ねことわたしのやわらかな日々

17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。

幻想などではなく

2008年12月28日 14時32分59秒 | 音楽・アート
昨日は年末最後の行事として心待ちにしていた
「佐渡裕の21世紀の第九」の日。
ビルの谷間に突然現れる、
シンフォニーホール前のこの並木道は
こころ躍る舞台へといざなっているよう。



去年は2階のサイドボックスでしたが、
今年は頑張って1階ののセンターブロックで。
音の良さで有名なシンフォニーホールで
佐渡さんの良く見える席で
またあの最高の第九にひたれると思うだけで
わくわくしてきます。



至福、としか表現のしようがない演奏。
オーケストラの迫力も、繊細さも、キレのよさも
色彩の豊かさも、音のつややかさも、
やっぱり私たちの時とは全然違うなあ。
音響が違うというのもあるけど、
オーケストラ自体の格が違うと言わざるを得ないかも。

そして更に圧倒的な格の違いは、合唱。
やっぱり素人のわたしたちが
いくら素人なりのベストを尽くしたところで
研ぎ澄まされたプロの合唱団の
精緻で、繊細、柔らかにして大迫力の合唱とは
到底比較にならない、というのは当たり前だけど、
むしろ、まったく別物なのでしょう。

「21世紀の第九」が音楽が成し得る最も偉大な
崇高で壮大なるもの表現だとすれば、
「1万人の第九」はこの交響曲が発する万人へのメッセージを
市民が、体現しようとするものなのではないかと。

「1万人の第九」では「踊る阿呆」になったわたしも
「21世紀の第九」では「見る阿呆」になって。
磨き上げられた素晴らしい歓喜の世界に
全身をひたしていると
世界というものがこの上なく美しく
喜びに満ちたものに思われてくる。
それが一時の幻想ではないと信じる力さえ
第九は与えてくれるように思えるのです。

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