室内においてあるシンビジュームの花芽が膨らんできた。昨年はカトレアがたくさん花芽をもって、初夏になるまで楽しませてくれたが、ことしはその気配がない。昔、戸建ての家に住んでいたころ、隣のご主人が大のラン愛好家であった。kさんと言った。シンビジュームやデンドロリュームとか、名も知らない高価な鉢を幾鉢となく育てていた。わが家でもkさんから分けた貰ったシンビジュームの鉢を長く咲かせていが、いつか今の鉢に代替わりになっている。
ランへの水遣りは霧吹きでする、などという知識を得たのもkさんからであった。春のある日、kさんは散歩の途中、山で見つけたと言って春ランを根に土をつけて持参してきた。薄緑の春ランは、日影の花のように弱弱しい姿であったが、よくみるとどこか秘めた気品があった。調べてみると、シンビジュームの和名は春ランだということも分かった。同じラン科の植物である。世に蘭の愛好家は多い。
春蘭を掘り提げもちて高嶺の日 高浜 虚子
山ではそろそろマンサクが咲き始める。雪がとけてきた林床にはフキノトウが顔を出すのももうじきだ。オオイヌノフグリやネコヤナギが見られるのも遠い日ではない。野を覆いつくす雪を見ると気がふさぐが、いつも驚かされるのは太陽の大きな力だ。これほどの大量の雪をとかすのに、さほどの日数は要しない。うららかな春の日が待たれる。
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