みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

7/25午後10時00分~ETV特集「食べなくても生きられる~胃ろうの功と罪~」/摂食・嚥下障害について

2010-07-25 11:45:54 | 健康/くらし/薪ストーブetc
昨日、母を歯科クリニックに連れて行って、歯科医と話し、
「食べる」ことの大切さと、身体全体の関係やバランスについて、考えました。
母の場合、「口の中が痛い」→「食べられない」→「体重が減る」→「体力、抵抗力が落ちる」
→「口内炎が治らない」、という悪循環に陥っていて、どこかでこの流れを上向きにかえることが必要。

口のなかをきれいにして、食べやすいものを食べて体力をつける、
ということを、当面の目標にしたいと思います。

口から食べられなくなると、体力が落ちるので、
胃から直接栄養を送る「胃ろう」にする人が増えているようです。

母の場合は、まだその心配はないのですが、先へいくと避けては通れない問題、と思っていたら、
ちょうど今夜、タイミングよく「食べなくても生きられる ~胃ろうの功と罪」を
NHK教育で放送されるとのことなので、ぜひみたいと思っています。


 ETV特集
食べなくても生きられる ~胃ろうの功と罪~


NHK教育 7月25日(日) 午後10時00分~11時00分
 
男女を合わせた平均寿命が80歳を越え、日本は世界最高の長寿国になった。その理由の1つが、欧米とは異なり積極的な延命治療が行われていることにある。中でも、胃に直接栄養を送る経管栄養(胃ろう)は急激に普及し、現在およそ40万人に施されている。もともと胃ろうは、摂食障害のある子どもたちのために開発された技術だが、患者への負担が少なく生存率が画期的に延びるため、高齢者にも応用されるようになった。現在の日本では、嚥下の能力が衰え、ものを食べられなくなると、ほぼ自動的に胃ろうが施されるまでになっている。
しかしいま、この現状を変えようという動きが医療現場で起きている。「ただ生かすことが、本当に患者のための医療か」「自然な死を迎えられない現状が良いのか」という声が上がっているのだ。その動きの中心にいるのが、胃ろうの技術を日本に広めた第一人者の外科医だ。「私には延命至上の現状を招いた責任がある。だからこそ、勇気をもって訴えていかなければならない」という。私たちは、胃ろうをどう考えるべきか。そして、どう生き、どう死ぬべきか。その答えを模索する一人の医師に密着する。


参考: 胃ろう入門(PGEドクターズネットワーク)  

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歯科医の立場から、口から食べること、口腔ケアの大切さを説いたサイトもみつけました。
素人にも分かりやすく、こんせつ丁寧に解説していて、
とても参考になるので、おススメです。


口腔ケアについて考える 
摂食・嚥下障害について  -歯科の立場から考える-
     
1.はじめに
  いうまでもなく口から食べるということは,人間の大きな楽しみであり,口から食べる機能が失われたときにQOLの低下は計り知れない。
 摂食・嚥下障害の治療は,医師,歯科医師,看護婦,作業療法士,理学療法士,言語療法士,栄養士など多くの職種によって取り組まれている。 しかしながら,障害をもった患者を診る機会が少なかった一般の歯科医師・歯科衛生士にとっては,部位的にも機能的にも口腔領域と密接な関係を有しているにもかかわらず,ほとんど縁のないものであった。 今後は,歯科医療従事者も介護保険制度の開始に伴いこのような患者に接する機会は増えてくるものと思われる。 摂食・嚥下嚥下障害の治療に関わるかどうかは別にして,摂食・嚥下障害に関する知識は必携である。 そこで,私自身の学習の意味も含めて整理して掲載する。皆様のご意見・ご批判をいただければ幸いである。


2.摂食・嚥下のメカニズム

 摂食・嚥下障害を理解するためには,正常時の摂食・嚥下の動作がどのように行われるかを知っておく必要がある。 一般的に,嚥下の動作は,口腔相,咽頭相,食道相の3相に分けて論じられることが多い。(口腔相の前に,準備相を加えて4相として論じられる場合もある1)。) しかし,藤島は2),3相に分けて論じると互いに重なり会う部分があり,食物の流れがとらえにくいため,以下の6段階に分けている。
 (1)食物の認識
 (2)口への取り込み(補食)
 (3)咀嚼と食塊形成
 (4)奥舌への移送,咽頭への送り込み [口腔相]  ※口腔内で舌の後半部を奥舌としている
 (5)咽頭通過,食道への送り込み [咽頭相]
 (6)食道通過 [食道相]
※(1)~(6)が摂食動作,(4)~(6)が嚥下動作にあたる。(2),(3)は口腔準備相,(4)は口腔嚥下相とも表現できるとしている2)。

(1)食物の認識
 食物の認識は,摂食・嚥下のスタートであり,意識障害がある時には食物の認識ができないため,当然,,経口摂取は不適当である。 また意識障害がないにもかかわらず,食物を見ても何の反応も示さなかったり,スプーンで食物を口に近づけても何の反応もない場合は,まず,この認識障害を疑ってみるべきである。

(2)口への取り込み(補食)
 口への取り込みは,口唇と歯(とくに前歯)を使って行われる。 食物の形態によって,その取り込み方は異なってくる。

(3)咀嚼と食塊形成
 舌と歯(とくに臼歯)を使い唾液と混ぜられ咀嚼され,食塊が形成され飲み込みやすい形にされる。 歯の欠損や歯の疼痛,歯肉の腫脹・疼痛等の歯科疾患があれば,この段階が障害され,場合によっては嚥下機能全体にも影響を及ぼす。 また,舌尖は上顎切歯の口蓋側または硬口蓋前方に押しつけられ,舌背は臼歯部と口蓋粘膜に向け側縁部を挙上させることでスプーン状のくぼみをつくる。 このスプーン状のくぼみは,舌が両側の歯列と歯槽堤にガイドされて保持される。 無歯顎者では,この舌の形態を保持できないため,食塊の形成ひいては嚥下が困難となることもある1)。 無歯顎者の,この段階の障害に対する歯科的対応として,向井は3)嚥下補助床を考案している(後述)。 藤島は2),咀嚼は,口の中で嚥下食をつくる作業ともいえると述べている。

(4)奥舌への移送,咽頭への送り込み [口腔相]
 舌の運動により,食塊は口腔内の前方から奥舌へと移動する。 奥舌に移送された食塊は嚥下反射誘発部位(Wassilief の嚥下反射誘発部位-軟口蓋部,舌根部,咽頭後壁部など)に接触すると,一連の動きとしてすぐに咽頭へ送り込まれる。 食塊が舌前方部から奥舌に移動して嚥下反射が誘発される部位に送り込まれるまでが口腔相に相当する。 随意的にコントロールできるので随意相とも言われる。

(5)咽頭通過,食道への送り込み [咽頭相] 
 この部位は誤嚥が生じる場所で,非常に大切なところである。 食塊が舌奥にさしかかり喉頭が挙上しはじめると,軟口蓋は後咽頭壁と接触し鼻咽腔を閉鎖し食物の鼻腔への進入を防ぐ。(鼻咽腔閉鎖不全に対してはパラタルリフト-PLP: palatal lift prosthesis -) が用いられている4)-後述) 舌根部は下方に移動して下咽頭部は開大しする。食物が通過すると,舌根と軟口蓋さらに舌全体と硬口蓋がぴったりついて口腔内への逆流を防止する。 喉頭口は,披裂喉頭蓋ひだと喉頭蓋によって閉鎖される。 また,喉頭が挙上することによって受動的にも気管が閉鎖される。 向井は3)この喉頭挙上不全に対しても嚥下補助床が効果的であるとしている(後述)。 藤島は2),咽頭通過に際して脳卒中患者の特徴的な病態として,①嚥下反射が起こる前に食塊が咽頭に流れ込む,②食塊通過の際の鼻咽腔や喉頭口の開閉のタイミングがずれる,③咽頭に食塊が残留するの3点をあげている。

(6)食道通過 [食道相]
 食道に食物が送り込まれると,逆流しないように食道括約筋はぴったりと閉鎖し,その後,蠕動運動で胃へと運ばれていく。 食道括約筋の閉鎖が不完全であると,胃食道逆流が起こり,胃酸,消化液,細菌を含んだ食物が咽頭に逆流し,誤嚥すると肺炎の原因になる。 食後2時間くらい起座位をとることでかなり予防できる。 また,脳卒中では,脳幹部の病変のため食道の蠕動運動が障害されることが多い2)。

・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・
3.摂食・嚥下障害の原因
4.摂食・嚥下障害の診査
5.摂食・嚥下障害への対応
6.摂食・嚥下障害と口腔ケアとの関連

 要介護人の場合,1本のう蝕の応急処置を施しただけで,摂食障害が改善されたという例は時々経験する。 すなわち,要介護人で,歯科疾患の痛みのために摂食がすすまないことを,周囲とのコミュニケーション不足のため摂食障害ととらえられ,嚥下機能には問題がないのに摂食・嚥下障害と理解され扱われている場合も見受けられる。 摂食・嚥下障害の場合,口腔内の精査や広い意味での治療も含めた口腔ケアが必要になってくる。
 狭義の口腔ケアについては,嚥下機能が低下しているため,誤嚥性肺炎予防のため口腔清掃が極めて重要になる。 この場合の誤嚥とは,食物の明らかな誤嚥ではなく,不顕性の誤嚥 ( silent aspiration )である。 嚥下反射・咳反射の低下した老人は,睡眠中に不顕性の誤嚥をたびたび起こし,この際,唾液とともに口腔内の細菌も同時に誤嚥するため,誤嚥性肺炎を起こしやすいといわれている5)。 そして,口腔内の細菌を減少させるためには,口腔ケアが有効である。 というよりは,口腔ケア以外に有効な方法は見あたらない。また,機能検査前や直接的な嚥下訓練前には,万一の誤嚥のために,口腔ケアをより厳重にしておく必要がある。
 さらに,ブラッシングにより歯肉・舌などに知覚刺激を与えること自体嚥下訓練となり,好影響を与える。


ケアマネージャーとして知っておくべき口腔ケアの知識


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