奈良の「れんじょう寺」で、秘仏の美しい阿弥陀如来様にお目に掛ったミモロ。少し奈良の町を散策することに。地図を見ると、「れんじょう寺」のあるのは、奈良の町の南。「えーっと、東大寺は、ここから真北方向になるんだー。ちょっと歩いてゆくには、遠そう…。あれ、もしかして、東方向の新薬師寺なら、歩けるかも…」と、ミモロは、地図を見ながら、東へとトコトコと歩き始めました。
新薬師寺方向へは、なだらかな坂道が続きます。土塀などが続く、落ち着いた雰囲気の住宅地は、奈良らしい風情漂っています。
途中、大きなお地蔵様がいらっしゃる「福智院」に参拝したりしながら、やっと「新薬師寺」に到着。
天平19年(747)に、光明皇后が、夫の聖武天皇の病気平癒を祈願して創建された「新薬師寺」。いつ訪れても、心鎮まるお寺です。
御本尊の大きな瞳が印象的な薬師如来坐像と、それをお守りする十二神将立像(いずれも国宝)に、久しぶりに対面しました。本堂も奈良時代の建築で、国宝です。
「ねぇ、病気平癒をお願いするためって、言うけど…お寺を建てるには、それなりの時間がかかるでしょ。できる前に、病気治っちゃうんじゃないの?」と、ミモロ。
聖武天皇は、もともとお体がそれほど丈夫ではなく、またとても繊細な方で、精神的にも不安定になりやすかたと言われています。きっとそんなご主人を心配なさったのでは…。今のように治療ができない昔は、そう簡単に病気は、治らなかったのでは…。
仏像を見ると、現代のようにさまざまな情報や病気の治療方法もない昔、祈るという意味の大きさを感じます。もちろん現代社会にも、多くの不安要素はありますが、知って不安になるのと、知らない不安は、どこか質が違うのでは。昔は、明日のこともわからない…病気になったら、それこそ命に係わる状況にも…。すがるものは、神や仏…仏像に対する姿勢は、全く今の私たちとは違っていたのだと…。天変地異や戦乱など、寺が破壊されたり、火災に見舞われた時、本堂など建物は焼け落ちても、仏像だけは、残っているケースはよく見られます。それは、祈りをささげる人たちが、きっと命がけで、仏像を守ったから。今、私たちが、仏像に会えるのは、そういう名もない人たちの御かげなのだと、古い仏像を見て思います。
さて、「新薬師寺」での参拝を終えたミモロは、「なんか喉渇いたー。どこかでひと休みしたいよー」と。
そこで、奈良駅への帰り道に当たる「奈良ホテル」に寄ることに…。
「あ、鹿さんがいるよー」と、そっと近づこうとするミモロです。奈良の町では、よく鹿に出会います。以前は、商店街をお散歩している鹿にも出会いました。
ここ「奈良ホテル」は、箱根の「富士屋ホテル」、日光の「金谷ホテル」、軽井沢の「万平ホテル」などと同様に日本のホテルの草分け的存在。今は、クラシックホテルと呼ばれますが、できた当時は、時代の最先端のオシャレでモダンなホテルです。
明治42年(1909)に関西の迎賓館として創業。日本建築の美しさと、西洋建築のモダンさを融合した和洋折衷の趣が、今も訪れる人の心を和ませます。訪れたゲストには、アインシュタイン、エドワード8世、チャップリン、ヘレン・ケラー、オードリー・ヘップバーンなど、海外の有名人も多数。日本の皇室の方々も、よく利用されています。
さっそくミモロも、ホテルの中へ。
正面には、2階の客室へと続く階段が。
「レッドカーペットだねー」とミモロ。
そっちは客室だから、宿泊客だけよ。ティーラウンジは、あっち…。
「あ、そう…」と言うと、周囲の緑が迫るティーラウンジへ。
「なんにしようかな?」と、まずはメニューをチェック。
「あのーケーキセットお願いします。飲み物は、紅茶にしてください」と注文します。
やがて、ミモロの前には、ケーキをのせたトレイが。「どれに、なさいますか?」
「わー全部美味しそう…どれにしようかな?」と、いつものように迷うミモロです。
ミモロが選んだのは、大好物の苺がいっぱいのストロベリータルト。
「美味しそう…」じっと見つめるミモロです。
「紅茶は、しばらくしたら、ポットを立てて、注いでください。濃くなり過ぎないように、斜めにするといいですよ」とホテルの方。
「なんか不思議な形のポット…」とミモロは、興味津々。
新緑を眺めながらのティータイム…「いつ来ても、ここはのんびりしていいねぇー」と。
周囲の景色を見るよりも、今は、目の前のケーキに夢中のミモロです。
「奈良ホテル」でひと休みしたミモロは、帰りは近鉄奈良駅から特急に乗って、京都へと戻ります。
車窓からは、平城宮跡にある朱雀門の姿が。
「あー楽しかった…」と、乗り物好きのミモロは、京都に着くまで、窓の外の景色を眺めていました。
*「奈良ホテル」の詳しい情報は、ホームページで。
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