常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

寒露

2021年10月08日 | 日記
今日は二十四節季の寒露。朝の冷気が一段とまして、朝露は冷たい。毎日計測している血圧も、寒さにつれて少しずつ高くなっている。昨日、北海道の大雪山に冠雪が見られてと報じられた。折から千葉を震源とする震度5強の地震が発生。都電の運行が止まり、帰宅できない人が続出。それにしても地震はこのところ全国各地に見られ、3.11のような大地震が起きないことを祈る。季節の変わり目は、好天と雨天が3日ほどの間隔で交代する。登山の日が雨にあたる確率は50%。明日の山行はそこに当って中止。スマホ習熟の時間ができた。

あはれてふ言の葉ごとにおく露は
 昔を恋ふる涙なりけり (古今和歌集・940)

あはれという言葉は秋にこそふさわしい。古語辞書をみると、事柄を傍ら見て賛嘆、喜びの気持ちを表す際に発する言葉であったが、次第に相手や事態に対する自分の愛情、愛惜の気持ちを表すようになり、平安時代以降は、多く悲しみやしみじみとした情感あるいは仏の慈悲を表す。つけ加えて以後、強い讃嘆を表すために、促音を入れて「あっぱれ」ともいうようになったとある。
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陶淵明 再読

2021年10月07日 | 漢詩
今朝、朝露に咲く菊の花が美しかった。新しいスマホの写真がありがたい。この花は食用菊のモッテノホカ。健康のために酒に浮かべて飲むキクではなく、茹でてお浸しにする。陶淵明の詩、『飲酒』を再読してみる。

余間居して歓び寡なく、兼ねて此頃夜已に長し。偶たま名酒あり。夕べとして飲まざる無し。影をか顧みて独り尽くし、忽焉として復た酔う。既に酔うの後、すなわち数句を題して自ら娯しむ。紙墨遂に多く、辞に詮次無し。いささか故人に命じて之を書せしめ、以って歓笑と為すのみ。(「飲酒・序」)

秋の夜長、淵明の楽しみは、酒に酔い、その上で詩を書くことであった。詩には順序や脈絡さえない。書家に詩を清書してもらい、お笑い草にした。そんな「飲酒」の連作20首。詩作の時期は陶淵明が宮仕えを止めて田園の居に帰った40歳ころ(AD404年)か、その12年後52歳とする2説がある。そのうちの一番有名な1首を読んでみる。

廬を結んで人境に有り、
而も車馬の喧しき無し
君に問う何ぞ能く爾かと、
心遠く地自から偏なり。
菊を採る東籬の下、
悠然として南山を見る。
山気 日夕に佳し、
飛鳥相與に還る。
此の中に真意有り、
弁ぜんと欲してすでに言を忘る。

以下、吉川幸次郎の解釈を掲げる。「その草庵は、過度に辺鄙なところにあったのではない。むしろにぎやかなところにあった。しかも訪問の車馬のわずらわしさはない。このにぎやかなところにいながら、どうしてこうひっそりと暮らせるのかと、そうある人が自分に問う。自分は答える、それはこころの持ち方次第。主人の心が悠遠であれば、土地も自然にへんぴになるまでさ。草庵の東のかきねあるのは、菊。するとふと目に入るのは、廬山の山容。その美しい山容は、夕方の空気の中に、いっそう美しくかすみ、鳥たちが楽しげに帰ってゆく。此の平和な美しい風景のなかにこそ、真意、宇宙の真実は把握される。もはやそれを言葉にすることはできない。」

東の籬で菊を採ったのは、その花びらを忘憂のもの、つまり盃の酒に浮かべて飲むためだ。52歳にして淵明は人生のかかる境地に達していた。悠然として立つ廬山は、淵明がいるべき場所であり、そこを目がけて帰っていく鳥は、淵明の姿の象徴でもあろう。
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進む秋

2021年10月06日 | 日記
夏の戻りとはいえ、季節はどんどん進んで10月も6日目。知人のお宅の庭でシュウメイギクが最後の輝きは放っていた。あれほど、感染者が増えていたコロナウィルスも何故か収まりを見せ、菅内閣に替わる岸田内閣が誕生した。同じ自民党の内閣で評判の悪い菅さんを変えて、岸田さんの登場だ。新内閣の支持率はわずかに50%を切る48%と出た。10月31日に設定された総選挙まで、何が起こりどんな結果がでるか。予想は難しい。

スマホ騒動は一段落。アプリもほぼ復旧し、スマホのある生活は日常を取り戻した。これを機会に、4つのカメラを搭載した端末の使いこなしが当面の目標になる。ズームやワイド、迫力ある動画など使いなれるまでには時間がかかる。紅葉の季節は、高山では終り、里へと下りてくる。スマホ生活は、足を外に運んでこそ豊かになる。ベランダで最後まで咲き続けるバジルを撮ってみた。白い花も捨てがたい。

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スマホ騒動

2021年10月05日 | 日記
突然やってくるのはスマホロス。そろそろ機種やキャリアやサービスなど見直しの時期と思っていた矢先のことだ。スマホ片手に駐車場で荷物の積み下ろしをしていると、手からするりと落ちて、アスファルトに落下。運の悪いことに、カバーが開きモニター面が直にアスファルトに当ってしまった。見ればガラス面が細かく傷つき、割れが四方に広がっている。目では分かるが、手で触れても傷は確認できない。傷はできてもそのまま使えるので、修理に出さずに新しいものに交換をと考え、キャリア選びや格安の端末のセールなどを調べる毎日。

自分のような貧乏な高齢者が選ぶキャリアは格安スマホ。従来使っていた楽天が通話の音に雑音が入ったり、聞こえが悪いと言われていたので、乗り換えたキャリアアはNtt系のOCNモバイルone。端末はAQUOSのsense4。セール中のため、端末の負担が軽い。新しい買い物には期待感が膨らむ。しかし、格安スマホは全て自己責任で完結させねばならない。MNPの予約番号の取得から始まって、機種やサービスの選定、支払いカードの登録まで。馴れない作業で時間ばかりが取られる。ようやく申し込みが完了し、ラインの引継ぎの準備をし終わった時だ。突然、動いていたスマホが起動しない。電源が落ちて、一切の反応が無くなってしまった。多分、落下した時の影響が出てきたとは思うが、そろそろ捨てられるのをスマホが察知したような気もする。

ところが困ったのは従来のスマホが稼働しなくなって、届いたSimを端末に挿入すればセッティングが可能か不安がつのる。そこで気がついたのが、格安スマホの販売とセッティングサービスをしてくれるゲオの存在。一行程1100円で行ってくれる。MNPの開通とデータの移行、ラインの設定の3行程で2750円。完了まで2時間ほどかかった。スマホで使っているアプリは70個ほど。データは移行しても、全て元通りとはいかない。ペイペイやドコモポイント、ラインぺいなどは、もう一度アカウントにログインしなければ使えない機能も多い。スマホがこれほど生活にふかく関わっていることを改めて思い知った。あと大きいのはスマートウォッチのペアリングだ。これから時間をかけてとりくまなければならない。写真の写りは思いのほかいいようだ。これくらい鮮明であれば、重いデジカメを山に持参せずとも、いい写真が撮れそうだ。
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あづきバー

2021年10月04日 | 日記
今日の予想気温が28℃、明日が27℃。10月にしては、暑さのぶり返しである。もう今シーズン、あずきバーを食べる最後のチャンスと思って買ってきた。思えば、今年のコロナの感染が拡大する夏を乗り切れたのは、このあずきバーのおかげと言って過言ではない。別にあずきバーの宣伝をするつもりはない。しかし、普通に暑くなって真っ先に食べたくなるのがこれだ。アイスキャンディーは、子どもの頃から馴れ親しんだ氷菓だ。妻など、皮を剥いたバナナに割りばしを刺し、冷凍庫でバナナアイスを楽しんでいる。庶民が愛したアイスバーなのだ。

久しぶりに訪れた東京の娘の部屋から、東海林さだおの『ホルモン焼きの丸かじり』という文庫本を見つけて、掠めてきた。うれしいことにその最終章は「あずきバーをアイス」という一項で締めくくっている。「秋は灯火親しむ候。夏は氷菓親しむ候。」という軽妙な語り口でこのアイスバーを語っている。作者の食べ方は変わっている。棒が邪魔なので、抜き取って小皿に入れて、デザート風にしたり、齧らないで最後まで舐めつくす。そんな食べ方は信じられないが、それほど筆者はこの氷菓が好きなのだ。かく書く、私も暑い日には欠くことのできない一品である。
コメント (1)
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