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順番を待っていた、たくさんの子供達に紛れて、みんなも乗り込んだ。カタカタカタカタ、コースターがゆっくり上がって行き、頂上で一瞬止まったかと思うと、一気に滑りおり始めた。至るところから悲鳴が聞こえ、体が浮いたり、横になぎ倒されそうになったりして、まともに目を開けていられなかった。みんなはコースターにしがみついて、そして自然に悲鳴が出るのだった。コースターが終点につくと、子供達はまだ興奮したままで、足元をふらつかせて外に出て来た。
「ピピがいない。」ぴょんたがキョロキョロ辺りを見回した。
「本当でヤす。」
「まさか、落ちたってことは。」ぴょんたがうろたえている。
「そんなばかなことはないよ。」艦長が言った。
「でも、確かに一緒に乗っただスよね。」
「確かに乗ったでヤす」
みんなは一瞬顔を見合わせた。一気に、みんなの心の中に心配がやって来て、それが全身に広がった。
「みんなで探すんだ。」艦長が言った。
それと同時にみんなは走りだした。ジェットコースターの中にはピピの姿はなかった。事故でもない。一体どこに行ったんだ。みんなは必死で走り回った。四人は手当たり次第にピピの姿を探すばかりだった。ジェットコースターに乗ったとばかり思っていたピピがいなくなったので、四人とも、完全に頭が混乱していたのだ。 しばらくして、
「おーい、ここにいたでヤすよー。」
もこりんが大声でみんなを呼んだ。その声の方に行くと、なんとピピがいた。ピピは昼間いた、あのメリーゴーランドの横の柱の陰に隠れるようにして立っていたのだ。
「びっくりした、いつの間にこんなところに来たの。」艦長が聞いた。 「ピピ、怖かったの。」
「ごめんね、無理やり乗せようとして。」ぴょんたが謝った。
その時、ぴょんたの胸からペンダントがのぞいた。ピピがそれに気づいて目を離さなかった。
「これがほしいのかい。」
ピピはこっくりとうなずいた。
「今度会ったらね。」
「約束してくれる。」
「ああ、いいよ。」ぴょんたはピピと指切りをした。
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