まだまだ残暑が厳しい9月のある日。ミモロは、お友達のご招待で、大阪松竹座へ出かけました。ミモロにとっては、初めての場所なので、京都からお友達に連れて行ってもらうことに。
地下鉄御堂筋線で「大阪難波」というところまで行き、そこからトコトコ歩きます。
繁華街の真ん中に立つ大きな建物が、目指す「大阪松竹座」です。
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「なんかクラシックな雰囲気の建物だねぇー」と、初めて見るミモロは、ボーっと建物を見上げます。
さて、この「大阪松竹座」は、大正12年(1932)に誕生した関西初の洋式劇場。
正面の大アーチの装飾が特徴的なネオ・ルネッサンス様式で、大林組の木村得三郎によって設計されたもの。開業以来、まさに大阪の文化の拠点となっていました。
3階まであり、座席数は、最大で1033席。「有職麗華」と題された有職文様のりっぱな緞帳が掛っています。
さて、この日の興行は、「中村勘太郎改め六代目中村勘九郎襲名披露 九月大歌舞伎」
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中村屋にとって、また歌舞伎界にとって、記念すべき襲名披露とあって、普段よりいっそう華やかな雰囲気が漂っています。
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勘九郎という名は、中村屋の由緒ある名跡で、現在の中村勘三郎が、46年間名乗った名跡です。今回の襲名披露興行には、坂東玉三郎、片岡我當、片岡秀太郎、中村橋之助、中村扇雀、そして弟の中村七之助など、豪華な顔ぶれが勢ぞろい。昼夜、見どころの多い演目構成です。
また、襲名披露ならではの、口上も行われ、歌舞伎ファンにとっては見逃せないもの。
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席に着いたミモロは、プログラムを読んで、いっそう期待が膨らんでいるよう。
「早く始まらないかなぁー」と、ワクワクしながら、幕が開くのを待ちわびます。
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「この幕も、この興行のための特注品だー」と、幕にも感心。
ミモロが、鑑賞するのは夜の部。
最初の演目は、坂東玉三郎が巴御前を演じる「女暫(おんなしばらく)」。
「わー華やかな舞台ー。玉三郎がステキー。玉さまー」と、美しい姿の玉三郎にポーッと見惚れるミモロです。
最初の休憩がはじまり、ミモロは、館内の見学へ。
「あ、この絵、さっき見た『暫』だね」1階のエントランスロビーには、フランス人画家のベルナール・ビュッフェが描いた大きな迫力ある絵が。
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また、襲名披露らしくお祝いのたくさんの絵馬が飾られていました。
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さらに売店では、襲名披露を記念したお土産のお菓子もいろいろ
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「どれにしようなか?」とミモロは、ひとつひとつ見て行きます。
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「どれも美味しそう…」
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再び幕が上がると、そこにはズラリと裃姿の役者さんが深々と頭をさげています。
坂東玉三郎をはじめ、9人の役者さんが次々に口上を…。
「この興行に来れてよかったー」と思わずにはいられないミモロ。
それが終わると、また休憩。「今度は30分あるから、ここでお弁当食べようー」と。
ご招待は、お弁当付。「わー美味しそう…」まさに幕の内弁当。
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「美味しいねぇー」とお友達といっしょに、お弁当をいただくミモロです。
「ここ『大阪松竹座』の座席って、『京都南座』より、広くて快適!お弁当もゆっくり食べられるしいいね」と。確かに『京都南座』の座席は、改装によりいくぶん広くなったとは言え、かなり狭いもの。「京都の方が土地が狭いからしょうがないねぇー」と、変な理由でひとり納得しているミモロでした。
お弁当の後の演目は、ミモロが楽しみにしていた勘九郎の六変化の早変わりが見られる「雨乞狐(あまごいきつね)」。
勘九郎演じる子狐が、巫女、座頭、小野道風、狐の嫁、提灯と、つぎつぎに化けて雨乞いをするという、見る人にとっては目が離せない演目です。
お話は、かつて義経を危機からすくった「源九郎狐」の子孫にあたる子狐が、自分も人の役に立ちたいと、日照り続きの危機を、雨乞いをして救うというもの。見事雨を降らすことができた子狐は、その功績から「勘九郎狐」という名をもらうという、六代目勘九郎襲名にふさわしいおめでたいお話になっています。
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ポスターのように勘九郎が子狐に扮して、飛び跳ねたり、グルグルまわったり。とても若々しい舞台で、本当に楽しく、その踊りも見事で、観客を魅了しました。
ミモロも狐のマネをして、ちょっと飛び跳ねてみました。
「どうやって衣装かえてるのかな?まるでイリュージョンを見てるみたい…」
最後に「雁のたより」という演目で、夜の部は、幕を閉じました。
「わーすごく楽しかったー」と、舞台を見終わったミモロは、まだ興奮さめやらぬ様子。
「勘九郎、よかったねぇー」と、ミモロは、子狐の演目が、忘れられないようです。
「ところで、ミモロちゃんは、大阪の夜は、はじめて?」とお友達。「そう、初めて…」と。
「では、ちょっと大阪らしいところをお散歩しましょ」と。松竹座の近所をちょっと歩くことに。大阪でも屈指の繁華街エリア、夜でも大勢の人が。「京都だと、この時間、だれも四条河原町歩いてないよねー。やっぱり大阪はすごいねぇ」と、大勢の人に押され気味のミモロ。
「ここが道頓堀よ」
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「ネオンがいっぱいー。川に光が映ってすごくキレイ!」と、川を眺め、感激するミモロ。
川沿いを歩くと、「あーこれテレビで見たことあるー」と。
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「京都よりネオンがいっぱい。都会だねぇー」と。
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大阪の夜にも感激するミモロでした。
*「六代目中村勘九郎襲名披露 九月大歌舞伎」は、9月25日まで。
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