熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

日本をダメにした10の裁判

2008-11-13 22:14:47 | Weblog
「日本をダメにした10の裁判・日経プレミアシリーズ」という本を読みました。

東京大学法学部卒の検事、弁護士等で構成する「チームJ」が執筆したものです。

彼らが取り上げた10の裁判は、「正社員を守って増える非正社員の皮肉ー東洋酸素事件ー」「単身赴任者の哀歌ー東亜ペイント事件ー」「向井亜紀さん親子は救えるか?-代理母事件ー」「あなたが痴漢で罰せられる日ー痴漢冤罪と刑事裁判ー」「公務員バリアの不可解な生き残り」「企業と政治の強い接着剤ー八幡製鉄政治献金事件ー」「なぜムダな公共事業はなくならないのかー定数是正判決ー」「最高裁はどこへ行ったーロッキード裁判ー」「裁判官を縛るムラの掟ー寺西裁判官分限事件ー」「あなたは最高裁裁判官を知っていますかー国民審査ー」です。

この本で取り上げている裁判の判決文は、ほとんど読んでいます。
この本は分かりやすく記述してありますので、法律に馴染みのない方でも読みやすい本です。

この本で取り上げている裁判例に対する見解と、私の見解とは異なるものもありますが、概ね妥当な考え方だと思います。

この本でも、最高裁が事実上立法したのと同じ効果を有する判決を出していることが記述されており、この判決は妥当でないという見解を述べています。

私も、最高裁は、判例統一の役割はあるものの、事実上の立法をするのと同様なところまで踏み込んで判決を出すのは賛成できません。

法律を作るのは、国民から選ばれた政治家で構成する国会の役割であり、裁判所が立法の領域まで踏み込むのは三権分立に反することになり、妥当性を欠くと思われます。

ともあれ、裁判員制度開始が目前に迫っていますので、国民の裁判に対する関心を高めるような本が数多く出版されるのは好ましいことです。


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