熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

民主主義の危機

2016-08-12 10:49:22 | Weblog
沖縄タイムスに掲載された、TBSのジャーナリスト金平さんの「沖縄県高江のヘリパッド工事」についてのコラムです。

「参院選の結果が出てからわずか9時間後のことだ。沖縄県には何の連絡もなかった。翁長雄志知事は「選挙で民意が示された数時間後に、用意周到にこういうことをやることは容認できない」と報道陣に語った。
 このタイミング。まるで島尻議員落選を見越しての〈仕返し〉のような冷徹な意図を感じ取った人は多かったのではないか。沖縄の民意がどんなに示されようと、国は「整斉とやっていく」(7月22日、中谷元・防衛相の発言)。「整斉」とは聞きなれない言葉だ。辞書で調べてみたら「整えそろえる様子」とあった。〈彼ら〉にとっては、住民など「整えそろえる」対象にしかすぎないのだろうか。
 この防衛大臣は県に何ら連絡をとらずに資材搬入を始めた理由を問われた時こう答えた。「資材搬入につきましては、準備を進めてまいりました。その準備が整ったということで、11日から作業を行ったということでございます。…いずれに致しましても、訓練場の返還は急がなければなりませんので、実施させていただいたということでございます」

何を言っているのかというと、つまり県なんか無視していいのだ、こっちは何が何でも「整えそろえる」んだから、と。こういう人物が防衛省のトップなのである。準備が整ったんだからやるのだと。沖縄防衛局は、その後、現在は中断している名護市辺野古の移設工事についても再開の意向を示し、7月22日の午前6時には、2年間中断していた高江のヘリパッド工事に着工した。」

「こんなことがアメリカで起きたらどうなることだろうと思った。おそらく議会やメディア、それに住民らが一斉に動きだして警察の警備の正当性が問いただされただろう。
 工事着工に反対する無防備の市民ら200人に対し、全国から動員された機動隊員500人が片っ端からごぼう抜きにしていく。防衛大臣の言うように「整えそろえた」のだろう。かなりの手荒さだ。顔面にパンチを繰り出している機動隊員もいた。市民の側に複数の負傷者が出た。県道70号線が10時間も封鎖されていた。そこに近づく者には検問が実施され免許証の提示が求められた。検問自体が抗議行動に対する明確な妨害になっていて、それ自体の合法性が問われるのではないか。」

正にその通りです。

アメリカだけでなく、日本でも本土でこのような暴挙が起こったら、おそらく新聞、テレビが大々的に取り上げて大問題になるでしょう。

それが分かっているので、本土ではこのような取り締まりはしませんね。

そうなると問題なのは、なぜ沖縄では許されるのか、全国紙やNHK、民法は批判的な報道を展開しないのかですね。

これは本土に住む人の人権と沖縄に住む人の人権と異なる、ある意味差別ではないでしょうか。

このような差別的な取り扱いが平然となされていて、それに対して本土に住む人はまるで人ごとのような無関心を決め込んでいます。

これでは、沖縄独立論の支持が拡がっていくのも無理はないですね。


金平さんんも、「そう、まるで〈戒厳令〉のような状態がそこにあった。警察法2条にはこう記されている。〈憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあってはならない〉。なぜこんなことが沖縄でなら許されるのか。その根底に〈植民地〉に対処するような本土の対沖縄政策があるのだと、僕は思っている。」と述べています。

更に続けて、「高江で実際に行使されている物理的な警察力についてはどうなのか。住民の平和に暮らす権利や自然をまもりたいと思う願いを損なっていないのか。高江で起きていることへの本土の無関心ぶりは、僕には、まるで高江でポケモンGOに興じていることと同義のように思えるのだ。」とも述べています。

本土の私達は、もっと真剣に沖縄県民の苦悩を理解しなければいけません。

沖縄県民の犠牲の上に成り立つ平和など何の意味もないでしょう。

自分を沖縄県民の立場に立って考えてみれば分かることなのですが、それすらしようとしない人が平和について語る資格はあるのでしょうか。








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