ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

ミモロもびっくり!大迫力の祇園祭の山鉾の辻廻し。ギャー鉾が迫って来るー

2011-07-21 | 旅行

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ついに待ちに待った祇園祭の山鉾巡行の日になりました。
9時に四条通の「長刀鉾」から、順次、全32基の山鉾が
、次々に四条通、河原町通、御池通を巡行します。

昨日、巡行を見物する絶好の穴場スポットを教わったミモロ。
朝早く起きて、四条通には8時前に到着。
張り切ってますね。

先頭を進む「長刀鉾」の準備は、すでにかなり進んでいます。

鉾は、すでに飾りで美しく彩られ、凛とした品格ある姿で、
やがて始まる祭事の時を静かに待つ、しばしの静寂のひとときです。

「堂々として、すごく品格が漂っているねぇ。見惚れちゃう・・・・。
おっと、ここで時間を使っちゃダメ!急いで新町通に行かなくちゃ・・・・」
鉾の美しさに心奪われていたミモロ、やっと我に帰り、四条通を西に向かい急ぎます。


ミモロが目指す新町通は、「放下鉾」をはじめ、全部で5つの大きな山鉾の辻回しが見られる場所。

そこに立つ山鉾の巡行は、後半なので遅め。
到着した時は、まだ準備中でした。



鉾の大きな車輪は、木を削り組み合わせたもの。
4つの車輪に、山鉾の重量8トン以上がかかります。
振動を吸収するサスペンションもなく、すべての重さが、直接車軸へと伝わります。

軸受には、車輪の回転をスムーズにするボールベアリングもなさそうので、
車輪の回転による車軸との摩擦は相当なものと想像できます。

「すごい音がするんやー」と作業を見守る方も。

そこでグリースを大量に軸に塗り、滑りをよくするのです。


「わー。ニョロニョロとチューブからいっぱいのグリースが絞り出され、軸の上にのせてるー」
ミモロは、その作業を興味津々で見守っています。

車輪は、山鉾の下をとおる車軸に設置されるため、
自動車のように前輪を思う方向に動かすことができません。

そこで行われるのが、有名な辻廻し。
交差点で山鉾の方向を変える人力による作業で、
多くの人が力を合わせて行う、山鉾巡行の見所のひとつです。

辻廻しの作業に欠かせない道具が、細く切り揃えられた竹。その上に鉾の車輪を乗せて、
方向を変えるのです。
山鉾の下にその準備がなされています。


「あ、屋根に人が上がった、もうすぐ動き出すのかな?」

「あの屋根の上からの眺めっていいんだろうなぁ」と、うらやましいそうに見上げます。
屋根の上の人の役割は、進む山鉾のバランスをとること。
また、狭い通りを進むとき、家やビルに山鉾が接触しないように、
見守るとともに、接触しそうになったら、押して、山鉾を放すそうです。


ビルや家の屋根が迫った狭い通りを大きな山鉾が進む様は、どんなでしょう。「ドキドキしちゃう・・・」もうミモロは、楽しみでなりません。


やがて、人が通りを埋めるほど集まった時分に、
お囃子の鐘と笛の音と共に、
大きな山鉾が、通りの幅いっぱいに進んできます。

「わースゴイ!こうしてみると、迫力満点。止まっているときより、いっそう大きく感じるね」

ミモロのすぐ横を通り過ぎた鉾は、四条通を越えて反対側まで、いっきに引手が進みます。


鉾が、四条通の中央に来たとき、いよいよ辻廻しが始まります。


細く切り揃えられた竹を、車輪の下に敷くように、路上に並べてゆきます。
さらに水をかけて、滑りをよくします。

竹の上に車輪がのった時、鉾の上の人の掛け声に合わせて、
引手の人たちがいっきに、綱を引き、鉾の方向を変えるのです。

「全部、人力なんだねー。竹の表面はツルツルだから、滑りやすくなるんだね。
8トン以上のものを動かせるって、考えると、人の力ってスゴイねぇ」
とミモロは、その作業に、ただただ感心しきり。

「わー、船鉾もやってきた!」
反対側の道からは、大きな船の形の鉾が、しずしずと近づいて来ました。


「スゴイ迫力!あんな大きな船が、陸を進むなんて信じられない!ワーワー」
ミモロの興奮も最高潮に。


「船鉾」の辻廻しは、なかなか大変。何しろ長さがありますから・・・。

「辻廻し、いっぱい見ちゃった。もう大満足!」

四条通を八坂神社方向に、列をなし進む山鉾の姿を、通りの中ほどで見送るミモロです。

「昔からの変わらぬ夏の景色なんだろうねぇ。いいもんだねぇ・・・京都だねぇ・・・」と
すっかりその情緒に浸っているミモロです。

と、その時、「ここは、歩行者天国ではありませんから、早く舗道にあがってくださーい」という
警察官の声に、現実にもどされます。
「ギャー、車に引かれちゃう・・・・もう、ゆっくり情緒にひたる暇もないんだから・・・」

歴史的風情と現実が、交差する四条通でした。









コメント (2)
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