トマトの原型とされる野生の新種は もともと南米に広く生育していたものなのだそうだ
アステカ人が改良に改良を重ねて 今のトマトに近い なんとか食性に適したものにしたらしい
16世紀後半 ヨーロッパの文献にはじめてトマト(アステカ語のトマトルから)について記述されたが 豊かな文明を破壊したスペインを批判する内容だったために 禁書となってしまった
イタリアにトマトが初めて上陸したのは 16世紀半ばのナポリ
なるほど ナポリタンだものねえ
今でも火山灰の土地が適しているのか トマトの生産地となっている
当時 有毒な果実といわれ 単に園芸の観賞用だったかたくて不味いトマトだったが 改良に改良を重ね 2世紀を経て美味しい野菜までにしたその原動力は なんと庶民の貧しさ(飢え)だったという
日本でも 食用として需要が急激に伸びたのは第二次世界大戦後だというから 食料不足ゆえの人間の知恵といったら・・・
アメリカといえばホットドッグ ホットドッグといえばトマトケチャップ
しかし当初 アメリカ大陸では最も忌み嫌われた野菜であり なんと「リンカーン大統領トマト暗殺計画」があったという話には笑ってしまった
毒性があると信じられていたトマトだったが リンカーンは笑ってそれを食べてみせたために かえってトマトのPRになってしまったという
イタリアでトマト普及に貢献した人に『ピノッキオの冒険』の作者がいる
その本のなかに出てくる料理が「めばるのトマトソース煮」によって イタリアじゅうに認知されるようになったらしい
それよりも少し前 チーズをかけて食べるのが主流だったパスタにトマトソースを合わせるレシピが生まれた
誰の発明かはわからないのだそうだが 以降 この組み合わせは最強のペアになる
イタリア人にとってはマンマの味
日本では何になるのだろうかと考えてみた
野菜というなら大豆だろうか
豆腐類 納豆 味噌 醤油 豆乳 きなこ 枝豆 煮豆などなど お世話にならない日は無いといってもよいくらいだ
ご飯と味噌汁のペアとも思ったが 最強のペアとは言えない
このトマトも今では驚くほどの種類があるが 品種改良がこれほどにまで進んでいる野菜も珍しいようだ
そして 私が思うのと比較にならないほど イタリアのトマトの味も昔とは違うらしい
しかも驚いたことに EUの厳格な尺度による農作物の統一基準が制定されたために 市場からはじき出される野菜が多いという
ああ トマトソースのパスタ 食べたくなってきた