
畑のエンドウ豆に花が咲いた。今朝、雨のなか、残った種(ズッキーニ、オクラ、インゲン)をまきにいったところ、エンドウ豆はさらに多くの花をつけていた。莢が食べごろになるまで、花が咲いてから10日ないし2週間とみているので、今月の末には初どりのスナップエンドウが食べらることになる。雨の日に畑に行くことは滅多にないが、苗の定植と種まきは別だ。根の定着や種の発芽には、気温が高いことと雨による湿気が欠かせない。畑仕事をしている人たちは、天気予報をこまめにチェックしている。行おうとしている作業に適した気温や雨などを知るのはもちろんだが、時期外れの降霜などで被害がでない対策が必要になる。
まわりの田では耕耘を終え、水が入れ始められている。田植えに向けた準備が着々と始まった。その年の田植えはいつ始めたらいいのか。最近の情報化社会では、これを知る術はたくさんある。近くに山がある農村では、山の雪げ消え始めて、出てくる雪形で田植えの時期を決めるのが言い伝えであった。高山を抱えている地方では山の名が雪形からきていることも多い。「常念坊」は雪形がお坊さんが托鉢している姿に似ているため、常念岳と名づけれている。雪型が代掻き馬に似ていることからきた白馬岳、伊那の島田髪など。鳥海山の雪形はストレートに種まき爺さんと言われている。
田植えや種まきに限らず、変化する自然の現象と大切な農作業を結び付けているものは、まだまだある。例えば
「かっこう鳴く」大豆の豆を蒔く
「ぼたん咲く」蚕の幼虫を育てはじめる
「赤とんぼ飛ぶ」麻を刈る
近年品種改良が進み、種によっては言い伝えどおりでないものはたくさんあるが、先人が経験してきたことをよく吟味してみることは大切である。
田植人光を曳きて田移りす 松村 蒼石