ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

端午の節句。男の子の健やかな成長を願う鎧・兜飾りを見に、上京にある「安藤人形店」へ。

2012-05-03 | 京都

「もうすぐ端午の節句だねー」と、ミモロは、町を歩きながら、和菓子店に並ぶ柏餅を見ては思っています。
そこで、お雛様の時に伺った「安藤人形店」に五月人形を見に行くことに。


京都の人形店では、五月人形のシーズンは、3月のお雛祭の後から、5月5日までの約2か月。お雛様シーズンは、秋口から3月までと、長期間に及びます。

京都府庁にほど近い場所にある「安藤人形店」は、雛人形で有名なお店。ミモロが訪れた4月は、2階の展示場には、約100点ほどの五月人形が陳列されています。


「こんなにたくさんの兜や鎧、見たことない…」とミモロ。
五月人形と言われるのは、実は、大鎧と言われる兜から、胴、そして足の部分、毛履(けくつ)まで揃った鎧飾りと、頭の兜部分だけの兜飾り、そしてお人形が甲冑を身に付けた武者飾りなどが含まれます。



そもそも端午の節句の端午とは、月のはじめの午(うま)の日という意味。昔から日本では、季節の変わり目である5月は、一年の中でも、重要な月と考えられ、邪気を払う流鏑馬、競馬などの勇ましい行事が行われる月でもあります。邪気を払うものとして、古来より用いられたのが、菖蒲。平安時代には、宮中に菖蒲を献上し、それを飾る風習があったそう。

ちなみに、菖蒲(ショウブ)と一般に花を楽しむハナショウブは、全く違う科に属する別物。ショウブは、サトイモ科で、全体によい香りが。一方、ハナショウブは、アヤメ科。葉の形状が似ていることから、混同されやすいのかも…。知ってました?

また、旧暦の5月5日端午節は、今年は、6月24日。つまり夏至にあたる6月21日より後。初夏にあたる日です。
「うー旧暦と明治から導入された西洋暦で考えると、よくわかんなくなっちゃうー」とミモロ。そうなんです、旧暦の季節感と現代のものとは、どこかにズレがあるように思えてなりません。

さて、話を兜や鎧飾りに戻しましょう。すでに江戸時代には、男の子が生まれるとお祝いに飾られたと言われる五月人形。後には、武家だけでなく、町衆の間でも、飾れるようになったとか。


この日、「安藤人形店」では、いつもは雛人形が並ぶ場所に、りっぱな五月人形がずらり…。

「あ、ちまきや柏餅もある…」ミモロの目は、やはり食べ物を見逃しません。

「京都の鎧飾りは、東京や大阪に比べて、色彩が落ち着いたものが多いんですよ」と三代目店主の安藤忠彦さん。
確かに、シックな色合いの鎧が多いよう。
「なんか素敵!インテリアにしたいくらい…」とミモロ。

「うちは、雛人形が主体。五月人形の占める割合は、ごくわずかです。また、最近は、ますます五月人形をお求めになる方は少なくなってきました。特に大きなものは、飾るスペースの問題なんでしょうか、お求めになのは、小さいものが多くなってます」と安藤さん。

確かに、東京などでは、お雛様を飾る家はあっても、五月人形を飾っている家は、あまり見られません。また男の子が生まれても、五月人形を買うという家も少なくなっているのでは…。

「でも、すごくりっぱで素晴らしい…これ、海外の方が興味をもちそう…」とミモロ。
「そうなんです。最近、ドバイにいらっしゃる方からご注文をいただきました」と。

節句の飾りというより、ひとつの日本の伝統の技を集約した工芸品として、海外で高く評価されているのでしょう。

また、鎧飾りにも、人気の品があるそう。一番人気は、伊達正宗のもの。

渋いところでは、上杉謙信。
勇ましい兜飾りが、人気のポイントとか。
「2009年 NHK大河ドラマ『天地人』で直江兼続が主人公だった時は、『愛』の文字の兜が注目されて人気だったんですが、続きませんでしたね。その時だけ…」今は、その鎧飾りは作っていないそう。

端午の節句を過ぎると、五月人形は、仕舞われ、再びお雛様が飾られる「安藤人形店」。
1階の作業場では、来年のお雛祭りのための、雛人形の制作が始まっていました。


*「安藤人形店」の詳しい情報は、ホームページで。



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