「お嬢ちゃん、どうしたの?」艦長が優しく声をかけた。
女の子が振り向いた。真っ黒な髪の毛に、ピンクのリボンをつけて、まんんまるの目がとっても可愛らしかった。
「ピピ、何もしてないもん。」
「でも、ずっとここでメリーゴーランドの方を見ていたでしょう。ピピちゃんはメリーゴーランドが好きなんだね。」ぴょんたが言った。
「ピピ、メリーゴーランドなんか嫌い。でもウサギちゃん大好き。あっ、モグラさんもくまさんもいる。ねえ、一緒に遊びましょうよ。私のクマさんはマギーって言うのよ。」ピピはぬいぐるみを見せながら言った。
どうもピピは、ぴょんたやもこりん達をぬいぐるみだと思ったらしい。ぐうすかをクマと思いちがいをしている。
「ピピちゃん、わスはナマケモノだス」
「くまさんとちがうの?」
「そうだス。木にぶら下がるのが得意だスよ。」
「ねえ、ねえ、見せて見せて。木にぶら下がるの。」
「ここには木がないから、今度にしようよ。それよりこれからみんなでいろんな乗り物に乗るんだけど、ピピちゃんも一緒に行くかい。」艦長が聞いた。
「お兄ちゃん、ウサギさんやモグラさんやくまさんと友達?」
「そうだよ」
「じゃあピピも一緒に行く。」
「よしきた。」そう言って、ぴょんたがピピをひょいと抱えて、肩車をした。
「わーい、ピピうれしい。」
「これ、ピピちゃん、足をばたばたさせないでじっとしていなさい。」ぴょんたは嬉しそうにピピに言った。 みんなはすっかりピピが気に入って、コーヒーカップやボートや映画館に入ったりした。
世界探査同盟では、みんな子供扱いされてばかりで、自分達より小さな子供がいる訳ではなかったから、ピピのような小さな子供を相手にするのが嬉しかったのだ。まるで本当の妹が出来たように、みんなはすっかり仕事のことを忘れて午後を過ごした。
「よし、今度はあれに乗ろう。」ぴょんたがジェットコースターに乗ろうと言い出した。
「ピピ、こわいよ。」
「みんながついているから大丈夫だスよ。」
「怖くないでヤす。」
「さあ、乗ろうか。」
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