きのう、立夏を迎えた。そのシンボルとして、青蛙が初めて鳴く季節だと言われる。米どころの新潟では、田植の準備が進んでいた。ここ山形では、まだ蛙の鳴き声を聞かないが、田圃に水をはると、なぜか一斉に鳴き始める。昨日は気温が上昇したが、今日はまた4月初めに逆戻り。季節の移り変わりは逡巡しているようだが、各地で真夏日の気温が伝えられるなど、やはり立夏にふさわしい季節である。
苗代の二枚つづける緑かな 松本たかし
5月5日は子どもの日で、旧来の端午の節供である。節供には神に食べものを供え、それを一家で食べて神への感謝のしるしとした。桃の節供には菱餅、端午の節供にはちまきを供える。鯉のぼりを大空に泳がせるのも、この季節の風習であるが、昨今の少子化のせいか、あまり見かけなくなった。
鯉の滝登りというと、日本では誤解されているきらいがある。中国では、滝は急流を意味し、山西省を流れる黄河は「竜門」と呼ばれる急流をなしている。けして滝が流れ落ちているのではない。この急流を登るのを登竜門というが、急流が鯉が登ると出世するの謂いである。端午の節供に鯉のぼりを泳がせて、わが子の出世を願ったのである。
5月も4月に続いているので、雹が降ることも多い。晴天だった空が急に曇り、電光が光り、雷鳴がとどろき、風が強く突風となり、雹が降ってくる。上空が冷たいので、雨になりきれずに雹となって落ちて来る。気温がもっと上がれば、雹は空中で溶けて雨になる。