京の冬の旅で、「寺町 阿弥陀寺」を訪れ、「大黒屋鎌餅本舗」で名物の鎌餅を食べたミモロは、バスに乗るため、寺町を今出川通へと向かいます。「あ、ここなんだろ?」と突然、ミモロの足が止まり、店の中を熱心にのぞいています。




店の外のショーケースには、鉄道の行き先を告げるプレートが。
ここは、創業60年を越える鉄道模型店「マツモト模型」です。鉄道模型マニアなら、だれでも知っている老舗。
乗り物好きのミモロ…京都の梅小路に蒸気機関車を見に行ったり、また山口では、SLの「やまぐち号」にも乗車しています。だから、興味津々。思いきって店の中へ進みます。
「あのーちょっと見せてください~」鉄道マニア、特に模型マニアご用達のお店だけあって、どう見ても鉄道ファンに見えないミモロにお店の方やそこにいらしたお客様も、関心はなさそうに…。
それでもミモロは、お店の中を歩き回り、次々に置かれた品々を見て行きます。


「なんか今まで見たことある模型よりも、精密…本物みたいーすご~い」


小さい模型は、近くで見ても、迫力満点。線路を走る音が、想像できそう。
ここで、主に扱うのは16番ゲージの鉄道模型。これは、鉄道模型の縮尺と軌間を示す規格名称で、左右のレールの間隔が、16.5ミリのものを指します。
また、創業者である松本正二さんが戦前から戦後にかけて製作した35ミリゲージの蒸気機関車などの模型も店内に展示されています。

さらに木と紙でつくられたペーパー模型は、紙とは思えない質感。今も、オリジナルのペーパー模型として、訪れる人たちを魅了してやみません。
ところで、鉄道模型というのは、まさに大人のディープな趣味の世界。この店には、蒸気機関車をはじめ、今も現役で走るさまざまな電車の模型部品が揃っているのです。「これなんだろ?」


鉄道模型マニアは、鉄道ファンの中でも、まさに自分の好きな車両に惚れ込んで、自分で組み立てたいと思うほどの熱意をもっています。プラモデルとは、全く違い、組み立てキットになっているものでも、組み立て方の懇切丁寧な説明はないそう。模型マニアは、まさにその車両の構造を熟知する、豊富な知識が必要です。
ひとつの車両を組み立てるまでにかかる時間も相当なもの。でも、ひとつひとつ部品を組み立てる楽しさは、模型マニアには、たまらない時間。
「あれー新幹線ないんですか?」とミモロ。「新幹線は、模型マニアには、あんまり人気がないんです」と。模型マニアにとって、新幹線は、あまりに機能性を重視したデザインで面白みにかけるそう。「確かに、外側の部品少ないかも…」。模型マニアが心惹かれるのは、どこか温かみや表情のあるもの。


「うん、わかる気がする~」とミモロ。
大人のディープな趣味の鉄道模型というのには、知識の豊富さだけでなく、模型自体の価格の高さから。
小さな部品ひとつでも、正確さが求められ、当然、高価に。それがいくつも必要ですから、比較的初心者むけのキットでも、10万円は下りません。すでに組み立てられた完成品に至っては、40万円以上するそう。
だから、子供の頃からの憧れを、大人になってお金に余裕ができてから、実現する人も多いそうです。
全国の鉄道模型マニアから、問い合わせがあり、必要な部品などが、送られます。


店内には、模型の部品だけでなく、懐かし鉄道の写真や、常連さんから寄贈された貴重な品々なども展示。




「ここにいると、時間がたつのを忘れちゃいそう…」とミモロ。ここを訪れる鉄道マニアは、共通の話題や情報交換などで盛り上がり、何時間も過ごす人も多い、まさに鉄道マニアの社交場に。
ミモロも、調子にのって、「あのねー前に『やまぐち号』に乗ったの…」「電車の線路って、どういう風に作られているの?」「アプト式の電車って楽しいよねぇー」と、お店の方や、そこにいらした常連の鉄道模型マニアの方と、いつしか話が弾みます。
「これなんだか、わかりますか?」と、常連さんにお店の外へ。

「鉄道マニアじゃないのに、こんなに一緒に話ができるなんて、初めてです」と、常連さんに褒められ、うれしそう。「ミモロ、マニアじゃないけど、乗り物みんな大好きなのー。ここに来ると、鉄道のこといろいろ教えてもらえるから…また、来ちゃおう…楽しかったー。ありがとうございました」と、すっかりお店の方や常連さんとも親しくなった、ちょっと鉄子ちゃんのミモロです。

でも、一方で、豪華車両も一般の旅行者に人気。鉄道の旅を楽しむゆとり世代も急増。鉄度模型マニアも、増えるかもしれません。
*「マツモト模型」のホームページもぜひご覧ください.出町柳駅から徒歩10分。今出川寺町上ル。

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