秋景 ~「フレディ・アナザー・ストーリー」
秋もいよいよ、深まり、公園の木々も見事に色づき始めた。
シジュウカラやコゲラもやってきた。
紅葉だけでなく、季節外れの桜が咲いていたりする。
なんだか、急に華やいで見える公園の一角で、今日は「葉っぱ」の物語です。
フレディ・アナザー・ストーリー
僕は木の枝に生まれた。
物心ついた時から風を感じていた。
同じ木の枝にはたくさんの仲間がいた。
暖かな春の日差しを浴びて、
僕たちはすくすく育っていった。
同じように見えて
ひとつとして同じ葉っぱはない。
さわやかな風が吹きわたる中、
僕は葉っぱに生まれたことを
心から喜び
葉っぱとして生きていくことを楽しんだ。
夏には強い日差しが照りつけた。
僕たちは仲間と身体を寄せ合って
木の下に集まる人たちのために
木陰を作ってあげた。
いつの間にか陽射しが和らいできた、
ある日、あれほど優しかった風が
急に冷たく強く感じるようになった。
北風が吹き抜けた朝、
僕は身体の色が変わってきていることを知った。
僕だけでなく仲間たちも
様々な色に紅葉していた。
ひとりひとり、個性的な色になっていた。
隣の葉っぱ、ダニエルが言った。
「もうすぐ僕たちは“引っ越し”をしなければならない。」
それから、まもなく仲間たちは次々に引っ越して行った。
最後に残ったのは僕たちだけだった。
僕はダニエルに聞いた。
「“引っ越し”って、死ぬこと?」
「・・・」
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秋もいよいよ、深まり、公園の木々も見事に色づき始めた。
シジュウカラやコゲラもやってきた。
紅葉だけでなく、季節外れの桜が咲いていたりする。
なんだか、急に華やいで見える公園の一角で、今日は「葉っぱ」の物語です。
フレディ・アナザー・ストーリー
僕は木の枝に生まれた。
物心ついた時から風を感じていた。
同じ木の枝にはたくさんの仲間がいた。
暖かな春の日差しを浴びて、
僕たちはすくすく育っていった。
同じように見えて
ひとつとして同じ葉っぱはない。
さわやかな風が吹きわたる中、
僕は葉っぱに生まれたことを
心から喜び
葉っぱとして生きていくことを楽しんだ。
夏には強い日差しが照りつけた。
僕たちは仲間と身体を寄せ合って
木の下に集まる人たちのために
木陰を作ってあげた。
いつの間にか陽射しが和らいできた、
ある日、あれほど優しかった風が
急に冷たく強く感じるようになった。
北風が吹き抜けた朝、
僕は身体の色が変わってきていることを知った。
僕だけでなく仲間たちも
様々な色に紅葉していた。
ひとりひとり、個性的な色になっていた。
隣の葉っぱ、ダニエルが言った。
「もうすぐ僕たちは“引っ越し”をしなければならない。」
それから、まもなく仲間たちは次々に引っ越して行った。
最後に残ったのは僕たちだけだった。
僕はダニエルに聞いた。
「“引っ越し”って、死ぬこと?」
「・・・」
「僕は死ぬのが怖い。」
「葉っぱは緑から紅葉して散る。
変化するのは自然なこと。
死ぬことも変わることのひとつなんだよ。」
初雪が降った朝、
ダニエルは静かに枝から離れて引っ越して行った。
そして、僕もすぐにその後を追った。
ゆっくり、ひらひら舞いながら
僕は生まれ育った木の根元に降りた。
「初めて見たよ。 なんて大きな立派な木なんだろう。
僕はいったん、土になるけれど、
新しい葉っぱになって
また、生まれ変わるんだ。」
僕は静かに目を閉じた。
『葉っぱのフレディ』をモチーフに by あずき煮えた
「葉っぱは緑から紅葉して散る。
変化するのは自然なこと。
死ぬことも変わることのひとつなんだよ。」
初雪が降った朝、
ダニエルは静かに枝から離れて引っ越して行った。
そして、僕もすぐにその後を追った。
ゆっくり、ひらひら舞いながら
僕は生まれ育った木の根元に降りた。
「初めて見たよ。 なんて大きな立派な木なんだろう。
僕はいったん、土になるけれど、
新しい葉っぱになって
また、生まれ変わるんだ。」
僕は静かに目を閉じた。
『葉っぱのフレディ』をモチーフに by あずき煮えた
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