葉山は県内に三つある。その内で最も標高の高いのは、月山に隣接する葉山、1462mだ。この山は大蔵村、村山市、寒河江市にまたがっているため、登山道もこの三地域から4つほどある。今回は、その登山道で一番ハードで、しかも眺望が最もよいといわれる山の内コースを選んだ。村山市から次年子、肘折へとつながる県道を、山の内集落をめざして走る。この集落から、葉山登山の林道を登山口へと進む。先日、現地確認をした場所である。自宅を5時に出発、登山道の入り口に着いたのは、6時50分であった。
葉山は端山とも書く。集落から奥の山に比べて近いので、こんな名称があるようだ。富並川に沿ってついている登山道は、すぐに急登がはじまる。心配された天候は、晴。かかっていた靄も歩き始めてうすらぎ、陽射しが出てくる。登り始めて40分、滝見台に到着。雪渓が消えたあたりに細い糸のような滝が見える。その奥には葉山に続く稜線が見えている。左端に尖っているのが、烏帽子岩である。今日の一番の難所だ。烏帽子岩まで2時間半、急登に耐えながら進む。
烏帽子岩のトラバースは、事前に調べた通り、足場も不安定である。張られているロープで安全を確保しながら、一歩づつ進む。眼下は切れ落ちる渓谷である。危険なトラバースを終えて、稜線へ出る最後の急登に挑む。全身に汗が噴出している。
稜線へ出ると、葉山の山頂に続く連山が馬蹄形に繋がっているのが目に飛び込んでくる。苦しい急な坂道を息を切らしながら登った者へ、山の神様からのご褒美である。加えて稜線には涼しい風が、汗だくの身体を癒してくれる。稜線の右手に、神社の建物がぽつんと見える。
葉山はかつては、修験道が盛んで、近村の人々の篤い信仰の対象であった。月山、羽黒山、葉山が出羽三山と称された時代もあったらしい。山は近村の豊作のため、豊富な水を提供してくれた。白磐神を葉山権現とされたいう説もある。また、寒河江の慈恩寺の奥の院が、山頂にあったという言い伝えもある。
起伏の少ない緩やかな稜線歩きが楽しい。所々にある池とうでは、ヤツガシワの可憐な花が見ごろを迎えていた。ほかにシラネアオイ、サンカヨウ、コブシ、ヤシオツツジなどの高山の花が、長い山歩きの疲れを忘れさせてくれる。
奥の院到着、11時30分。すぐそこに山頂が見えているが、そこまでは行かず、奥の院で昼食とする。本日の参加者4名(男性2、女性2)。山中では、ひとりタケノコ採りの人に逢ったほかは、他の登山者と会わない。奥の院で、7名ほどのパーテイが合流。彼らもここで昼食。食事を終えて、往路をとって返す。急な道や足場悪いところに気をつけながら、慎重に下山。3時
50分駐車場着。