懸魚(げぎょ)の種類
・蕪懸魚・鏑懸魚(かぶらげぎょ)
野菜の蕪(かぶ)や鏑(かぶら)に形状が似ているところから。
縞模様の渦巻きは鱗目(うろこめ)と呼ばれています。
・猪目懸魚・猪の目懸魚(いのめげぎょ)
日本古来の文様である猪目と呼ぶ心臓型(ハート型)文様を刳り抜いてあります。
心臓型(ハート型)文様を二つ重ねたものはその形から「瓢箪(ひょうたん)猪目」と呼ばれます。
・三花懸魚(みつばなげぎょ)
猪目懸魚や蕪懸魚の変形。猪目(いのめ)や蕪(かぶら)などの図柄を三個組み合わせてひとつの形とした懸魚。
・二重懸魚(にじゅうげぎょ)
蕪懸魚あるいは猪目懸魚などの図柄を二段に重ねた懸魚。
・梅鉢懸魚(うめばちげぎょ)
梅の花を図形化した梅鉢紋からついた呼称。
・貝頭懸魚(かいがしらげぎょ)
輪郭が貝の形に似ているところからついた呼称。
・雁股懸魚・狩股懸魚(かりまたげぎょ)
先が又(また)の形に開き、雁(がん)が斜めに並んで飛ぶ雁行(がんこう)の形や刃のある鏃(やじり)の形に似ているところからついた呼称。
・楯懸魚(たてげぎょ)
武具の楯(たて)に似ているところからついた呼称 。
・切懸魚(きりげぎょ)
輪郭の各辺が直線である六角形の懸魚。
・結綿懸魚(ゆいわたげぎょ)
真綿を束ねて結わえた形に似ているところからついた呼称。
・彫懸魚(ほりげぎょ)
彫刻を主体とした懸魚。
・兎毛通・兎の毛通し(うのけどおし)、唐破風懸魚(からはふげぎょ)
唐破風にとりつけられた彫刻を主体とした懸魚。
・拝懸魚(おがみげぎょ)と降懸魚(くだりげぎょ)
破風の中央にあるものは拝懸魚・拝み懸魚(おがみげぎょ)、左右の下側にあるものを降懸魚・下降懸魚(くだりげぎょ)と呼ばれています。
拝懸魚は本懸魚(おもげぎょ)、降懸魚は脇懸魚(わきげぎょ)・桁隠(けたかくし)とも呼ばれます。
※上記の分類に合わない懸魚も沢山あります。 ☞ 私の知識では分類できない懸魚一覧