ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

清々しいカキツバタの美しさ。平安時代から「大田神社」の沢を彩る初夏の色。

2012-05-16 | 京都

京都は、四季折々、さまざまな花が咲く町。「梅と桜、ツツジも見たし、次は何?」とミモロ。

5月と言えば、やはりカキツバタ。京都の町で、その名所と言えば、上賀茂の「大田神社」です。


上賀茂神社の摂社のひとつである「大田神社」。上賀茂神社からは、徒歩15分ほどの距離にあります。

いつもは、ひっそりと静かなこの神社も、5月になると、大勢の人で賑わう場所に。
「わー紫のお花がいっぱい…」
神社の参道脇にある約2000平米の「大田ノ沢」には、約25000株のカキツバタが自生し、まさに一面、カキツバタで埋め尽くされています。


ここのカキツバタの歴史は古く、なんと平安時代には、すでに多くの人が訪れる名所だったそう。現在は、天然記念物の指定に。


「伊勢物語」の在原業平の東下りの一節にも登場するカキツバタ。

「ミモロ知ってる! 『から衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思う…』っていうんでしょ」えー、知ってるの?
「句の上の文字を読むと、カキツバタになってるんだよねぇー」
ウ!ここに来る前、どうも予習していたみたい…エライ!「そう?」と言いながら、ちょっと得意そうに鼻を鳴らすミモロです。



カキツバタと言えば、尾形光琳の屏風が有名です。
「どうしてハナショウブじゃなくて、カキツバタなの?」
確かに、江戸時代ごろまで、絵画などに描かれるのは、カキツバタが多いそう。その理由は、
ある花の辞典によると、その時代、ハナショウブは、主に関東から北に分布し、一方、カキツバタは、近畿一帯に、主に自生していたそうで、文化を担う画家や絵師が多く住む近畿では、カキツバタの方が身近で、よく鑑賞されていたから、絵画なとに登場する機会も多くなったと…。

神社では、カキツバタをモチーフにした手ぬぐいなども並び、おみやげに求める人も多数…


「花に見惚れてて、本殿にお参りしてない…」と慌てて、本殿へと向かいます。

ゲロゲロ…「あれ、何か鳴いたみたい…」と途中で足を止めたミモロは、しばし耳をピクピクと。
声の正体は、どうもタゴカエルという赤い蛙。
清らかな水のある場所にすむ蛙です。残念ながら、姿を見ることはできませんでした。

さて、大田神社のご祭神は、本殿に天鈿女命(あまのうずめのみこと)、そして境内の白髭社には、猿田彦命が祀られ、縁結びと芸能上達の神として崇められています。「お稽古事が上達するの?」と聞くと、ミモロは、真剣にお願いを…
「習っている古筆や、大好きなお絵かきがもっと上手になりますように…」と。

上賀茂神社の摂社なので、境内では、葵の苗が売られています。

参拝を終えたミモロは、トコトコと参道を戻ります。

「あ、お休み処があるよー」決して見逃さないミモロです。
「お餅とお茶で休んでいきませんか?今日は、ここにあるだけでお仕舞です」と、この日、仮設のお休み処をなさっている地元の婦人会の方。

「やきもちだって…もうすぐ売り切れだって…」
上賀茂神社の名物のひとつの「葵やきもち総本舗」のやきもちです。


もうすぐ売り切れ…という言葉に、弱いミモロ、さっそくいただくことに・・・・。

「素朴な味わいが、いつ食べても美味しいね」と、草餅と白い餅の組み合わせをペロリ。

カキツバタが咲く広々した沢を渡る風が、とても気持ちいい1日でした。



さて、今日は、昨日の雨で延期された「葵祭」の斎王代の行列が、御所ー下鴨神社ー上賀茂神社へと進みます。朝からとてもいい天気…「ねぇ、どこで見物する?」とミモロは、朝からソワソワしています。




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コメント (4)
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