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ついに待ちに待った祇園祭の山鉾巡行の日になりました。
9時に四条通の「長刀鉾」から、順次、全32基の山鉾が
、次々に四条通、河原町通、御池通を巡行します。
昨日、巡行を見物する絶好の穴場スポットを教わったミモロ。
朝早く起きて、四条通には8時前に到着。
張り切ってますね。
先頭を進む「長刀鉾」の準備は、すでにかなり進んでいます。
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鉾は、すでに飾りで美しく彩られ、凛とした品格ある姿で、
やがて始まる祭事の時を静かに待つ、しばしの静寂のひとときです。
「堂々として、すごく品格が漂っているねぇ。見惚れちゃう・・・・。
おっと、ここで時間を使っちゃダメ!急いで新町通に行かなくちゃ・・・・」
鉾の美しさに心奪われていたミモロ、やっと我に帰り、四条通を西に向かい急ぎます。
ミモロが目指す新町通は、「放下鉾」をはじめ、全部で5つの大きな山鉾の辻回しが見られる場所。
そこに立つ山鉾の巡行は、後半なので遅め。
到着した時は、まだ準備中でした。
鉾の大きな車輪は、木を削り組み合わせたもの。
4つの車輪に、山鉾の重量8トン以上がかかります。
振動を吸収するサスペンションもなく、すべての重さが、直接車軸へと伝わります。
軸受には、車輪の回転をスムーズにするボールベアリングもなさそうので、
車輪の回転による車軸との摩擦は相当なものと想像できます。
「すごい音がするんやー」と作業を見守る方も。
そこでグリースを大量に軸に塗り、滑りをよくするのです。
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「わー。ニョロニョロとチューブからいっぱいのグリースが絞り出され、軸の上にのせてるー」
ミモロは、その作業を興味津々で見守っています。
車輪は、山鉾の下をとおる車軸に設置されるため、
自動車のように前輪を思う方向に動かすことができません。
そこで行われるのが、有名な辻廻し。
交差点で山鉾の方向を変える人力による作業で、
多くの人が力を合わせて行う、山鉾巡行の見所のひとつです。
辻廻しの作業に欠かせない道具が、細く切り揃えられた竹。その上に鉾の車輪を乗せて、
方向を変えるのです。
山鉾の下にその準備がなされています。
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「あ、屋根に人が上がった、もうすぐ動き出すのかな?」
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「あの屋根の上からの眺めっていいんだろうなぁ」と、うらやましいそうに見上げます。
屋根の上の人の役割は、進む山鉾のバランスをとること。
また、狭い通りを進むとき、家やビルに山鉾が接触しないように、
見守るとともに、接触しそうになったら、押して、山鉾を放すそうです。
ビルや家の屋根が迫った狭い通りを大きな山鉾が進む様は、どんなでしょう。
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やがて、人が通りを埋めるほど集まった時分に、
お囃子の鐘と笛の音と共に、
大きな山鉾が、通りの幅いっぱいに進んできます。
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「わースゴイ!こうしてみると、迫力満点。止まっているときより、いっそう大きく感じるね」
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ミモロのすぐ横を通り過ぎた鉾は、四条通を越えて反対側まで、いっきに引手が進みます。
鉾が、四条通の中央に来たとき、いよいよ辻廻しが始まります。
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細く切り揃えられた竹を、車輪の下に敷くように、路上に並べてゆきます。
さらに水をかけて、滑りをよくします。
竹の上に車輪がのった時、鉾の上の人の掛け声に合わせて、
引手の人たちがいっきに、綱を引き、鉾の方向を変えるのです。
「全部、人力なんだねー。竹の表面はツルツルだから、滑りやすくなるんだね。
8トン以上のものを動かせるって、考えると、人の力ってスゴイねぇ」
とミモロは、その作業に、ただただ感心しきり。
「わー、船鉾もやってきた!」
反対側の道からは、大きな船の形の鉾が、しずしずと近づいて来ました。
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「スゴイ迫力!あんな大きな船が、陸を進むなんて信じられない!ワーワー」
ミモロの興奮も最高潮に。
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「船鉾」の辻廻しは、なかなか大変。何しろ長さがありますから・・・。
「辻廻し、いっぱい見ちゃった。もう大満足!」
四条通を八坂神社方向に、列をなし進む山鉾の姿を、通りの中ほどで見送るミモロです。
「昔からの変わらぬ夏の景色なんだろうねぇ。いいもんだねぇ・・・京都だねぇ・・・」と
すっかりその情緒に浸っているミモロです。
と、その時、「ここは、歩行者天国ではありませんから、早く舗道にあがってくださーい」という
警察官の声に、現実にもどされます。
「ギャー、車に引かれちゃう・・・・もう、ゆっくり情緒にひたる暇もないんだから・・・」
歴史的風情と現実が、交差する四条通でした。