みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

「母 オモニ」(姜尚中著)/ニッポンに生きる 併合100年の韓国・朝鮮人

2010-07-22 17:11:55 | ほん/新聞/ニュース
姜尚中(カンサンジュン)さんの自伝的小説、
『母 ーオモニー』を読みました。

姜さんの著書はほとんど読んでいるのですが、
この本は姜さんのルーツ、原点ともいえる本、です。

 『母 ーオモニー』(集英社, 2010年)(姜尚中ホームページ) 
総ページ数: 304 | ISBN: 978-4-08-781444-6 | 発行年月: 2010/6/4 定価: 1,260円(税込)
【詳細・集英社】

激動の時代を生きた母の生涯を綴る
著者初の自伝的長編小説

「わたしは幸せだろかいね。うん、幸せたい。そうたい、幸せたい」
穏やかな老後を迎え、そう一人ごちていた母。しかし十六の春、婚約者を頼って植民地だった朝鮮半島から単身日本に渡った母の人生には、底知れぬ苦難が秘められていた。
時に感情を爆発させ、時に少女のようなあどけなさを見せた母。その逝去をきっかけに、著者は母の人生と、自らの家族の歴史を振り返る。それは戦中・戦後、日本全体がまだ貧しかったころ、そして人々の間の距離が短く、家族の絆が熱かった時代の記憶だった。
「在日」として生きてきた親子二代の軌跡を辿り、母とは、そして家族とは何かをストレートに問う、感動の一冊。



 『母 -オモニ-』(集英社ホームページ) 

「悩む力」から2年ぶり、著者初の自伝的小説 在日として、戦前・戦後を日本で生きてきた、姜尚中親子二代の物語。姜尚中の両親は、日本語の読み・書き・会話もままならないところから、地を這うような苦労をして、異郷の土地で生活の基盤を作ってきました。家族の歴史を振り返ってみれば、日本全体が貧しかった、あの頃が、思い出されます。苦しい時、哀しい時「茶摘みの歌」を唄って明るく乗り越えてきた母。一周忌を終えたとき、遺品の中から見つかったテープは、文字の書けなかった母から息子へのラストメッセージでした。母の話す熊本弁の温かさは圧巻で、読後、胸に込み上げてくるものがあります。
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●プロローグ

 母。それは、いつの時代も子供たちの心を虜にせずにはおかない。幼少の頃、子供以外の何者でもなかったすべての者にとって、母は絶対的な存在だったはずだ。たとえそれが、激しい愛憎をともなっていたとしても。
 とりわけ、息子たちにとって、母は「女」ではなく、あくまでも母でなければならない。息子から「男」になり、「女」と交わり、父親になってからも、息子たちは、母が「女」であったことを認めようとはしない。それほど、母という言葉は、息子たちの心を尋常ならざるものにしてしまうのだ。
 そして母が単なる母にとどまらず、「オモニ」であるとすれば、息子たちは狂おしいほどの母への想いに心を焦がすに違いない。
 わたしもまた、そのありふれたひとりの息子に過ぎない。しかし、わたしの母(オモニ)、禹順南には、息子による潤色や記憶の美化によっては語り尽くせない何ものかが宿っていた。
 すべてのものを弾き飛ばすほどの激しい感情を露わにした母。そしてまるで幼子のように陶然として「茶摘」の歌を涙声で歌っていた母。
・・・(以下略)・・・・
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姜尚中(カン サンジュン)
一九五〇年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。東京大学大学院情報学環教授。専攻は政治学・政治思想史。著書に『マックス・ウェーバーと近代』『オリエンタリズムの彼方へ』『ナショナリズム』『東北アジア共同の家をめざして』『日朝関係の克服』『姜尚中の政治学入門』『ニッポン・サバイバル』『悩む力』ほか。共著回編者に『ナショナリズムの克服』『デモクラシーの冒険』『在日一世の記憶』ほか。


姜尚中さんの母への思い、というだけでなく、
在日韓国・朝鮮人と呼ばれる人たちが、どのように日本を生きてきたのか、
が伝わってくる好著です。

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今年8月29日が日韓併合から100年となることにあって、
共同通信の「ニッポンに生きる 併合100年の韓国・朝鮮人」が岐阜新聞に連載されています。

ひょっとしたら、と思って2回目の署名を見たら「共同=原真」。

執筆者の原真さんは、わたしの古い友人です。
彼が岐阜支局にいらっしゃったころ、
わたしは指紋押捺拒否者を支援する運動をしていて、
運動のあらゆる現場に同行された彼は、
指紋押捺運動の記事を書き続けてみえました。

各地に転勤になり、共同通信の本社に戻られてからも、
在日の問題は、たぶん、ライフワークの一つになっているのだと思います。
わたしにとって、信頼できる新聞記者の一人です。

残念ながら、webにはないので、19日から22日までの岐阜新聞の記事を紹介します。

     

     

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7月21日(水)のつぶやき

2010-07-22 01:58:18 | 花/美しいもの
20:06 from web
きょうのブログ。○介護のコトバ「ナースコール」/時間治療:薬投与、時刻選び効果 臓器の働きが24時間周期で変わるのを利用 http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/ab1141de72d35b4a17376c939bdc4947
by midorinet002 on Twitter
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