写真はおじさんライダーさんのブログから拝借した、浄光寺境内。菖蒲の花の向こうに親鸞聖人の像が立っている。とてもきれいなカットだ。
さて、2度ほどインターホンを鳴らすと、中から細い声が聞えた。
私が来意を伝えると少し戸惑った声がして、玄関の小窓が半分引かれて下着のままの男の顔が覗いた。それが御住職だとそのあとすぐに分かったのだが、私は一瞬引きそうになった。
「すみません・・・御住職さんにお願いがありまして・・・」
口ごもりながら伝えると、本堂で待っているようにその人は云った。
「法事があって今帰ってきたばかりなので、着替えてそちらに行きます。」
私はようやく御住職本人だと理解したのだが、同時に私の中に強い信頼の念が生まれた。
一瞬の立ち居振る舞いに、こだわらない人柄を感じたからかもしれない。
私は云われたままに、本堂に向かった。
先ほどいた人たちはすでに退出したようで、法衣を着た女性が一人後片付けをしていた。
私が御住職の話を伝えると、それじゃそこに座ってて下さい。と、本堂の長椅子を進めてくれた。誠実そうでがっしりした感じの女性で、この人が菖蒲を育てているお内儀さんだと思った。
「なんも出来ませんけど」そう言ってお内儀さんは盆に載せたお茶をすすめてくれた。
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