「海馬と書いて、さあ皆さんはどう読みますか?」
「海馬」と書いて、石狩浜の人はトドと読み、海馬(トド)を退治して欲しいとかんかん(怒っています)です。
70頭あまりの海馬が港の近くの潮防波堤に住み付いて、網にかかった魚を網ごと食べ散らかし、網は使えなくなるなど、漁はあがったりです。
海馬(トド)は絶滅危惧種に指定され、頭数が増えているので準絶滅危惧種にまでにはなつていますが、駆除はむつかしいのです。
元来、稚内沖にまで南下していた海馬がさらに南下して石狩浜迄来たものとみられています。
ご存知の通りトドは巨大な動物で、3㍍もあるものもあり、食は大食漢です。これが何頭もすみついて魚を食べ荒らすのですからたまったものではありません。
頭が良く、漁師が網を張るとしめしめとばかりに魚をあさりに来るのです。
浜の近くに住み付いているので、銃で撃つことは人身事故につながるので、許可が下りても退治できないと言います。
海のギャングと言われるこの海馬はトドと読みますが、人の脳の物事を記憶するところは海馬(かいば)と読みます。
※ もう数十年も前になりますが、上野公園不忍の池の周りの路を朝方歩っていました。少し前を歩っている人が、池の金網張りの中に飼われていたトドに手をたたきからかったまでは良かったのですが、怒ったトドが口に含んだ水を水鉄砲のように吹いて、そのからかった人に命中したのを見たのです。
お見事と言うべき仕返しでした。その時からトドは頭が良い動物なのだと関心していました。
「海馬(かいば)」
道新(31.4.7)の短歌の松川 洋子選の歌に
〇 いつまでも忘れたくないこともあるがんばれがんばれ私の海馬よ の歌があり
選者は「人生にはいろいろな事が起きる。それによって顕(あらわ)れるさまざまな感情、行動に関わる記憶を司るのが脳の中の海馬だ。忘れたくない事は大方、良いもの、衰えゆく海馬への励ましの切迫感が伝わって来る」 と評しています。
脳の記憶の場所は海馬で、「かいば」と読みます。