ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

日本の貨幣、紙幣でもお馴染みの建造物と鳳凰。平安時代の香り漂う宇治の「平等院」。

2012-06-13 | 歴史・史跡

6月は、修学旅行生の姿が多い京都。京都を訪れる修学旅行生が、よく行くのが、「清水寺」と「金閣寺」「銀閣寺」、そしてちょっと足を伸ばす場所が、宇治の「平等院」です。


京都駅からは、JRで20分ほど。伏見などと共に観光で訪れる人が多い場所です。

ミモロが、宇治の「平等院」に来たのは初めて…「前から、一度は行ってみたいって思ってたんだー。だって十円玉にある建物でしょ!日本で誰もが、必ず毎日、平等院を見てるんだよね。意識してないけど…」と。


「わーこれが有名な『鳳凰堂』なんだー。十円玉と同じ…」。極楽浄土の宮殿をイメージして作られた鳳凰が翼を広げたような優美な姿を見せる建物で、前に広がる「阿字池」を鏡のように、その姿を映しています。「これだけ日本中の人が、絵を持ってるお寺ってないよね」とミモロ。確かに、お財布には、必ず入っていますよね。

そもそも「平等院」は、嵯峨天皇の第8皇子であった源融(みなもとのとおる)が建てた別荘だった場所。帝位に就けなかった彼は、風雅三昧の人生を過ごすことに。嵯峨にも別荘があり、それは現在の清凉寺です。いずれも清流のそばにあり、大きな池を持っています。
「リバーサイドの別荘だったんだねー」とミモロ。

その別荘を関白、藤原道長が譲り受け、永承7年(1052)に、その子藤原頼通によってお寺となり、翌年天喜元年(1053)に阿弥陀如来を安置する阿弥陀堂(鳳凰堂)が建立されました。


『鳳凰堂』の建造物は、もちろん国宝。その中にいらっしゃる「阿弥陀如来」は、平安時代を代表する仏師の定朝の作で、彼の現存する確実な唯一の作と言われています。

また、『鳳凰堂』の内部の壁には、笛や琵琶などの楽器などを奏でる姿をした「雲中供養菩薩像52体」(国宝)が、平安時代の美を今に伝えています。


さて、ちょっとここで、十円玉のお話を…。
現行の十円玉ができたのは、昭和26年。つまり一番古い十円玉は、その時代のもの。「平等院」が描かれている面が、表面で、数字があるのは、裏面です。なぜ、「平等院」なのか…その疑問には、諸説ありますが、日本を代表する古い建造物として、選ばれたという説が有力。実は、現行の1万円札にも「平等院」の鳳凰堂の屋根にある鳳凰のデザインがあるのは、あまり知られていないかも…。つまり、日本の貨幣、紙幣には、「平等院」が、他の寺社を抑え、独占状態にあるのです。


「へえー知らなかったー」とミモロ。

旅のポイント:池の西側から、平等院を眺めるのが、一般的ですが、別途料金で、「鳳凰堂」の内部を見学でき、阿弥陀如来のすぐそばに行けます。ただ、1回で入れる人数が限られているので、平等院に入ったら、すぐに「鳳凰堂内部拝観受付所」に行って、申し込みましょう。おすすめは、内部の見学前に、その宝物を納める「鳳翔館」を、先に見学すること。あらかじめ、宝物などの知識や、身近で見ておくと、実際、『鳳凰堂」を見学した折の、感激もいっそうです。


ミモロが、訪れた時は、すでに1時間待ちの状態。でも、待っている間に、さまざまな宝物が展示されている「鳳翔館」の見学ができました。「すぐに御堂に入らなくて、かってよかったね」と。

さて「鳳翔館」は、とてもモダンな建造物。
2001年に完成し、平等院の景色を損なわないように、展示室のほとんどが地下にありますが、外光を巧みに取り入れた設計になっています。設計を担当したのは、千葉大学教授の建築家 栗生明氏。内部には、コンピューターグラフィックスによる創建当時の極彩色の鳳凰堂が再現されて、その美しさを体験できます。また、鳳凰堂の壁面にある「雲中供養菩薩」の52体の内の半分、26体が展示されているので、間近でその躍動感あふれる姿や細部の細工までも、見ることができます。
1万円札の裏面のモデルになっている鳳凰も、展示されるなど、なかなか見応えがある博物館でした。

待ち時間の1時間は、あっという間に過ぎ、「わー時間になっちゃう、急がなきゃ!」と、慌てて、「鳳凰堂」の入口へ。

他の観光客の皆さんと一緒に内部へと進みます。

「鳳凰堂」は、西向きに建てられています。阿弥陀如来は、西方浄土を向いて鎮座しておられます。光背および全身を金で覆われた阿弥陀如来は、夕暮れ、西の陽光を浴び、かつてまばゆいばかりに金色に輝いていたはず。その光景は、まさに西方浄土へ、極楽をイメージさせたことでしょう。
また、内部も、かつては極彩色に彩られていたのですから、本当に別世界です。
壁の菩薩たちが奏でる音色が、想像できるようです。


「あっちにお日様が沈むんだよねー。わー夕方に来てみたいねー」とミモロ。

「今度は、冬至ごろに来てみよう…」と思うミモロです。

平等院を出たミモロは、そばの宇治川へ。

橋の上からは、宇治川の観光の船の姿が。「次に来たら、乗ってみたいなぁー」と、乗り物好きのミモロは、羨ましそうに眺めます。

さぁ、そろそろ宇治の町に行きましょう。「ハーイ」と、ミモロは、参道のお土産物屋さんや食事処の前を通り、宇治の商店街へ進みました。


*「平等院」の詳しい情報は、ホームページで。

人気ブログランキングへ
ブログを見たら、金魚をクリックしてね
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする