巣から落ちた子スズメとの3日間
朝散歩に出たら、すぐ前のアスファルト道路に何やら動くものが、
よく見るとスズメの子
必死に上を向いて、力なく鳴いている。しかも道路の真ん中。
あれ?と思って様子を見ていると、近くの電柱を見上げている。コンデンサーの丸い筒が電柱の上についている。どうやらあの上に巣があるらしい。
まだひ弱で飛べない。
これでは車に潰されてしまうので、親鳥の鳴きまねをして近づき手に包み込んで草むらの上に運んでやった。
口を開けて餌を待っているのだが、親鳥の姿もない。
ネコが心配だが、それはもうこの子の運次第と思い直しそのまま様子を見ることにした。
子供がいる!と妻の声
通学中の小学生数人に取り囲まれている。捕まえようとしているらしい。
外に飛び出し、説明してやると、気持ちよく彼らは理解してくれた。
昼、凄まじい陽射し
車のかげに入れてやる
影の中で上を向いたまま親を待ち続ける様子
何か餌になるか虫はいないかと探すが見当たらず、
昼食のうどんを食べながら、これなら食べるだろうひと筋残して小さく刻み箸につまんで開いた口に入れてやった。
しかし口ばしに引っ付けたまま食べようとしない。
気付いたら陰から出ているスズメ、日ざしを避けるより親鳥恋し。当然だろう。けれど影が真っ黒になる程の陽射し。
小さな体が干からびそうなので遠くから雨のようにシャワーをかけてやる。
そのうちに頭上でスズメの声
とたんに小雀も応答。親がいることに気付く
しかしその日、餌を運んでいる様子がなく、上を向いたままのスズメは衰弱死寸前の感じがする。
日が暮れる。
自力で食べるか、親鳥が餌にするか、皿に水とご飯粒を脇に置いてやって一夜を明かす。
夢か現か、まだ明けやらぬ早朝、アトリエに工作用の注射器があったことを思いだし、あれでおからパウダーを溶いて口に流し込んでやったら!と思い付き、一番鳥の声を待って庭にでる。
子スズメがいない
親鳥の鳴きまねをして探す。ご飯を入れた皿がひっくり返っている。
ネコかと思って、痕跡を探していると、声がしてスズメが草むらから出てくる。
無事だった!!さっそく作った餌をアトリエから持ってきた注射器に入れて
開いた口に流し込んでやろうとした。うまく行かない。嫌がるのだ。
すると大きな親鳥の声。とたんに鳴き返す子スズメ。
間違いなく親が見ている。
やっと、親に任せる気になって、逃げるように退散
入り口からそっと眺めていると朝日の中ついに親鳥が確認できた。
しっかり子育てしている現場も目撃した。両親健在!
車の出し入れに、踏まないようにびくびくしながら、動かす時は必ず一人が確認して誘導する。めんどくさいが嬉しい気分もある。
夜中にネコに遭わないように祈りながら
二泊した次の朝、
姿がない!!巣立つて行ったか、それとも・・・
すると道路の向かい側でうずくまっている姿を発見
道路に出たらいけないよと、人間語で話しかけて草むらの方まで誘導する。
親鳥もやってくる。
早く飛べるようになってよ!と念じながら、こちらも朝食を済ませる。
アトリエに出かけようとしたら
親鳥も来た。
知らんぷりしてやり過ごし歩いていると
背中でひときわ大きな鳴声
親鳥と子スズメの二重唱
振り向いたら道路向かいの公園のねむの木の枝に三匹のスズメが戯れているように見えた。
おめでとう!!。
ちょっぴり寂しい、我が家の草むらだけが残っていた。
野生の鳥は彼らの生き方があるのでしょうね。
母鳥がやってこられて良かったでしたね。
寂しいでしょうけれど、
家は前庭、裏庭に野生の動物が結構生きています。
ウサギも結構いて、
その中に”恐れ知らず=fearless”と名付けた子がいて
うちらがいても
全然構わず、逃げもしないんです。
偶に古くなった豆類やナッツ類を箱に入れて
裏庭に置いておくと
キレイになくなったりしているから
どなたさんかの動物が食べて行ったのでしょうね。
昨夜は野生の蛍がキッチンの網にぐっついて
ピカピカ光っていましたね。
こんなに毎日のように野生の動物に囲まれていると
鳥の死体を見つけた時も
埋めずに、そのまま放り投げましたよ(夫が)
冷血な人間でしょうね。
しかし、6月のアスファルトの上で見つけた小鳥は
放置できないでしょうね。
”恐れ知らず=fearless”との共存がなんだかうらやましい感じもします。
小さい頃シートン動物記を好んで読んでいたので、野性の最高の関係が友だちみたいな意識があったのかも知れません。
一方で小鳥を鳥かごに入れて飼育していたりしましたから、気持ちは随分いびつなものだと自分でも思いますね。
今は見られなくなりましたが、蛍が川岸から一斉に飛び上がって星空のように見えた幻想的な風景が今も残っています。
美しいものだけが心に残っていくのですけれど、残ったものは人間のかって、野生ではないという事なのでしょうね。
冷血は野生の中の自然ですから^ね^