「そうがっかりされては困るんだが、実はある遊園地で、子供が何人も行方不明になっているんだ。警察が調べて特に何も変わったことはないと言うんだが、いなくなった子供は皆、その遊園地から行方が分からなくなっているんだ。その遊園地に何かあるにちがいないと思うんだが手掛かりが何もない。そこで君たちに調べてもらいたいんだよ。」
「なんだか気味が悪いでヤすね。」
「誘拐ですか。」
「どうも、そう言うのではないようなんだ。」
「とにかくその遊園地に行ってみましょう。何か分かるかも知れません。」艦長はみんなのリーダーらしく、答えた。
「そうするでヤす。」
「まず行くしかないですね。」
「そうするだス、そうするだス。」
スケール号でなくバスに乗って探査に出掛けるなんて初めてだった。でもスケール号は、小さな猫のぬいぐるみのように、艦長のカバンの中に入っている。もちろん艦長や隊員達の服や武器はスケール号の中に置いている。今は普通の子供たちなのだ。
その遊園地に開門と同時に入って、終了の時間まで一日中遊園地の中を調査するというのが今回の仕事だった。
朝、早起きをしなければならなかったが、こんな楽しい仕事に遅れるものはだれもいない。
それにしても、楽しげな、どこにでもあるような遊園地、ここで何人も子供が行方不明になっているなんて信じられない事だった。ここは、たとえ迷子になっても、すぐに捜し出せるぐらいの、そんなに広くない遊園地なのである。
艦長たちは乗り物のフリーパス券を買って、遊園地の開門を待った。
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