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般若心経を読み解く? (五次元的解釈)9 量子力学との合流1

2020-08-01 | 般若心経を読み解く(五次元)

神戸、苦楽園散策で見つけた石碑

 

今回は当ブログの「般若心経を読み解く?」1~8  から引き続きの連載記事になります。

すでに紹介しましたような般若心経の理解から、更に新たな心的段階に入りましたので、その内容を紹介するものです。

この連載をはじめて読まれる方は、1~8 を参考にお願いします。

1~8 は、般若心経を、私の提唱する五次元的解釈で表したものでしたが、それが終わった直後、不思議な出合いが起こりました。この記事を継続する経緯を簡単に紹介しますと、こんなことです。

それは私の尊敬するブログの最新記事からマックス・プランクの言葉を知ったことに発します。それはこんな言葉でした。(右欄は般若心経との対比)

 

全ては振動であり、その影響である。   =受想行識亦復如是

現実に何の物質も存在しない。      =色即是空

全ての物は、振動で構成されている。   =空即是色

「すべての物質は、固有の振動数を持つ。」 =諸法空相

〔マックス・プランク〕         「般若心経」  

 

空間も物質も、この世はすべて波でできているというのです。それは「般若心経」を終えた私の思考に滑り込むように入ってきました。

プランクは、

光のエネルギーは、ななめらかな曲線のグラフを描くのではなく、階段のような段々を描いて変化するという現象を最初に発見した人です。その変化していく階段の高さが一定であることを発見し、光はその定数倍ごとに増減すると提唱しました。それが有名なプランク定数とよばれるものです。

これは科学の眼が、光をマクロでみるニュートン力学から、光をミクロで観察する量子力学に転向していくきっかけとなりました。そのためプランクは量子力学の創始者(父)と呼ばれるようになったのです。

心の旅を続けるためには、この量子力学は必然的に通らなければならない道のように思えました。

当ブログでは、「般若心経を読み解く?」の連載を始める前に、「凡人の語る宇宙論( アインシュタイン讃歌E=mc2)」を連載しました。これは有名なアインシュタインのエネルギーの公式「E=mc2」を、凡人の立場から読み解いて宇宙の成り立ちを考えたものですが、今回のプランクの言葉はさらにその先を進みなさいと言う声のように感じたのです。

私には不思議な確信がありました。

それは、宇宙を読み解こうとする「物理学・量子力学」と、心を探求する「般若心経」はその頂点で必ずつながるということです。

確かに「E=mc2」と「般若心経」の記事で、そのつながりが予感できるところまでやってきたように私には思えました。

しかし凡人には、アインシュタイン=相対性理論「E=mc2」ばかりが光り輝いていて他が見えず、興味はそこで終わっていたのです。そのために道筋は見えていても、心と密着した理解はなかなかやってきませんでした。

ところがアインシュタインはまさにその特殊相対性理論を発表した1905年のその年に、プランクの量子仮説から光量子(光子)という言葉を生み出し、さらに光は光子と波の二重性があると提唱していたのでした。

この光の二重性が問題となって現在に至るまで、光とは何かという議論が約一世紀の間、世界中の科学者を巻き込む前例のない物理界の大沸騰となったのです。

光はあるときには粒子となり、あるときには波となって現れる。それは常識の論理では全く解釈の出来ないことでした。

この不確かな自然を受け入れて、新しい論理を構築すべきだ。というボーアの主張と、

今まで構築してきた論理体系の中で、必ず不確かに見える自然の振る舞いも説明できる。という、アインシュタインとの論争が、多くの科学者を巻き込んでいったのです。

神はサイコロを振らないという有名な言葉を残したアインシュタインの決定論はやがて不確定性理論によって敗北します。しかしその敗北は、人間の全存在を解明しようとした情熱の一片であり、その確執なくして量子力学は決して進歩しなかった。

全体を眺めてみれば、量子力学の論争は世界を揺るがしたもっとも尊く真摯な思考実験であったのです。推進派も懐疑派もすべての科学者が脳細胞の一つとなって集合し、自然の不可思議に挑んだのです。反論は互いの思考を極限まで働かせる力となったことでしょう。

この1905年から1世紀にわたる間に展開された量子力学論争は、一人の天才が成し遂げた成果とは違いました。まさに全世界の天才学者の論争が多数の思考を一つに融合させていく試みであったと私には思えます。それは人間集団の思考が神の領域に挑戦した歴史だったと言っていいでしょう。

真実追求のために引き起こされた、この心震えるほどの集団思考の歴史を私が知ったのはたった一冊の本でした。

それは凡人のために書かれた、数式を一切使わない量子力学の歴史の再現だったのです。そこには科学理論の冷たい側面よりも、科学者たちの苦悩と探求の熱い心の歴史が活き活きとして綴られていました。

 

「宇宙はもつれでできている」ルイーダ・ギルダー著(講談社)

興味ある方は是非読んでみてください。

本題にある「もつれ」というのは、凡人にはおおよそこんな意味で理解できました。

光の振る舞いを証明する波動関数か何かの数式が発見された。しかしその数式の解に多分、自乗する項が現れたのでしょう。「+1」が成り立てば自動的に「-1」も成り立つ。つまり+の電子を観測したら、その瞬間0秒で必ずどこかに-の電子が存在することになる。一つのはずの光子が実は二つ存在していて、その二つはどんなに遠くに離れていても一方が決まれば瞬時にもう一方の性質が決まる。この不思議な現象を「もつれ」と呼び、その解釈の方法を巡って量子力学論争が引き起こされたのです。

瞬時に伝わるというのは、光の速度を超える現象です。これは「光速は不変」と言う理論が破れたことを意味し、これを正しく解釈しなければ、これまで積み上げてきた物理学は破綻してしまいます。

数式の出した答えに対して、あくまで数式で解釈できる隠された変数があると主張したアインシュタインと、現実の現象を受け入れて、分からないことは分からないとして新たな解釈で宇宙を理解しようとしたボーアの論争が、量子力学の歴史を象徴しているのです。

不確定さを導く数式であっても、量子力学は今、通常のコンピュータの何億倍ものスピードで計算できる量子コンピューターを実際に生み出しています。この事実はアインシュタインの敗北を物語っています。

いえ本当にそうなのかは誰にも分からないのです。あるいはこの量子コンピューター自身が、アインシュタインの予想した宇宙定数を発見し、宇宙のもつれを理路整然と説明するかも知れない。すると再びアインシュタインは評価されることになるでしょう。

宇宙とは何か。これは人間の知識欲が見せる最大のロマンだと私には思えるのです。

アインシュタインから、更に深く探求が続けられた量子力学の歴史を知って、私は長らく自分を突き動かしている五次元の意味にようやく行き着いたと思いました。

「般若心経」と「量子力学」そして「E=mc2」。

この一連の真理探究を心の中で統一させるためには、従来の思考方法では難しいのです。ことに量子力学で扱うミクロの世界は、それが決定的に私達の生活を左右する事実であるにもかかわらず、私達のスケール感覚(自分のスケールを基準にして世界を観ている)では自分の大きさにとらわれて自由に世界を思い描けない。必要なのはこの固定されたスケール感覚から自由になる思考方法なのです。

人類はやがて古い四次元の思考方法から五次元思考に移っていくだろう。私は量子力学の歴史からそう確信したのです。

以下連載を続け、その意味を明らかにしていきたいと思います。

 

(参考記事)

般若心経を読み解く?(五次元的解釈)

般若心経を読み解く?(五次元的解釈)2

般若心経を読み解く?(五次元的解釈)3

般若心経を読み解く?(五次元的解釈)4

般若心経を読み解く? (五次元的解釈)5

般若心経を読み解く?  五次元的解釈)6

般若心経を読み解く? (五次元的解釈)7 一部加筆

般若心経を読み解く?   (五次元的解釈)8 追補

(以下は数回分をまとめた長文です)

凡人の語る宇宙論(アインシュタイン讃歌E=mc2)1

凡人の語る宇宙論( アインシュタイン讃歌E=mc2)2


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