常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

葉山

2015年06月14日 | 登山


葉山は県内に三つある。その内で最も標高の高いのは、月山に隣接する葉山、1462mだ。この山は大蔵村、村山市、寒河江市にまたがっているため、登山道もこの三地域から4つほどある。今回は、その登山道で一番ハードで、しかも眺望が最もよいといわれる山の内コースを選んだ。村山市から次年子、肘折へとつながる県道を、山の内集落をめざして走る。この集落から、葉山登山の林道を登山口へと進む。先日、現地確認をした場所である。自宅を5時に出発、登山道の入り口に着いたのは、6時50分であった。

葉山は端山とも書く。集落から奥の山に比べて近いので、こんな名称があるようだ。富並川に沿ってついている登山道は、すぐに急登がはじまる。心配された天候は、晴。かかっていた靄も歩き始めてうすらぎ、陽射しが出てくる。登り始めて40分、滝見台に到着。雪渓が消えたあたりに細い糸のような滝が見える。その奥には葉山に続く稜線が見えている。左端に尖っているのが、烏帽子岩である。今日の一番の難所だ。烏帽子岩まで2時間半、急登に耐えながら進む。

烏帽子岩のトラバースは、事前に調べた通り、足場も不安定である。張られているロープで安全を確保しながら、一歩づつ進む。眼下は切れ落ちる渓谷である。危険なトラバースを終えて、稜線へ出る最後の急登に挑む。全身に汗が噴出している。



稜線へ出ると、葉山の山頂に続く連山が馬蹄形に繋がっているのが目に飛び込んでくる。苦しい急な坂道を息を切らしながら登った者へ、山の神様からのご褒美である。加えて稜線には涼しい風が、汗だくの身体を癒してくれる。稜線の右手に、神社の建物がぽつんと見える。

葉山はかつては、修験道が盛んで、近村の人々の篤い信仰の対象であった。月山、羽黒山、葉山が出羽三山と称された時代もあったらしい。山は近村の豊作のため、豊富な水を提供してくれた。白磐神を葉山権現とされたいう説もある。また、寒河江の慈恩寺の奥の院が、山頂にあったという言い伝えもある。




起伏の少ない緩やかな稜線歩きが楽しい。所々にある池とうでは、ヤツガシワの可憐な花が見ごろを迎えていた。ほかにシラネアオイ、サンカヨウ、コブシ、ヤシオツツジなどの高山の花が、長い山歩きの疲れを忘れさせてくれる。

奥の院到着、11時30分。すぐそこに山頂が見えているが、そこまでは行かず、奥の院で昼食とする。本日の参加者4名(男性2、女性2)。山中では、ひとりタケノコ採りの人に逢ったほかは、他の登山者と会わない。奥の院で、7名ほどのパーテイが合流。彼らもここで昼食。食事を終えて、往路をとって返す。急な道や足場悪いところに気をつけながら、慎重に下山。3時
50分駐車場着。


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ミズ

2015年06月12日 | 山菜


春の山菜は、山近くに住むものにとっては宝物のような存在である。だが、歳を重ねるにつれて山菜を採りに山に入る回数も減ってきた。春の味を堪能した山菜といえば、今年は花ワサビ、コシアブラ、ワラビ、シシウド、ウド、根曲がりタケなどを採ってきて、少しだけ食卓に乗せた。

先日の山の内から、柔らかいミズを採ってきた。茹で上げると写真のようなみごとなグリーンになる。切ってビニール袋に入れて、塩コンブをあえて数時間置くと、ミズにコンブの出しと塩味が絶妙にからんで、ビールの友になる。先日秋田の人が、ミズのこんな食べ方を話していたので実行してみた。あまりあっさりととした味で、山菜としてはイマイチと思っていたが、このアイデアでミズを見直した。水辺には、夏を過ぎてもミズが取れるので、長く楽しめそうだ。

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手打蕎麦おんどり

2015年06月10日 | 日記


村山市山の内。霊山葉山への登山道がこのソバ店の前にある。田と山に囲まれた閑静な集落である。今週の山行を前に、今日は現地確認。妻が同行した。登山道入り口までの林道は、途中から砂利道になる。道幅はせまく、ほとんどの所で普通自動車の交差はできない。運悪く車に行き会えば、交差可能なところまで一方の車を後退させる他はない。この砂利道を20分、やっとの思いで入り口の駐車スペースに着く。

林道は富並川に沿っている。車窓からは、フキやミズなどの山菜が見える。妻は車を降りて山菜取りに時を忘れる。春セミとウグイスが、耳を裂くように鳴いている。新緑は眩しいほどにつややかである。川沿いにあるせいか、平地では見られぬ景色である。

「おんどり」とは珍しい名前のソバ店だ。平成8年に開業というから、この地で20年という年月を過ごしたことになる。山の内で栽培したソバ粉だけを使用している。黒く太い太麺と外皮を除いた白い細麺に2種類。我々は田舎風の太麺を注文する。大久保の荒木そばを思いださせるこの蕎麦は、さらに腰が強く噛み応えのあるソバだ。店に着いたのが3時ころになったため、食べるのが忙しくて写真に収めるのを忘れてします。甘く美味なソバだった。
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待望の雨

2015年06月08日 | 日記


昨夜から雨になった。乾燥しきった畑には待ちに待った雨である。朝の水遣りをやめて、雨読の日とする。きり枝のミニ薔薇を、妻が玄関に生けたが心なし生きいきとして見える。今日読んだ本。『お伽草子』の「熊野の御本地そうし」(永井龍男訳)、梅原猛『万葉を考える』、梅原猛・吉本隆明『対話日本の原像』など。遠い日本の過去へ思いを馳せる。今年の詩吟の課題吟には、できれば万葉集の和歌を選びたいと思った。 
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山形神室

2015年06月07日 | 登山


快晴、登山日和。山形神室へ行く。今日は、笹屋で採った笹竹を鍋にして食べるイベントが企画されている。登山するグループ、筍を採るグループ、賄いの3グループに分かれて行動。登山は笹屋峠から山形神室の頂上までとなる。男性3名と女性1名。雲ひとつない青空は、梅雨を前にしてめったに得られない条件だ。無風、春山に特有の虫も少ない。稜線からは、月山、朝日連峰、飯豊連峰に加えて蔵王の山々が一望である。

山形から笹谷峠に至る道路が工事のため通行できなくなっている。そのため、笹谷トンネルで宮城側に抜け、ユータ-ンして笹谷峠に出た。この道はほとんど通ったことがないだけに、ここで見る反対側のトンガリ山や山形神室の姿が新鮮である。尾根の東側は切り落ちていることは知っていたが、実際にみると実に壮観である。細い山岳道路は山形側ほどのジグザグもなく、ほどなく峠の駐車場に着く。



前山の展望のきく場所で月山を望む。ここから見る月山の姿が一番美しいかも知れない。眼下には山形の市街が一望できる。花は山ツツジが盛りを過ぎ、サラサドウダンが満開だ。登山道の脇に、ドーダンの木が並木のように繁っている。マイヅルソウ、アヅマギク、ハクサンチドリ、イワキンバイなどなど登山道の足元は、かわいい高山植物の花が咲き乱れている。但し、標高が比較的低く、日当たりのよい尾根道は、春の花はすっかり終わっている。雪解けを追うようにして咲く高山植物の魅力にはやや欠ける。どの花にもカメラを向けてシャッターを切ったが、あまりのピリカンで光線がつよ過ぎて失敗、アップできるようなショットはない。



この山の尾根歩きは楽しい。日曜日とあって、登山者の数も多い。ここは県境でもあるため、山形からの人、仙台からの人が半々のようだ。尾根からは視界が開け、蔵王連峰の山々が手に取るように見える。目指す山頂は登山道がはっきりと見え、遥々と続くようだが、実際に歩くと思いがけず早く着く。それだけ、この尾根歩きが楽しいということである。山頂まで2時間半、帰路1時間半、11時45分には駐車につく。

イベントのタケノコ汁は、鍋の専門家nさんの腕で感激の味。取立ての笹タケを豚汁味とニシン味の二つの鍋で堪能した。実はこの鍋も写真に撮ったがこちらも失敗。大鍋の豪快さが紹介できない。笹薮をかきわけてタケノコを採った人、山小屋で火を使い、暑い中で賄いをしてくれた人、おかげさまで、ことしもこの山の会の恒例の行事が大好評で終了した。感謝。





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