ねことわたしのやわらかな日々

17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。

母と戦争

2015年08月16日 17時56分00秒 | ねこ
終戦の日に実家のお墓参りしたあと、
母に改めて戦時中の話を聞きました。
前にもざくっと聞いたことはあったけれど
9歳で終戦を迎えた母の暮らしが知りたくて。

ところが、母の実家は専業農家で、
母親(私の祖母)の実家は
おせんべいなど焼いて売るお菓子屋さん。
戦時中も、麦を混ぜたとはいえ、
白いお米のご飯やおせんべいを食べ、
ひもじい思いをしたことはないのだとか。

(鎮魂の思いをこめて)

だいたい母の実家は「ド」が付く田舎で
B29が飛んでも、素通りするばかり。
山の向こうの、私の高校のあった街が
空襲にあって空が真っ赤に染まるのを
遠くの花火を見るように眺めたという。

一番上のお兄さんが出征したり、
隣の小学校が兵隊さんでいっぱいになり
校庭が畑になったりはしたものの
末っ子の母にとって「戦争」は
それくらい遠くのものだったのだろう。
少女らしい少女時代を過ごせただけでも
かなり恵まれたことだったのだろうな。

今、わたしの住む西宮や神戸は
野阪昭如の「火垂るの墓」の舞台。
激しい空襲で節子ちゃんのような、
多くのいのちが失われたところ。
同じ戦争でも、こんなにも違うとは。
その西宮に住むわたしとしては、
それはそれで結構胸に迫るものがある。

8月はテレビも戦争特集が多くて、
戦争について考える機会が増えるけど
だからと言って、「飽きる」ことなく
またかとばかりに「流す」ことなく、
やっぱり戦争について考えてゆきたい。
ちょっと拍子抜けするような
のんきな母の戦争体験も聞けて良かった。
ただ、父の話が聞けなかったことが
今となっては、心残りだけれど。
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