常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

古鏡

2015年07月23日 | 日記


鶴岡の銘菓、古鏡を頂いた。古鏡をかたどった皮に、餡をぎっしりと詰めたお菓子だ。手に持つとずしりと重い感じするほどで、この頃のしゃれた菓子とは一味違う、伝統の銘菓である。羽黒山の鏡池で、200面を超える古鏡が発見されたのは、昭和6年のことである。そのうち90面が、平安時代のものであることが確認されている。銘菓古鏡は、羽黒山で発見された神聖な古鏡に因んだものである。

古来日本人は、鏡を聖なるものとして崇めてきた。皇位継承の三種の神器は、八咫鏡・八尺瓊勾玉・草薙剣であり、とりわけ鏡は重要視された。かの魏志倭人伝で魏王が倭人に贈ったもののなかに鏡100面という記録がある。魏を表敬訪問した倭人が、下賜されるものに鏡を熱望したためであったらしい。日本人が鏡に執着した奥に、蛇信仰がある。カガとは古語で蛇のことで、カガ目つまり蛇の目が転じてカガミになったいう説がある。

古代人は蛇の目に光を見た。瞬きをしない開け広げた蛇の目は、カガミと同じように見えたのであろう。池に鏡を沈めるという行為は、蛇が好む水に帰したということである。古代人にとっても蛇そのものを気持ちいいものとして受け入れられたのではない。蛇の象徴としてしての光るもの、蛇の目、そのシンボルとしての鏡を身の傍に置く信仰が広がっていった。古墳の副葬品にも多量の鏡が入れられたが、これも蛇の呪力を傍らに置いて守らせるという意味があった。
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青空

2015年07月22日 | 日記


朝の山形は雲ひとつないが広がっている。地上近くに霞のようなものがあって、その青がグラデーションを帯びながら微妙に色合いを変えている。地上凡そ400mの標高からみている。この朝の時間にしか見ることができないすばらしい景観である。松の木の向こうに市内のビル群が、小さく姿を見せている。上空は高気圧に覆われて、雲ひとつない。

だが、ところによって夕立の予報が出ている。上昇気流に起因する夕立は、局地的で同じ市内でも降るところそうでないところが斑模様に分けられる。「夕立は馬の背を分ける」と言われるほどで、馬の背でも片側は濡れ、反対側は濡れないという言葉さえある。

渓は降り天に御岳の夕立晴れ 水原秋桜子

最近の天気予報は、精度が上がったような気がする。午後6時ころになって、空に不気味な黒い雲が広がり、遠い雷鳴が聞こえ出した。テレビでは山形地方に竜巻が起きる可能性があると報じた。この警報は午後7時10分まで有効とのことである。やがて涼しい風が吹き始め、ベランダの戸を開けていられないほどの突風が吹き始めた。数えきれないほど稲光が垂直に走る。空を見ると、黒い雲から垂れ下がった形をした雲も見える。やがて激しい雨が降り出す。夕立などという言葉では表現できないような雨だ。7時10分、あれほど激しい風が止み、いつしか雨は小降りになった。

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酷暑

2015年07月21日 | 日記


昨日の夕方珍しい夕焼けが空を染めた。こんな夕焼けの明日は暑くなると思ったが案の定、今日は厳しい夏日になった。時おりベランダから吹き込んでくる風が、かろうじて冷気を運んでくれるが、蒸し暑い猛暑日である。だが、この酷暑もほんの一時である。季節は耐え難い暑さを内包しながら、次の季節を準備している。

さらば、あまりに短かかりしわれらの夏の烈しき光りよ 

フランスの詩人ボウドレエルの詩の一句である。この暑いさなかに、野菜や草木は旺盛な成長を見せ、秋風とともにその成長を止める。もう50年も前、北海道から日本で一番の暑い気温の記録を持つ山形にやってきて、その酷暑のなかに身を置いたとき感じたものは、全身を暑さに包まれることの安心感であった。秋風が吹き始めると、夏の暑さがたまらなく恋しくなった。何か心もとない寂しさを感じたものであった。

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山ユリ

2015年07月20日 | 日記


朝の運動は千歳山。小雨が落ちていたが、運動にはもってこいだ。山中で山ユリが咲いていた。ツツジが終り、珍しいヒメサユリの後は花のない山だが、山ユリに会えて元気が出る。小雨に濡れてしっとりした花の姿は清楚な雰囲気を漂わせる。山の会のOさんに会う。このところ山行ではしばらく同行していないが元気な様子。またの再会を約した。

見おぼえの山百合けふは風雨かな 星野 立子

今月から8月にかけて、今年の登山のメインイベントが控えている。富山県雲の平への5泊6日の山行だ。祖父岳、水晶岳、鷲羽岳、三俣蓮華岳、黒部五郎岳、北ノ俣岳と2600mから2900m級を6座登る計画である。おそらく登山を始めてから20年、集大成の山行になる。そのための脚の準備を万全に、これから早朝の千歳山が日課になる。
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ズッキーニ

2015年07月19日 | 農作業


先日の雷雨からめっきりズッキーニの収穫が減ってきた。一日でも間をおくと、大きくなったのが重たいほど収穫できたが、今朝は昨日収穫してしなかったのに、探して小さいものを含めて10本ほどしか取れない。変形したものも多く、やはり盛りは過ぎたように感じる。

変わって主役に踊り出てきたのは、キュウリ、トマト、オクラ、ナスなどの夏野菜だ。キュウリの葉が大きくなって、時々見逃して大きくなり過ぎるものがある。だが、大きくなったのは、みそ汁の具にしてもおいしく食べられる。芽がなかなか出なかったショウガがここにきて芽を出し始めた。葉を大きく開き始めたものもある。里芋も少しづつ大きくなり始めている。お盆に食べる枝豆が花をたくさんつけた。

今年は葉物がうまく収穫できない。チンゲン菜、山東菜、小松菜、どれも虫害できれいなものができない。やはり消毒や、こまめな除草など必要なのだろうか。研究の必要がある。
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