「ヤチブキやらシャク、カタクリの話」
「カタクリを食べる人の気持ちが分からない」とある吾人が強い語句で言います。
真意は、「あの可愛らしい花を咲かせる植物を取ってきて 食べるとはけしからん?」 という事なのでしょう。
昨日(4月21日)、当別駅前のふれあい広場と当別の道の駅に立ち寄りましたら、なんとカタクリが小束にして売られているではありませんか。
花はすでに萎(しお)れていましたが、この場合はオヒタシとして食べるための販売なのです。
買う人が居るので、商売にしている人が採取してきて、売り場に並べるのです。自然に生えている植物ですので、手間暇だけですべてが儲けになります。
ある者の胃袋を満たすために美しい自然が死滅して行くことになります。
種子から花を咲かすまで、6・7年かかると言われていますので、荒らされると元に戻らなくなります。
次に、山菜の中で「シャクにさわるほどおいしい山菜があります」、その山菜が「シャクです」。先ほどのふれあい広場の店でも売られていましたが、当別町の「つじの蔵」をのぞいて見たら売られていました。
根を掘り起こさなければ毎年無数にふさふさした葉を出しますので、この植物は死滅するとは考えられません。
当別では「コシャク」と名を付けて売られていました。ただシャクと言ったり、コシャクとも言っているのです。
セリ科の植物で、おひたしに最高です。むかし採取したマオイの防風林に出向いて取ればよいのに、遠出禁止の身でもあり、店でまずは買い求めたのでした。
また、私の家で、おひたしとして大好きな「ヤチブキ」ですが、開発のまだ進んでいない山の谷間などに黄色の花を咲かせています。同じ黄色の花を付けるキンポウゲは食べませんが、遠くまで車を走らせて、採取させてもらっています。
ちょっとの苦さが私にはたまらなく好きなのです。このヤチブキも先ほど挙げた店で販売していました。多くの人が、「食べたことが無い」と言いますが、店で売られるようになると、採取者が増えて自然が壊されていくことになるかも知れません。
北海道医療大学の研究林・里山の見どころはカタクリとエゾエンゴサクの群生地、そして谷間のエゾノリュウキンカが三大植物です。他にニリンソウ、ルイヨウボタン、レンプクソウ、クルマバツクバネソウなどなど多様な植物が見られる森です。
このエゾノリュウキンカですが、俗にヤチブキと呼ばれ、食べられるはめになったのです。
この研究林のリピーターの一人が、早朝に写真撮影に出向いた折、黄色の一部が確認できるビニール袋を持ち歩いているのを見て、「ここでは取ってはいけないのです」と注意したそうです。
心無い人が、この研究林に入り込んでいるのは残念です。
北海道医療大学の里山は研究林ですので山菜として取らないでください。
※ 山菜として並べられていたものに、ヨモギの葉が売られていました。並べられていた山菜の中では一番値が高く付けられていたのに驚きました。まだ成長が遅いからしょう。
この日売られていた山菜の中にアズキナ(ユキザサ)が売られてもいました。