カムイラビット 北海道の山野草(5) 「エゾノウワミズザクラ」
「エゾウワミズザクラのアイヌ語が地名に・・・ 木禽岳(キキンダケ)」
オホーツク管内の津別町に「木禽岳」という山があります。
津別に住んでいた当時、白松茸が採れると聞いて「木禽岳」に行きました。頂上まで車で行くことが出来ます。
この木禽岳の地名の起源は アイヌ語のエゾノウワミズザクラの「キキン」から付けられた地名なのです。
エゾノウワミズザクラやシュリザクラはバラ科の木で、いくつもの層状花序の白い花を咲かせます。その中のエゾノウワミズサクラはアイヌ語で「キキン」と言います。
枝を折ると特有の嫌な臭いを発するので、アイヌは魔よけとして家の入口に立てたといいます。
「キキンにつながる地名は津別町や美幌町、女満別(大空)町」に見られます。
美幌町には木禽川、美禽が。女満別町にはキキン原野の地名がありました。
津別町には特異な地名があります。「本岐」と「恩根」です。本岐はポン・キキン二・ウシ(小さい方のエゾウワミズサクラのある所(川))から、恩根はオンネ・キキン二・ウシ(大きいほうのエゾウワミズサクラのある所(川)から付けられた地名です。
本岐は北見管内で良く知られるチミケッブ湖への入り口にあたる地名です。
エゾノウワミズザクラを説明している内に地名の話になってしまいましたが、木の名が地名になっているのは道内であまり見られません。
この木は大きな木に成長し、用材に使われています。
北海道医療大学の里山の谷向に白い花を付ける木がありますが、これはシュリザクラで、エゾノウワミズザクラに間近い種です。
北大の植物園に春に出向くとこれらの木の咲いている所を見ることが出来ます。
札幌市の「百合が原公園」には似かよった木が花を咲かせ、実を付けます。木の説明の文をみますと「ウワミズザクラ」とあり、道南にある木とありました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます