ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

元禄年間創業のすっぽん料理の「大市」。お侍も通った歴史ある建物には、刀傷がいっぱい

2012-09-13 | グルメ

暑かった今年の夏も一段落。京都にも涼しい風が吹き始めました。

「すごく暑い夏だったから、なんか体力減退してる気がするー」とミモロは、ちょっと疲れ気味のようす。

「そうだ!こういう時は、元気になるもの食べなくちゃ!」ということで、トコトコ出かけたのは、二条城の西、千本通から1筋入った場所にあるスッポン料理「大市」です。



この辺りは、江戸時代の繁華街のひとつで、京都を訪れた武士や商人などで賑わった場所です。映画で有名な「五番町夕霧楼」も、この近くにありました。

「それでスッポン…なるほど…」

また、二条城や京都御所も近く、幕末、勤皇派と徳川方が、激しい攻防を繰り返した舞台でもあります。

その当時の様子を今に残す店構え。

表の柱には、酔った人たちが、刀を振るったと思われる刀傷が、今もたくさん残っています。

夜は、店のまわりには、木の雨戸がグルリと設置され、店を乱暴者の襲撃や盗賊の侵入から防ぐようになっているのも、興味深いところ。

歓楽街で遊び、お酒も入っていい気分になったお侍の姿が想像できます。

「こんにちはーお邪魔しまーす」とミモロは、古い構えのお店の中へ。

「あ、ミモロさんですねー。いらっしぃませー」と、笑顔で迎えてくださったのは、17代目となる若主人の青山佳喜さん。このお店のお婿さんです。
この家のお嬢さんと結婚して、歴史ある店の味を守るため、修業を積まれたそう。
「付き合っていたころ、歴史あるお店の娘さんとは知っていましたが、ここまでの店だとは知らなかった…。結婚してから、この店のすごさを痛感しました」とご主人。それまでとは、全く別の世界に飛び込むことに。でも武道家でもあるご主人、その根性は折り紙つき。店の味を守る修業にも、十分発揮されたのでは。
代々、後継ぎに女性しか生まれなかったという老舗ですが、今は、しっかりとした元気な息子さんに恵まれ、将来は18代目…。



「どうぞ、上がってくださいー」「では、失礼しまーす。ドッコイショ」とミモロは、お店に上ります。

「なんかタイムスリップしたみたい…。この玄関から、きっと新撰組の人たちなんかも上ったんだよねー」と。

玄関脇のお座敷の古い柱や設えに、時代がずっしりと浸み込んでいます。


まずは、お店の中を見学…。
「京都のお店って、奥に広がってるんだよねー。ここもずっと廊下が奥に続いている」


途中には、大きな灯籠が立つ坪庭も。
「こういう風情が、京都らしくていいよねー」と、坪庭を眺めながらポツリ。

こじんまりとしたお座敷が続くお店。それぞれのお客様が、ゆっくり過ごせる個室は、それぞれ異なった趣が漂います。

昔から火災の多い京都で、この店が昔のまま、残っているのは本当に貴重。
特に、幕末の戦火は、京都の町に多大な被害をもたらしました。
また遊郭なども火災で焼失。歴史ある建造物は、それらの災難をかいくぐって来たのです。



「ところで、ミモロさん、スッポン見たことありますか?」
「えースッポン?知っているけど、実際によーく見たことないかも…」
「では、特別、スッポンがいる場所にお連れしましょ」と、ご主人。
靴を履いて、庭の横を過ぎ、さらに奥へと進みます。

店の広い敷地内の一角に、スッポンがいる場所があるそう。
「水槽の中で泳いでるのかな?」と生簀をイメージしながら、ミモロは、ご主人の後に続きます。

「はい、ここですよー」

「あれ?なんかお砂場みたい…どこにスッポンがいるの?」とミモロは、砂が入った場所を覗きますが、どこにもスッポンの姿はありません。
「えーどこー」と、砂場に入りそうになるミモロに、「ダメ!あんまり近づかないで…危険です…」とご主人が。慌てて砂場から、離れます。

「キャーすごい顔ー」ミモロが対面したスッポンとは・・・・

*「大市」京都市上京区下長者町通千本西入ル6番町
電話075-461-1775 すっぽん料理コース ひとり2万3000円 



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