ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

皐月の風を駆ける馬。上賀茂神社の「賀茂競馬(かもくらべうま)」足汰式へ

2012-05-07 | 歴史・史跡

いろいろな祭事やイベントが、目白押しの5月上旬。立夏にあたる5月5日前後から、7月の祇園祭に向けて、いよいよ本格的に夏の祭事が各所で始まります。今年も猛暑が予想され、関西では電力不足が懸念される中、ミモロも「健康維持を願い、いろいろな場所で行われるお清めの神事に行かなくっちゃ!」と意欲満々。でも、あまりにたくさん祭事があって、どれに行くのか、とても悩んでしまいます。


そんな5月1日に、ミモロがやってきたのは、すでに何度も訪れている「上賀茂神社」。「ここに来ると、気持ちが清らかになる気がする…」というミモロお気に入りのパワースポットのひとつです。

この日は、5日に開催される「賀茂競馬」の予備的な行事「足汰式(あしぞろえしき)」が行われます。(*競馬は、「けいば」ではなく「くらべうま」と呼びます。なんか上品な響き…)これは、出場する馬をまず1頭ずつ走らせ、と乗尻(のりじり)=騎手の乗り具合や馬の脚の速さによって、5日に2頭だてで走る馬の組み合わせを決めるという儀式です。

ミモロは、一の鳥居から二の鳥居方向へ、一直線に続く馬場の脇から、その様子を見つめます。

そもそも上賀茂神社の御祭神、賀茂別雷大神を喜ばせ、鎮めるために馬を走らせ、人々の平穏な生活を願った神事が始まりの「賀茂競馬」。その基礎は、鎌倉時代に確立されたそう。今も、古儀のまま踏襲され、日本を代表する儀式競馬として、京都市登録無形民俗文化財の指定も受けています。

この日、儀式で出走する馬は、12頭。もともと競馬料所の荘園から清い馬(野生馬)を1頭ずつ奉納したことから、現在も、馬は、荘園の名を負っています。出走馬の中でも、1番最初に走る馬は、特別なもので、馬装も一番豪華です。



実は、蠅が止まっても、嫌がる馬にとっては、この豪華な馬装はとても気になるしろもの。首やお尻のまわりのピラピラした飾りが、心地悪いそう。それを慣れさせるのも大変とか。また、儀式で使われる鞍や鐙(あぶみ)は、日本の昔ながらのもの。現在、乗馬で使われる鞍は、これよりも大きく、また鐙も足の乗りがよく、馬をコントロールしやすいようになっています。
「この馬装で、馬を全速で走らせるのって、すごく大変だよねー。馬上のバランスをとるのもむずかしいし、第一、走る馬を止めるのが大変…」と乗馬経験のあるミモロ。
乗馬技術が足りないと、走り出した馬は、ゴールを過ぎても、馬場の奥の方まで、疾走してしまいます。かつて、こういう儀式に使われた馬は、もちろん小型の日本馬で、現在のような大きなサラブレッドではありません。ですから、そのパワーも昔よりスゴイんです。

さて、競馬を行う馬場には、乗尻が馬を走らせるのに目標とするものが、馬場の脇にあります。スタート地点には、「馬出しの桜」 馬上の姿を整える「見返りの桐」中間地点には、馬を加速させる「鞭打の桜」そして、ゴールとなる地点の「勝負の楓」を目指し走ります。

勝負を決めるのは、わずか100メートルほどの距離しかなく、馬にとっては、やっとスピードに乗ってきたという頃に、終わってしまう感じ。(ちょっとかわいそう…出だし勝負です)

「もうすぐ見えるかな?」とミモロは、柵から身を乗り出して、スタート方向を見つめます。

観客のすぐ目の前を馬が、飛ぶように駆け抜けると、周囲から大きな歓声が。


「あーミモロも馬に乗りたい…」京都に来てから、馬に乗っていないミモロは、御殿場の林を馬で駆け抜けた爽快感が恋しいよう。

この日、走りたいと思ったのはミモロだけでなく、実は、神馬舎にいた白い神馬も、周囲の様子に興奮気味に。急遽、外に連れ出されるハプニングも。
「神馬さんの気持ちよくわかる…走りたくなっちゃうよね」と。


今年、乗尻としてデビューした中学生。清々しい若き乗尻ぶりが際立ちます。


本番となる5月5日の「賀茂競馬」では、乗尻の装束も雅なものに。

走り終えた馬は、境内の一角でひと休み。

「あ、もうすぐ葵祭だねー。なんか1年すごく早く過ぎた気がする…」
5月15日の葵祭。そう1年前、それを見たくて、ミモロは、行列を追いかけました。「今年は、どこで見ようかな?」と思うミモロです


*「上賀茂神社」の詳しい情報はホームページで。

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