Ａ Ｈｏｕｓｅ Ｉｓ Ｎｏｔ Ａ Ｈｏｍｅ

結局　姉の上京は無くなった

今日も点滴の為に病院へ行ったという

あらゆることで微妙なお年頃だ

心配しているが　でも其処まで

何も出来ない　福井は遠い～

もうすぐ　あの日以来　２０年になるのだ

父は　若干身勝手ながら　姉の（そしてプラス孫も）奪回を密かに考えていた

自分は妻となった女性に　嫁しては夫に従えだと思っていたくせに　

まっ　母もそういう覚悟の女性ではあったけれど

イロイロな家族がある

どんな形態であってもいい

大切なのは　愛と信頼

あっという間に一人になった家

バカラックの名曲の一つに　ハウスはホームじゃない　というのがある

椅子はそのまま　あるけれど　今は座る人も居ない…

椅子は家じゃないし　家はホームじゃない

妻が家を出て　一人になった男の胸の内を切々と語る曲だ

父は　母が亡くなってから　家は何も変わっていないのに居るべき人が居ないと言った

泣き言を一切言わず　人前でワンワンと泣く人を嫌った父だ

耐え切れずにうっすら流す涙にだけ　こっそり感動していたっけ

一人になっても　此処はハウスなんかじゃない

私にとっては　此処は以前と変わらぬ　暖かい　大切な　マイホーム