今出川通と河原町通が交わる場所にあるのが「出町桝形商店街」。下賀茂神社に出掛けたミモロは、その帰り道に足を伸ばし、鴨川かかる葵橋をわたり、道沿いに南へと少し歩きます。

「ここには、商店街があるから、夕ご飯の材料を買って帰ろう…」と、ミモロもすっかり地元民。
この辺りの出町柳は、福井県の小浜から京都へと鯖を運んだ鯖街道の終点に当たります。高野川と賀茂川が合流し、鴨川となるエリアで、近くには、鞍馬方向へと走る叡山電鉄叡山本線の始発駅である「出町柳駅」が。
河原町通から寺町通まで、東西に164メートル続くアーケードの「出町桝形商店街」は、近隣の人たちの生活に密着したお店が並ぶ、まさに地元の商店街。
「八百屋さん、肉屋さん、お花屋さん…あ!」とミモロが足を止めたのは、「ふじや鰹節店」です。


創業以来、数十年にわたり、地元の人に愛され続けた乾物屋さん。
店先には、丹波大納言や大豆をはじめ、いろいろな種類の豆が積まれています。


乾物の中でも、このお店が特にこだわっているのは、京料理の味を左右するダシの材料である昆布と鰹節。
大きくてりっぱな昆布が、種類豊富に揃っています。

天然ものだけを扱い羅臼、日高、稚内など北海道産の昆布が、いろいろと。
「わーいい匂いがするー」とミモロが夢中なのは、鰹節。やはりネコですね。
このお店では、今やなかなかお目に掛れなくなった鰹節がずらり。

ここで扱うのは、鹿児島県枕崎で水揚げされた鰹を、職人さんが丁寧に仕上げた地形節とよばれるもの。

もっとも硬い食品と言われる鰹節。独特の透明感のある小豆色。本物ならではの色合いです。

ここでは、店内にある鰹節削り器で削ったフレッシュな鰹節を袋詰めで購入できます。

店内に漂う鰹節の匂い…
「あーいい匂りー、たまらない…フー」とミモロは、その香りにうっとり。
そんなミモロの様子を見ていたご主人の藤井英蔵さん。

昔は一家に一台あった鰹節削り。でも今は、めったに見ることはありません。さっそくミモロは、鰹節削りに挑戦。

大好きな鰹節を握ったミモロ。真剣に鰹節を動かします。「あーいい匂い、美味しそう…」削っている鰹節に齧りつきそうなミモロです。

鰹節削り器の下の引き出しを開けると、ふんわりとした鰹けずりが…。

「ホント?」そういうと、ミモロは、削りたての鰹節を急いで口に。「やっぱり本節の鰹けずりの味は、違うね…香りといい、味といい、濃厚な気がする…やっぱり鰹節はこうでなくちゃ…」さすがネコ、鰹節には、うるさいミモロです。
京料理の味は、ダシで決まるといっていいほど、料理人が大切にするダシ。その材料の昆布や鰹節にも、こだわりが。このお店には、一流の料理屋さんも使う品が並びます。
「あのーいつも袋詰めの鰹節を買うと、使い終わる前に、味が落ちて、美味しくなくなっちゃうんですけど…どうしたら、いいですか?」と、ミモロにとっては、重大な悩みです。
「袋を開封した後は、冷凍庫にいれてください。そうすればいい味が保てますよ」「なるほど、冷凍庫ね…」
でも、できるだけ早めに使い切りましょう。
「やっぱりダシは、良質の昆布と鰹節で取るのがベストです。ちょっと手間がかかるかもしれないけど、馴れたら簡単…料理の基本ですね。ここには、日本の味を愛する海外のお客さんも大勢いらっしゃるんですよ。また料理によって鰹節を使い分けるといいですね」とご主人。ダシの取り方や、鰹節選びなど、お店でいろいろ教えてもらえます。
「ふじや鰹節店」では、通販もやっていて、インターネットでも購入可能です。
「白いご飯にお醤油を掛けた鰹節…あー、卵掛けご飯もいいなぁー」と、ミモロは想像は膨らみます。

シンプルなものほど、素材の味が美味しさを左右するもの。ぜひ、ご家庭でも本物の味をお楽しみください。
*「ふじや鰹節店」京都市上京区桝形通寺町東入ル三栄町63 電話075-231-1283 営業時間:10:00~18:00 水曜休み 通販など詳しい情報は、ホームページで。

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