5月9日まで、京都四条通沿い「SHIPS京都店」の2階、「ギャラリーKURA」で作品展を開催中の染師・大倉下和彦(タカクラ カズヒコ)さん。
伝統の染めの技術を独自の感性で、表現したスニーカーやTシャツが注目を浴びています。
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「よかったら、工房見に来たら…」とのお言葉に、即「伺います!」とお返事したミモロは、作品展の制作に忙しい大倉下和彦さんの工房にお邪魔することに…。
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工房があるのは、京都の町中から、約100キロの車で約2時間ほどかかる、京都府北部、天橋立などの名所で知られる丹後です。昔から、丹後は、上質のちりめんの産地。西陣の京友禅の生地が作られる所。京都からは、高速道路で。一部まだ未完成ながら、近々、高速道路が京都市内から繋がれば、グッと近い場所になるはず…。
昼近く、大倉下和彦さんの工房に到着したミモロ。「いらっしゃい!」
と笑顔に迎えられ、さっそく工房の中の見学に。
古くから丹後にある大倉下家は、約300年前、造り酒屋だったそう。その後、明治から当時、時代の先駆けの丹後ちりめんの製糸、織物業に移行します。平成2年から染色事業へ乗り出すことに。
現在、工房として使われているのは、木造2階建ての大きくて、古い建物。ここは、もともと大倉下さんのお父様が、ちりめんの製造をしていた所だそう。
建物の中には、当時、盛んにちりめんが製造されていたことを物語るものがいろいろ。
「わー広ーい!2階…」ここでは、かつて蚕が飼われ、生糸を作ったり、そのための多くの機械が並んでいたそう。手を伸ばせば、届く高さに作業に使われた棒が何本も渡っています。「わ、これブランコみたい…」棒に下がった道具で遊ぶミモロです。
冬は雪が積もる丹後地方。瓦屋根は、古くても、しっかりとした造りです。
さて、1階は、今は染めの作業所に。
染めに使う染料が、出番を待っています。
「ところで、染めの作業はいつするんですか?」とミモロ。作業が見学できるかと思っていたところ…「あのね、作業は、夜中にするんです」と大倉下さん。「えー真夜中?こんな広い場所で、ひとりでいて怖くない?」「そうですね。動物の声がしたり、なんか動く気配がするけど…制作に集中できるんで…」と。
作業が見られないくて、ちょっとがっかりしたミモロですが、工房の中には、ミモロが興味惹かれるものが、ほかにもいろいろとありました。
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「このかまどは、なあに?」
「それは、製糸業を営んでいた時、職人さんたちの食事を作ったところ」大勢の職人さんが寝泊まりしながら、作業をした当時が想像できる遺物です。
高い天井の梁や屋根の裏側の部分が、なんか素敵…
「あ、これなあに?」
丸い金具が並んで、ちょっとかわいい感じ。「それは、糸を掛ける道具…。そんなもの面白いですか?」とミモロの興味を持つものが、不思議そうな大倉下さん。
「わーなんかドーナツみたい…」
次にミモロが興味を持ったのは、陶器でできたドーナツ状のもの。工房のいろいろな場所に見られたものです。
実は、これは重り。糸をつくるのに使うものだそう。「これカワイイ…こんなにたくさんあるのに使わないのは、勿体ない!」とミモロ。「あ、それを染めて、実はペーパーウェイトを作ったんですよ」と大倉下さん。
なんかおしゃれな感じ…。
「ブレスレットにもなるよー。これしてると、腕が鍛えられるかも…」
ミモロ、使い方間違ってますよ・・・・。
工房の敷地の中を歩くと、高い煙突が。
この煙突は、昔、焼酎を作っていた時の名残りだとか…。「ここの場所でいろいろなモノづくりがされてたんだねー」
現在、丹後地方の多くの製糸、織物は、中国など海外の安い製品に押され気味。明治から昭和にかけての繁栄ぶりは、影をひそめています。「もっとこの地域のものづくりを活性化したい…」と思う大倉下さん。生まれた時から、毎日、糸繰りや織機の音を聞き、絹糸が織物へと変わる様子を見ながら育ったそう。「自分にできることは、なんだろう?」と思っていた大倉下さんが、手がけたのは、布にさまざまな個性と表情をもたらす「染め」。染めと織りの基礎を学び、ついに自分のブランド「高蔵染」を立ち上げたのは2004年のこと。国内だけでなく、海外からも注目される作品です。
*「高蔵染」に関しての、詳しい情報は、こちらから。
グーと、当然、静かな景色の中に響く音。「ミモロちゃん、お腹空いたよねー」「うん…」と言いながら、恥ずかしそうにお腹を押さえます。
大倉下さんは、ミモロを伴ってご自宅へ向かいます。おうちには、なんとお母様手づくりのチラシ寿司などが用意されていました。
「遠慮なく食べてくださいね」とやさしく微笑むご両親。
「キャー感激!いただきまーす!」と嬉しそう食べるミモロです。
お腹がいっぱいになり、やっと周囲を見渡す余裕が生まれたミモロは、奥のお座敷を覗きます。
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「わーりっぱな五月飾り…今も、こういう風に飾るおうちがあるんだねー」と、東京育ちのミモロは、今まで五月飾りのあるお座敷を見たことがありません。「さすが京都…。お節句を大切にしてるんだー」と感激の様子。
「丹後って、なんか面白そう…ものづくりもいろいろあるみたい…また、来よう…」と密かに思うミモロでした。
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伝統の染めの技術を独自の感性で、表現したスニーカーやTシャツが注目を浴びています。
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「よかったら、工房見に来たら…」とのお言葉に、即「伺います!」とお返事したミモロは、作品展の制作に忙しい大倉下和彦さんの工房にお邪魔することに…。
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工房があるのは、京都の町中から、約100キロの車で約2時間ほどかかる、京都府北部、天橋立などの名所で知られる丹後です。昔から、丹後は、上質のちりめんの産地。西陣の京友禅の生地が作られる所。京都からは、高速道路で。一部まだ未完成ながら、近々、高速道路が京都市内から繋がれば、グッと近い場所になるはず…。
昼近く、大倉下和彦さんの工房に到着したミモロ。「いらっしゃい!」
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古くから丹後にある大倉下家は、約300年前、造り酒屋だったそう。その後、明治から当時、時代の先駆けの丹後ちりめんの製糸、織物業に移行します。平成2年から染色事業へ乗り出すことに。
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冬は雪が積もる丹後地方。瓦屋根は、古くても、しっかりとした造りです。
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さて、1階は、今は染めの作業所に。
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「ところで、染めの作業はいつするんですか?」とミモロ。作業が見学できるかと思っていたところ…「あのね、作業は、夜中にするんです」と大倉下さん。「えー真夜中?こんな広い場所で、ひとりでいて怖くない?」「そうですね。動物の声がしたり、なんか動く気配がするけど…制作に集中できるんで…」と。
作業が見られないくて、ちょっとがっかりしたミモロですが、工房の中には、ミモロが興味惹かれるものが、ほかにもいろいろとありました。
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「このかまどは、なあに?」
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「それは、製糸業を営んでいた時、職人さんたちの食事を作ったところ」大勢の職人さんが寝泊まりしながら、作業をした当時が想像できる遺物です。
高い天井の梁や屋根の裏側の部分が、なんか素敵…
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「あ、これなあに?」
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「わーなんかドーナツみたい…」
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工房の敷地の中を歩くと、高い煙突が。
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この煙突は、昔、焼酎を作っていた時の名残りだとか…。「ここの場所でいろいろなモノづくりがされてたんだねー」
現在、丹後地方の多くの製糸、織物は、中国など海外の安い製品に押され気味。明治から昭和にかけての繁栄ぶりは、影をひそめています。「もっとこの地域のものづくりを活性化したい…」と思う大倉下さん。生まれた時から、毎日、糸繰りや織機の音を聞き、絹糸が織物へと変わる様子を見ながら育ったそう。「自分にできることは、なんだろう?」と思っていた大倉下さんが、手がけたのは、布にさまざまな個性と表情をもたらす「染め」。染めと織りの基礎を学び、ついに自分のブランド「高蔵染」を立ち上げたのは2004年のこと。国内だけでなく、海外からも注目される作品です。
*「高蔵染」に関しての、詳しい情報は、こちらから。
グーと、当然、静かな景色の中に響く音。「ミモロちゃん、お腹空いたよねー」「うん…」と言いながら、恥ずかしそうにお腹を押さえます。
大倉下さんは、ミモロを伴ってご自宅へ向かいます。おうちには、なんとお母様手づくりのチラシ寿司などが用意されていました。
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お腹がいっぱいになり、やっと周囲を見渡す余裕が生まれたミモロは、奥のお座敷を覗きます。
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「わーりっぱな五月飾り…今も、こういう風に飾るおうちがあるんだねー」と、東京育ちのミモロは、今まで五月飾りのあるお座敷を見たことがありません。「さすが京都…。お節句を大切にしてるんだー」と感激の様子。
「丹後って、なんか面白そう…ものづくりもいろいろあるみたい…また、来よう…」と密かに思うミモロでした。
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