋が大きく損傷した状態だ。
福島県沖で今月22日に捕れたクロソイから1キロ当たり500ベクレルの放射性セシウムが検出されたと、NHKが報じた=NHK画面よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社
一方、福島県沖で今月22日に捕れたクロソイから1キロ当たり500ベクレルの放射性セシウムが検出されたと、NHKが報じた。日本政府が定めた食品基準(1キロ当たり100ベクレル)の5倍、福島県漁業協同組合連合会の自主基準(1キロ当たり50ベクレル)の10倍に達する数値だ。福島の水産物から基準を超えた放射性物質が検出されたのは2019年2月以来2年ぶり。福島県漁業協同組合連合会は、安全性が確認されるまで、クロソイの出荷を中止することを決めた。
キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)