ミモロが住む岡崎は、「みやこめっせ」「京都市美術館」「国立近代美術館」「府立図書館」など、市民が集う公共施設が集まっている場所。そんな施設のひとつでいろいろなコンサートが開催された「京都会館」が、老朽化のために、9月に解体され、2015年に新たな施設としてオープンすることになりました。


この建物は、よくミモロがお散歩するコースにあります。
「もうすぐなくなっちゃうんだってー。壊される前に、もう一度見ておこう…もう中には入れないけど、せめて外側からだけでも…」。

すでに今年の3月から、コンサートやイベントの開催は停止されています。

終演予定時刻を告げる表示に、もう数字が照らされることはありません。

人気のない「京都会館」は、ひっそりと解体される日をただ待っているよう…。

「なんか淋しそうだねー」とミモロ。

では、ここでちょっと「京都会館」のお話を…。
京都市が所有する「京都会館」は、昭和35年(1960)に開館した、府内で唯一2000席の座席を越えるホールでした。京都市交響楽団定期演奏会も、開館から35年間行われたところです。

京都でコンサートに開く有名歌手は、このホールを使いました。

設計者は、戦後、日本建築界をリードしたモダニズム建築の旗手、前川國男。
ル・コルビュジェ、アントニン・レーモンドのもとで学び、彼の事務所からは、丹下健三などを輩出しています。
直線と幾何学模様など、独特の建築スタイルで、国内には、「東京文化会館」「神奈川県立音楽堂」など、彼の設計による建物が数多く見られます。
そう、この「京都会館」も彼の代表的な作品のひとつです。
だれもいない敷地の中を、ミモロはトコトコと建物を見て回ります。

「天井の模様もタイルみたい…」

「これ、雨どいなのかな?」

階段脇の部分で「わー滑り台みたいー」とちょっと遊ぶミモロです。

「なんか素敵…懐かしい感じがするねぇー。昭和の臭いがする…」
ミモロが、興味を抱いたのは、石畳の模様。



色違いのタイルやレンガを組み合わせた模様は、とても洒落た感じです。
「これも、なくなっちゃうんだよねー」
石畳を歩くミモロの足取りも、心なしか、重いよう。
「まだ使えそうなのに…」と、いとおしそうに、じっと建物を見つめます。

「お寺や神社は、これよりずっと古い建物だけど、何度も修復しながら、ずっと使ってるのにねぇー。コンクリートの建物はだめなの?」と、ポツリ。
長年、京都の人々に愛された「京都会館」。
きっとここで、さまざまな感動に出会った人も多いはず…。
最新の設備を整え、新装オープンするのは、2015年とか。
改修費用の捻出のため、京都の電子部品メーカーのロームに命名権を売却。
50年の契約で、その金額は、52億円以上とか。
「ロームホールになるよ?」。まだ名前は決まっていないよう。
オペラができるホールになるという話も…。
入口にスックと立つ「平和の女神像」。

滋賀県出身の彫刻家、山田良定の作品で、昭和60年に、世界平和を祈り、京都岡崎のライオンズクラブが建立したものだそう。
「この女神さまは、どうなっちゃうんだろ?」

女神さまの行く末も、気になるミモロです。

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