今年7月9日に沖ノ島が世界文化遺産に登録されたことを記念して、日本橋高島屋で開催されている(8月1日まで)「沖ノ島写真展」(撮影:藤原新也さん)を見てきました。
実は、沖ノ島が世界遺産に登録されたというニュースに当初全く気付いていなくて、前回フランス語の授業で取り上げられて初めて詳しく内容を知って、興味を持ったというのが正直なところです。
〔沖ノ島概要〕
「神の島」と呼ばれ、島全体が宗像大社沖津宮の御神体で、今でも女人禁制の伝統を守っている。また、男性でも一般人は毎年5月27日の現地大祭以外は上陸を基本的に認められず、その数も200人程度に制限されてきた。
世界遺産登録に際して、島への接近・上陸対策の強化をユネスコから要請されたため、2018年からは研究者らを除く一般人の上陸は全面禁止することを宗像大社が2017年7月に決めた。
山の中腹には宗像大社沖津宮社殿があり、宗像三女神の田心姫神(たごりひめのかみ)をまつっている。無人島であるが、現在は沖津宮の神職が10日交代で派遣され、常時滞在している。・・・
ウィキペディアより
「玄界灘のど真ん中にある」(藤原氏)この孤島は、ひっそりと鎮まり、巨岩と古木が不思議な秩序を見せる中に、トカゲやカタツムリなど、小さな命が息づいている光景が広がっています。
一方、古代から行われていた祭祀に使われた銅鏡、翡翠や滑石の勾玉、ネックレス、純金製の指輪、陶器などが、無数に存在し、「海の正倉院」とも言われているそうです。
普段は神職1人に守られて賑やかさとかけ離れたこの地も、年に一度行われる「みあれ祭」では、沖ノ島、大島、宗像(九州本土)に鎮座する3人の姫神、が宗像大社で一同に会す祭りで、神職の先導のもと姫神を乗せた神輿が漁師に守られて進み、沖津宮と中津宮の御分霊を乗せた御座船が、荒波のなか大島と神湊を海上神幸する、厳かな中に勇壮で華麗な光景が繰り広げられるようです。
もともと神話に関心が無く、世界遺産にも余り興味が無い上に、「女人禁制」と聞いてちょっとムッとしたりして、深入りする気はなかったのですが、フランス語の授業のお陰で興味が湧いて、この写真展で、実際には足を踏み入れることのできないこの地の、歴史や文化の奥深さ、自然の美しさに束の間触れることができて、少し視野が広がったような気がしました。
何より蒸し暑い夏の昼間に、静かで涼しげな映像で清涼感を味わい、思い掛けない気分の良い時間を持てたのはラッキーでした。(三女)