常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

散歩

2013年05月01日 | 日記


6時、悠創の丘まで散歩。5月に入って、あたりの様子の変化も目まぐるしい。桜が葉桜となり、かわってツツジやチューリップの花が咲き始めた。気温も10℃ほどで、早足だと少し汗ばむ感じだ。悠創の丘のツツジには、ミツバツツジと書かれた看板が立っている。葉桜とツツジのコラボは、初夏を予感させる光景である。カメラを手にする散歩は、この初夏の花の季節ではことのほか楽しい。

近道へ出てうれし野のつつじ哉 蕪村

晩年の鴨長明は、近所の10歳になる小童をさそい、連れ立って散策するのを好んだ。花を摘んだり、果実をもいだりしていると、つい老いの身を忘れた。地位も名誉も捨て、ひっそりと生を営む無欲の境地が、子どもと連れ立って散策することで童心に帰り、うかれるような楽しい時間となるのであった。

同じような境地で散策を好んだ詩人に宮沢賢治がいる。農学校で生徒と連れ立って野良道を散歩するのが好きであった。賢治は散策しながら、突然奇声を発した。「ホッホッホッホー」と声を出しながら、体を浮かせたり、飛び跳ねたりした。生徒たちは「先生なんだか変だなー」と思ったが、野原での開放感が、思いかけずそんな奇行をとらせたのである。

鴨長明や宮沢賢治の散策の姿を想像しながら歩くのもまた楽しい。1時間半、カメラを手に、開放感に浸りながら家に帰ると、一日の始まりを充実感をもって迎えられる。


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