ねことわたしのやわらかな日々

17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。

萩尾望都SF原画展

2017年09月24日 17時49分00秒 | 趣味
休日にポートライナーで海を渡って、
神戸ゆかりの美術館で開催されている
萩尾望都さんのSF原画展へ行きました。
会場に着く前からウキウキ気分全開。



入り口で出迎えてくれたのは
「百億の昼と千億の夜」の阿修羅と
「スター・レッド」のレッド・セイ。
中学生頃の多感な少女だった私が
心の奥底から、一気によみがえる。



萩尾望都さんの作品は70-80年代頃の
比較的初期の作品が好きで
「百億の昼」も「レッド」もギリギリ。
この頃から次第に絵のタッチも物語も
少女漫画的な繊細で豊かな抒情性から、
よりユニセックスなSFへとシフトしていったから。

「百億の昼」なんて原作は光瀬龍さん。
この阿修羅のタッチもそうだけど
当時の少女漫画の範疇からは逸脱気味。
でもまだ微かに残る抒情性が好きだった。
「銀の三角」「マージナル」あたりが
萩尾望都さんとの蜜月の終焉だったかも。

(出口にはゆらめく炎の中に立つ阿修羅)

初期の頃の展示作品を見ながら
あの頃はこういう女性に憧れてたのに
結局私は私にしかなれなかったな、と
切なく昔の夢を思い出したり。

中期以降の展示作品を見ながら
ポーの一族」や「トーマの心臓」など
わたしの大好きだった作品世界から
萩尾作品が次第に離れ始めた頃の寂しさが
これまた切なく思い出されたり。

別れた昔の恋人と再会し、涙しながらも
あの頃の自分たちはもうどこにもいないことを
改めて感じざるを得なかった・・・そんな気分。
だから思い出って、いつも甘くてほろ苦い。
でもそんな思い出がわたしは愛おしいし、
これからもずっと胸に温めていたいと思います。
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